企業による奨学金代理返還制度は、損金かつ所得税非課税の制度です。
こんにちは、ザイコムユナイトnote担当です。(2022.7.1に社名変更しました。)
新しい年度が始まりました。
新しいことを始めるのにも良い時期ですね。
今回はちょうど一年前に弊社で導入した制度のご紹介です。
■企業による奨学金代理返還制度
日本学生支援機構の奨学金の返済を、従業員の代わりに企業が行う制度です。支払額の全額が損金扱いになり、かつ従業員の所得税は非課税、という画期的な制度です。
■独立行政法人日本学生支援機構
以前は日本育英会が奨学金事業を行っていましたので、こちらでご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。
2004年から独立行政法人日本学生支援機構(以下、機構)に事業が移されました。 奨学金には給付型と貸与型があります。
貸与型は第一種(無利息)と第二種(有利息)に分かれています。
私は貸与型しか知りませんでした。現行の給付型は2020年スタートとのことです。
■特徴
▼企業側
給与として損金扱いになり得ます。
また返還制度を利用している企業を公開しています。(希望がある場合のみ)
2022年4月6日時点で26社が掲載されています。
▼従業員側
「学資に充てるための費用を支出したとき」に該当するため、所得税は非課税扱いとなりえます。なお役員は含まれないようです。
奨学金を借りている方にとっては魅力があるのではないでしょうか?
※以下の9-14~9-16が該当箇所 国税庁HPより
※以下2サイト 国税庁HP タックスアンサー(よくある税の質問)より
実は以前から制度はありました。ただあまり利用されていなかったそうです。
というのも当初は一旦従業員に支払う必要があり、その時点で所得税が課せられていたためです。
2021年4月に改定され、企業が直接支払えるようになり、上記のメリットが得られるようになりました。
⚠️注意点!!
上記のQ&Aの通り、給与を減らしたりせずに加算することが要件です。
すべての税務がそうですが、状況により個別判断になります。万が一否認されるとどうなるのでしょうか?
想定されることとしては
企業は変わらず損金扱いと考えられます。ただし社会保険料は上がるかもしれません。
従業員は、所得税・住民税・社会保険料に影響があるかもしれません。その場合は、年金の増額とふるさと納税できる額が上がることが考えられます。
■代理返還制度の背景
貸与型は借金です。大学卒業後に本人が返還するのが基本です。
代理返還が始まった背景として2つありそうです。
▼回収への取り組み
返還をしない・できないことが問題視されていました。
機構は回収のために法的措置を強化するなどの対策が講じられていました。
より確実にかつ早く回収するための取り組みと言えそうです。
▼地方創世
地方創世推進の施策の一つに該当しそうです。
地域や会社への定着を狙ったものです。
各地域でも取り組みが行われています。知りませんでした。
■まとめ
金額や回数、勤続年数などは工夫して運用して頂ければと思います。
もし利用される場合は機構にお問い合わせください。
スカラネットKIという返還者用のサイトに登録をします。
そのあと振込用紙が送られてきます。そちらを利用して振り込みます。
なお奨学金は借金です。
返還しないことで法的措置も講じられ、差し押さえも行われているそうです。差し押さえは、家や車等に限らず給与や預貯金も押さえられる可能性があります。
もし借りている方は返還はした方が良いと思います。
返還が難しい場合は機構に相談してください。
返還を一時的に止めたりもできるかもしれません。
ご参考までに日本学生支援機構のHPと中小企業庁のHPを載せます。
■担当のつぶやき
新年度が始まりました。
私は子どもが保育園に通い始めました。
環境変化がストレスなのか離乳食もミルクも食べずに帰ってきます。
家ではがつがつ食べるのですけれどねぇ。
私は偏食が激しかったので、親はやきもきしていたのかもしれません。
その立場にならないとわからないことは多いです。
それでは良い週末をお過ごしください。