夏の味。無花果の思い出。
無花果がすき。見るようになると、この季節だなあと感じる。夏の終わりごろ。
無花果の木があるおうちに住むのが夢。
大人になってから好きになった味には、いつもエピソードがついているなと思う。
ずっと食べたことなくて。働き出した頃、この時期にはある説明会がありました。ホテル会場で行い、休憩時間に、お客さんに珈琲とケーキを出す。
わたしは毎年受付業務に駆り出されていて。午後、落ち着いた頃、われわれもお疲れさん的にケーキと珈琲をひっそり頂いてた。
これがうれしくって。
もう無くなってしまった、そのホテルの近くにあったブーランジェリー。この時期は無花果のケーキがあって、先輩のお姉さんが無花果大好きではしゃぐので、わたしも食べるようになった。
職場にいないことで捌けない業務が頭の片隅から離れず、でも、現場の喧騒から離れられるのは嬉しくもあり。微妙な気分転換になっていたような日。
ほんのりしたピンクが美しく、ジャムだといっそうわかる色。傷みやすいから、早くいただく。
そのままはもちろん、生ハムや、オリーブオイルに塩、チーズも合う。
そんな素晴らしい、無花果。