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「VRChatに関連する技術的課題なら、ほぼ解決できると自負してます」VRCUnity勉強会@オンライン【メンバー募集!全国Unityコミュニティ名鑑】

こんにちは、Unity Japanのnoteで編集長をしている田村幸一です。私は普段、Unityを広く世の中に伝える、広報的な役回りも担っています。

この連載『メンバー募集!全国Unityコミュニティ名鑑』では、全国各地で活動する有志によるUnityユーザーのコミュニティを紹介しています。

ここ数年の新型コロナウイルス感染症の影響で、ユーザーが集まるオフラインイベントやコミュニティ間の交流が減ってしまいました。そんな中でも、新しくUnityを始める人にとって、学びを後押しするようなコミュニティと出会えるようにしたい、というのが連載の目的です。

これまでは全国各地でオフラインに主軸をおいたコミュニティを紹介してきましたが、現在はオンラインを母体としている活動も増えてきました。そこで、連載第14回は、ソーシャルVRアプリ「VRChat」向けのUnity技術を教え合うDiscord上のオンラインコミュニティ「VRCUnity勉強会」を紹介します。主催者のNazellさん(@nazeru2)にお話を伺いました!


Nazell
「VRCUnity勉強会」の主催者。普段はSEとして勤務しながら、個人活動としてアバター改変の解説書「VRChat 初心者Unity備忘録」を執筆し、無料で頒布している。

「技術サポートできる場がほしい」VRCUnity勉強会が発足!

──はじめに、NazellさんがUnityと出会ったきっかけを教えてください。

コミュニティの名前にもなっている通り、VRChatにアバターやワールドをアップロードするためにUnityを使ったのがきっかけでした。VRChatは、VR空間としての「ワールド」内で、ユーザー同士がアバターの姿で交流できるSNSプラットフォームです。

アバターやワールドをアップロードするためにはUnityが欠かせません。ただ、自分がVRChatを使い始めた頃は情報が散逸していて、お世辞にも学びやすい環境とは言えませんでした。そこで、自分が苦労した点をまとめ、初心者の方でもスムーズにUnityの操作を学べるように、アバターの衣装などを変えるためのハウツー本『VRChat 初心者向けUnity備忘録』を執筆しました。

それを契機の一つとして「VRCUnity勉強会」を設立したんです。2023年5月で、Unity歴は約3年になりました。

──VRCUnity勉強会の活動は、どのような変遷をたどってきましたか。

実は、VRCUnity勉強会の前身となる組織として、『VRChat 初心者Unity備忘録』の「サポートサーバー」と「VRCCloth集会」がありました。

「サポートサーバー」は、『VRChat 初心者Unity備忘録』を読んでも操作の仕方が分からない方を私がサポートする場です。「VRCCloth集会」は、現在のVRCUnity勉強会の運営メンバーであるesnyaさん、Istriaさんが主催するVRChat内の集会で、キャラクターの衣服に使われるクロスシミュレーション「Clothコンポーネント」の研究や、ノウハウの共有を目的としていました。

「サポートサーバーで、サポートできる範囲を広げたい」という個人的な想いと、「より多くの人にClothコンポーネントの魅力を知ってもらうべく、指導できる場がほしい」という考えから発展し、VRCUnity勉強会が発足しました。

──何人が所属し、どういった活動をしていますか?

運営メンバーは、私の他にesnya、Istria、GlinT、Tony_Lewis、meronmks / めろんの計6人です。Discordで活動しており、2023年5月5日時点で3,152人のユーザーが参加しています。参加者はほぼ全員がVRChatユーザーなので、多くの方がUnityを使用しています。

日常的な活動としては、主にVRChatにアップロードするアバターやワールドギミックなどに関する質問や雑談を行っています。また不定期で、VRChat向けのアバター改変講座や、曲に合わせて様々な演出をする「ParticleLive」と呼ばれるVRミュージックビデオの作成講座などを開催しています。

2020年9月12日に開催された、第一回公開講座「改変入門」の様子

──新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、コミュニティへの影響もあったと思います。活動を活発化させるために、どんな工夫をしていますか?

VRCUnity勉強会は2020年7月に発足しました。そのため、コロナ禍でVRChatの利用者が増加したことに伴い、大きくなった組織だと考えています。

講師と生徒がアバターを身にまとい、VR空間上で講座に参加している

VRCUniy勉強会はVRChatユーザーであることが前提のため、集会や講座などの開催場所も基本的にはVR空間上です。講師や生徒がアバターを身にまとって遠隔地から参加し、講師のPC画面を投影しながら講義します。現実世界では匿名性や移動距離、時間などの制約によって多様な人が集まることが難しいため、唯一無二の環境だと考えています。

以前、配信した公開講座 「パーティクルライブ概論と全体像」には、Discord、VRChatあわせて約100名が参加しました。

コミュニティは差し伸べる「手」を拡張してくれる存在

──VRCUnity勉強会の特徴を教えてください。

VRChatに特化したコミュニティのため、VRChatでは使用できないコンポーネントやUnityバージョン特有の機能などにはめっぽう弱いです。ただ、VRChatに関連する内容であれば解決できない問題はほぼないといっても過言ではないと思います。集合知の勝利ですね。

──VRCUnity勉強会を運営していて、「よかったな」と思う出来事を教えてください。

初心者の頃にVRCUnity勉強会に参加して助けられた方が、今もVRChatを楽しんでいる姿に出会った瞬間です。「VRChat勉強会のおかげで今も活動を続けており、多くの人と出会えて世界が広がりました!」と言っていただけた時や、その方がまた別の初心者を手助けしている姿を見たときは、本当にこの場所を作ってよかったと感じました。

──Nazellさんにとって、VRCUnity勉強会はどんな存在ですか?

初心者の方に差し伸べる手を拡張してくれる存在でしょうか。人が助けられるのは、自分の両手の範囲が限界だと言われます。コミュニティを通じて多くの人と手を結ぶことで、Unityに挫折している初心者の多くを手助けできればと思っています。

──コミュニティを運営する上で、心がけていることはありますか?

場の提供に徹することです。設立当時は目標に「運営が手を出さずとも回っていく組織を作る」と掲げていました。現在は、質問を投げやすい雰囲気を作ったり、使いやすいチャンネルに構成したり、Botによる自動化を行ったりなど、参加者が利用しやすいように整備しています。

Discordでの活動状況。unity質問部屋では、VRChat向けのunity技術について質問が行われている。

また、コミュニティに参加する方が運営の役割を自由に担っていただけるようにしています。要望や問題に対して自由に議論に参加して運用方針を決められることは、VRCUnity勉強会ならではの特色だと思っています。

──今後、どのような人たちに参加してもらいたいですか?

VRChatを始めたばかりでUnity歴が浅い方から、VRChat向けにシェーダーやギミックを作成するなど使い慣れている方まで、幅広くご参加いただきたいですね。

──今後の活動予定やイベント情報などを教えてください。

まだ日程は確定していませんが、いくつか講座を開催する予定です。詳細を知りたい方は、Discordに参加して告知をお待ちいただければと思います。

VRCUnity勉強会は、Unityを使ってよりVRChatを楽しんでもらうことが目的です。もし、VRに興味はあるがどこから始めればよいかわからない、VR機器は持っているがホコリをかぶっているといった方がいらっしゃいましたら、この記事をきっかけにVRChatの世界に触れてみてはいかがでしょうか?最初の一歩から、ご相談いただけましたら全力でサポートさせていただきます!

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