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内装に使用する「木」に関するアレコレPART1

今月は建材として使われる木のことを色々書きたいと思います。
「木」と一口に言ってもメチャクチャ色々あります。

表面に出てくる美しい木目の化粧板。立派な無垢のカウンター。下地として、構造材として活躍する、縁の下の力持ちとしての材木。等々。
木に対してどんなイメージをお持ちでしょうか。

木の意匠は温かみがあるとか、落ち着いた印象であるとか、使い方によっては高級感が出たり、身近に色々な「木」の意匠があると思います。テーブルの天板や椅子などの家具。床材のフローリング。木の壁や木の天井もあると思います。意匠的に張り付けたもの。構造材として活躍している柱や梁材を見せているもの。平面的な見せ方のみならず、彫刻のような彫り物を施してあったり、三次曲線に曲げたり削られたりして使用されているもの。

木の種類の多さもさることながら、使用方法についても本当に色々あるものだと思います。

我々が扱う「木」には、大きく分類すると、「本物」と「偽物」が存在します。
偽物だから安物なんじゃないかとか思われそうですよね。確かにそれも事実です。ただ、単に木の雰囲気を使いたいと言った場合であれば、とても合理的な建材とも言えます。一番の特徴は、お手入れが楽。傷つきにくい。安定して間違いのない表情。価格も本物に比べれば全然安価です。

今回の「PART1」では、本丸の本物の木について色々語らせて頂こうと思います。

その前に本物の「木」と、偽物の「木」を、材料見本の写真で説明します。


本物の木の中でも王様級 無垢の木
無垢の木左からサペリマホガニー・中央がトラ杢のカーリーメイプル・右が珍しくトラ杢の出ているウォルナット
こちらは本物なんですが、無垢の木を薄くスライスして厚みのあるべニアに貼り付けたもの
断面はこんな感じ。表面の後ろがべニアになってます。
このような板を「突板」と呼んでます。一応本物なので、たまに節があったりすることもあります。また、沢山の突板を頼むと、木目が中心に向かって同じような木目がだんだんと変化していく様子も見れたりします。
こちらは偽物。床材で、素材としては塩化ビニールです。印刷されたものなので、節とかは無く、均一・一様の素材となります。偽物ではあるが、お手入れが楽。ワックスを掛ければ、汚れがこびりついても簡単に落とせます。
こちらも偽物の木の代表格。化粧板です。素材としては「メラミン樹脂」。プラスチックみたいなもんです。特徴としてはとにかく固い。バリエーションも豊富。固くて、傷や、耐薬品性にも優れます。家具や建具によく使用されます。床材もそうですが、アンティークな雰囲気や、荒くラスティックな雰囲気のものも発売されていて、なかなかいい雰囲気出してます。今や色々な場所で目にしていると思います。
こちらはクロス。単なるも木目のクロスです。
壁や天井に貼られているのを見たことのある方もいるのではないでしょうか。

本物の「木」と、偽物の「木」の違いわかってもらえたでしょうか。

今回は無垢の木についてあれこれ語ります。

木を使用する上で、一番高価で、上質な雰囲気を求めるなら断然無垢の木です。仕上げは、塗装することが多いですが、塗装もウレタン塗装で、艶を出した仕上げから、艶を押さえた仕上まで、色々できます。染色と言って、木そのものに着色をして、雰囲気を自分好みにすることもできます。が、やはり素材そのものの美しさを出すならクリア塗装がいいと思います。他にオイルフィニッシュといって、専用のオイルを沁み込ませ、耐水ペーパーで荒い番手から細かい番手まで掛けていくという、簡単だが手間のかかる仕上もあります。個人的にはこの仕上げが好きです。
最終工程の持ち込まれた木に、専用のオイルを塗ります。耐水ペーパーの120番くらいから研ぎはじめます。研ぎ終わったら数日かけて乾かします。乾いたらまたオイルを塗って、今度は180番くらいで研ぎます。こうやって数日かけて目指す肌触りになるまでペーパーの番手を上げていきます。普通は800番くらいまでが一般的だと思うんですが、私2000番まで掛けたことあります。
驚きの肌触りで、なんとも言えない底ツヤが無垢材ならではの味を醸し出します。とても素敵です。
オイルフィニッシュで仕上げた素材は、その後もから拭きするたびに底ビカリしていき、2000番まで仕上げたような雰囲気になっていきます。
無垢材ならではの美しさを求めるなら、断然オイルフィニッシュがいいと思います。
ただ、美しい木の王様無垢材ですが、当然欠点もあります。自然のものなので、乾燥による「割れ」や「反り」が出ることはどうしても避けられません。完全に乾燥しきった材料であればその様な事もかなり防げますが、実際に流通している材料だと、多少の水分はどうしても含んだ状態となってしまします。出来るだけお部屋の乾燥を防いだりしたり、カウンターのような大きな無垢材を使用する場合は金物の反り止めを使用したりもしますが、木の種類によっては信じられないくらいの力で反ってくる材料もあります。
まぁいろいろ工夫して反りや割れを防止することはやっています。
無垢材は現場に合わせて使用するんですが、無垢の1枚板なんかだと、現場に合う木を探しに行ったりもします。ちょうどいいやつを見つけて、現場に合うように加工します。
まだまだ語りつくせてはいないんですが、今月はこの辺で。

来月も「木」にまつわるあれこれの続きの予定です。
質問等あればぜひお聞かせください。

2024年始まったばかりですが、良き1年になるように張り切って参りましょう。

ではBye



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