コロナ禍帰国日記 fromイギリス①

長らく放置していましたが、帰国を機に再開。
というか、世界最高レベルで厳しいと思われる日本の入国検疫を突破するにあたり、厚生労働省や外務省の公式情報をチェックするのはもちろんなんだけど、
不確定要素が多いことや常に変更されることもあって、公式Webページでも詳細が明記されてなくて、どうなるのか不安な点が色々あったから、
覚え書きと、これから帰国する人の参考にもなったらいいなって。

厚生労働省「水際対策に係る新たな措置について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html
厚生労働省「水際対策の抜本的強化に関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19_qa_kanrenkigyou_00001.html

いま見たら既にページががらっと変わってるし。こっわ。
内容に変更がある場合はメールが来るはず(「在留届」もしくは「たびレジ」に登録してれば、外務省から通知メールが届く)だから、内容はおんなじなんだろうな。

まず基本情報のおさらい。
・日本入国日の翌日を1日目として14日間は外出を避け、自主隔離。
・自主隔離の滞在場所を申告
・位置情報アプリ、健康状態AIチェックなどで自主隔離期間中のデータ提出
・空港から待機場所(自己負担でホテルに宿泊/自宅/家族・友人宅)への移動手段を自分で手配
 ※ハイヤー/レンタカー/家族・友人の車

なにが困るって、帰国後14日間は公共交通機関が使えないことが困る。(タクシーも不特定多数の人が利用する公共交通機関なのでNG)
その他の問題も大体この移動制限によって付随的に発生する。

あと重要なのが、イギリス/ドイツ/フランス/南アフリカ/ブラジルなどの変異株流行国に滞在していた人に義務づけられる、3日間のホテル待機。

出国前72時間以内の陰性証明書の提出も現在はすべての入国者に義務づけられているけど、
原則として陰性証明書がないと飛行機に乗せてもらえないので、帰国・日本入国以前の問題でしょう。

イギリス帰国のわたしは昨日3/12(金)に入国して、
指定ホテルで一夜をすごして本日3/13(土)が入国後1日目。
まだまだ先は長いので、今日はイギリス出国前の準備についてメインで書きましょう。

ワーキングホリデーで大学院を休学して1年間の予定でオックスフォードに渡英した私は、
昨年9月に帰国する予定だったのを、コロナ対策で入国検疫・移動制限が厳しくなったことから残留を決意。
(イギリスのワーホリビザは2年間有効。)
不幸中の幸いで在籍大学もオンライン授業へ移行したので、
国際郵便で「復学届」を出し、時差と闘いながらオンライン授業を受けることで10月から大学院へ復帰。

昨年夏ごろのイギリスは、まぁある程度予想してたとおり気温の上昇に伴って感染者数が激減。
別段なにか対策をしなくても、感染者は減る一方。
逆に、十分な臨床研究ができなくてワクチン開発が進まないのでは、と懸念されてたぐらい。
イギリスでも観光産業は重要なので、順次各国との移動協定(移動制限や検査なしで相互に入国できる)を結び、
慎重な日本はまだまだ鎖国中だけど、まぁこの状況が続けばいずれ日本の入国制限も緩和されるだろうと期待してた。

空港から公共交通機関なしで移動するのはちょっと難しいところに実家があり、
60歳手前の父に片道十数時間運転して迎えに来てもらう、というのもできなくはなくはないかもだけど、
学校勤務の父は帰国者と接触した場合2週間仕事を休まなくてはいけないし、
近所に住む姉夫婦の幼い子ども達や別宅に住む祖父母が私のせいで感染したらと思うと、リスクを犯したくなかった。
緊急事態宣言もあり、帰国後2週間をホテルで過ごしたとしても、東京から実家へ帰省すること自体に感染させるリスクがあるのでは?という不安もあったし、
田舎なので「イギリス帰り」というだけであらぬ誹(そし)りを受けかねない。

で、まぁ、そんな不安からひとまず帰国を先送りして、事態が好転するのを待っていたわけです。
大学院は東京なので、そのままそっちでアパート借りれば、というのも選択肢だったけど、
オンライン授業なら日本にいようがイギリスにいようがおんなじだしね。

ロックダウンにより経済活動の停滞したイギリスでは、
太っ腹なことにコロナにより休業を迫られた被雇用者に80%の給与手当てを補償。
カフェでウェイトレスをしていた(フルタイム勤務)私は、休職手当てで月々の生活費をまかなえたというのも、残留を決めた大きな要因。

秋冬に再度コロナが流行するのでは、という不安もあったけど、
カフェの店長や家族と相談して、決めました。

クリスマスを目前に感染者が増大した時も、
すでにワクチン開発が進み、順次接種が開始される見込みだったことから、
まぁ何とかなるのでは?と思ってた。

ちなみにこの時点で日本側の入国制限は、ちょっとだけ緩和されてた。
ビジネスなどで短期滞在する人は例外として認める、みたいな。自分と関係ないから詳細はチェックしてない。
私はとにかく交通機関使用の制限緩和とか、自主隔離期間の短縮とか、来ないかな~と期待してた。
4月から大学院が対面授業を増やすこともあって、3月中に帰国できたらなぁ、と。

そこに降ってきた、”変異株”!
「南アフリカ型」とか「イギリス型」とか言われてますが、
おそらくは最初に見つかった時にはすでに世界中に広まってて、
大規模な検査を実施しているイギリスで比較的早期に、比較的多く見つかったんだと思う。(個人の考えです。)
ちなみにイギリスでは「イギリス型」ではなく「ケント型」と呼んでました。

さて、クリスマスを前にして一時的に再開されてた経済活動も、
1月上旬に状況を確認して対応検討する予定(案の定感染者が増えたので、1月から再度ロックダウンすると予測されてた)を前倒し、
クリスマス翌日から即時イギリス全土ロックダウンへ移行。

イギリスからの帰国者に対する警戒レベルは最高に。
「ヤバいな」とは思ったものの、その後ワクチン接種が進んだことで、事態が好転しないかと期待したが、
イギリス国内の状況は改善しつつあるものの、変異株ウィルス感染者が出続けている(この新しい株が優位になる見通しなので、変異株感染者が減る・消えるとは考えにくい)以上、
イギリスからの帰国者の入国制限が緩和される見込みはほぼゼロ。

ビザの有効期限までまだ半年あるので、再度残留も考えたものの、
クリスマスに家族と帰国したカフェ店長(店長はイギリス外ヨーロッパの国出身)が、
変異株流行によりイギリスへのフライトが止まったために戻ってこられず、
1月中旬には連絡のとれない状態になり、雇用主である彼が申請しないことには政府補償の給与手当ても得られないので、急遽収入がSTOP。
※店長だけの責任ではなく、仲介する給与支払い会社の担当者(普段から給与振り込みが遅れるなど超ルーズ)のせいでもあると思う。もっとシステマティックに給与精算してるところなら、まずそんな事態にはならない、とは思う。

(彼はその後72時間車を運転してヨーロッパ大陸を横断し、無事イギリスへ戻りました。仕事上のつきあいだけでなく、良き友人でもあるので、とにかく無事で安心しました。)

借りていたフラットの契約は3/14まで。
貯金を食いつぶす中で契約更新を断念し、3月10日前後で帰国することを決意する。
(数日余裕見とかないと、検査陽性やフライトキャンセルで予定が狂った時に困るから)

そしてここから、実際の手続きややり取りの苦労もさながら、
とにかく不確定要素ばかりで不安な気持ちと闘いながらの1ヶ月が始まるのであった…。
(退去するか更新するか1ヶ月前までに通達しなきゃいけなかったので、2月上旬に帰国を決心した。)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?