見出し画像

岡本恵典「業界最大級の新卒向け就活情報サイトを運営する社長の失敗談」 クラウドファンディングインタビューリターン

「大学生活をもっと充実させたい!」「やりたいことを見つけたい!」という想いを持ちながらも、なかなか行動に移せない北海道内の大学生に向けた連載企画「Knows」。

今回は先日終了したクラウドファンディングのリターンとして行ったインタビュー記事をお送りします。

支援してくださったのは株式会社Synergy Career代表取締役社長の岡本恵典さんです。

↓が就活の教科書と株式会社Synergy Careerのリンクです。

岡本さんとのインタビューの始めに「今の大学生に伝えたいことはありますか?」と無茶振りで質問をしたら、「やりたいことが無い大学生は長期インターンシップをしてほしいと思っています」と答えてくださいました。

「将来的には絶対働かなければいけない状況の中で、企業で働く経験をしておけば、実際働くときに得意なこと・やりたいことが自然と見えてきます。長期インターンでは半強制的に将来働くための準備運動ができるのでオススメです」

また、長期インターンに取り組む学生の数が増え、始める年齢層も下がっている背景として、「コロナのせいで大学生の打ち込むことが無くなっており、将来も不安だから長期インターンを始める傾向がある」ということでした。

このように、『就活の教科書』を通して、今の大学生や就活の状況を徹底的に分析されている岡本さんの人生を深彫る記事となっています。就活中の学生やこれからの就活に不安を抱えている学生はぜひご覧ください!

プロフィール

岡本恵典
株式会社Synergy Career代表取締役社長。大阪府立大学大学院理学系研究科卒。
新卒で渋谷のITベンチャー(後にマザーズ上場)に入社。Webマーケティングを学び独立。
Web集客のスキルを活かし、大学生達と『就活の教科書』立ち上げ、株式会社Synergy Careerを設立。著書に『ワークと自分史が効く!納得の自己分析』がある。

様々な経験を通して仕事としてやりたいことを見つけた大学時代

ー大学時代は主にどういったことをされていたんですか?
「高校生の時、化学が好きだったんですよ。だからなんとなく、科学者になりたいなと思って大学に入りました。でも、化学だけじゃなくて『もっと色んなことをしてみたいな』と思って、今まで経験してないことを沢山しました。

例えば、ボランティア・学祭の実行委員・国際交流のサークル。それ以外にもたくさんあります。今振り返ると直接的に役立ったこともあるし、役立たなかったこともあるんですけど、沢山の経験をしたおかげで自分のやりたいことを絞っていくことができました。

その後、大学院に入って就活のタイミングになりました。化学の院だったので周りの同期は皆メーカーに行くんですよね。でも僕は『化学の研究だったら輝けないな』と思うことがありました。」

ーどうしてなんですか?
「研究の合間の昼ごはんのときに、癒しとして、『水曜日のダウンタウン』を見ながら食べてたんですけど、隣の同期は論文見ながら食べてたんです(笑)。その同期は趣味で研究していることに気付いて、『あ、これは勝てないな』って思ったんです。実際、研究自体もそんなに面白いと思ってなかったですし。

だから、研究職じゃなくて文系就職をしようと思って、色んな会社の説明会を受けに行きました。その結果、僕は『世界での日本の存在感を上げていきたい』って思ったんです。これは国際交流をしていた経験が影響したのかもしれないです。

日本って文化的にも技術的にも良い国だと思うんです。でも、今の日本には負け組ムードが漂っている。さらに国際交流を通して、日本に来る留学生のほとんどがアニメ目的で来ていることを知ってなんとも言えない気持ちになりました。

だから、世界における日本の存在感を上げていきたいと思いました。じゃあ、なんで日本の存在感が下がっているのかと考えると、就活当時の僕は、ITとかマーケティング的な視点が足りてないからじゃないかと考えたんです。

そう考えたのは、当時、中国や韓国の白物家電(冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどの家庭用電気機器)が日本で売れていたからです。元々、パナソニックや東芝が強かったのに。これこそ、日本企業にマーケティング視点が足りていないことが原因だと考えました。

結局、この力を鍛えるためにIT系のマーケティング会社に入りました。

こうやって後になって振り返るとすごくまとまってますけど、当時の僕はここまで深く考えていなかったですけどね(笑)。」

自分の苦手なことを仕事にしてしまい、9カ月で退社

ー結局、新卒で入った会社は9カ月で退社されることになったと思うんですが、どうして退社されたんですか?
「こんなに筋が通った就活をしていたのにビックリですよね(笑)。理由は自分の苦手なことを仕事にしちゃったからです。具体的には営業という仕事が苦手なのに営業職にこだわりすぎてしまったんです。

実は僕、人に何かを説得したり、目上の人と話すことが苦手なんですよね。でも、社会人で仕事ができる人って営業ができるイメージがあるし、周りの友達からも『喋るのうまいし、営業に向いてるよね』と言われていたので『逃げちゃダメだ!』と思って、営業職に就きました。

でも、実際に仕事を始めてみたらやっぱりしんどくなりました。成果も出ないし、会社に行くのもつらい。入社当時はビジネスに関する本を読んでいたのに、辞める直前は『上司にどうやって気に入られるか』みたいな本ばっかり読んでることに気付きました(笑)。それがきっかけで辞めました。

自分の弱さを認められていなかったことがミスマッチを生んでしまった原因だと思います。まあ、今考えてみると、大学生の時からリーダーとして活動することが多かったので、そもそも人の下で働くことが向いてなかったのかもしれないですね。

ただ、今でも僕の就活当時の業界選び・会社選びは間違ってなかったと思っているんですよね。実際入社した会社は、僕の入社から2年後に上場しているので。」

ー文系就職って営業職がすごく多いので、文系就職を考えている学生にとってすごく学びの多いエピソードかもしれないですね!
「苦手なことは認めた上で就活したほうが人生楽かもしれないですね。」

自分の強みとやりたいことを活かし、『就活の教科書』を立ち上げる

ー辞めてからはどうされたんですか?
「どうにか稼がないといけなかったから、ブログ・転売・ウェブ制作・アプリ制作・YouTuberなど色んなことに取り組みました。その中でブログが自分に一番合っていることに気付きました。一番成果も出たし。

僕は自分の思っていることを表現することが好きだし、読者の数値の解析も得意でした。あと、僕のブログのビジネスモデルが完全成果報酬型の広告なのでクライアントから怒られることも無いんですよね。そういう意味で、ブログであれば、自分にストレスをかけることなく仕事ができることに気付きました。

最初は遊戯王カードのブログをやって、うまくいっていたんですけど、このままでは『日本の存在感を上げる』ことに繋がらないことにギャップを感じて、自分ができること・やりたいことをもう一度考え直しました。

その結果、就活のブログ運営だったら自分の経験や強みを生かすことができると思い、『就活の教科書』を始めました。」

ー立ち上げから3年ほど経ち、累計3,5000万PVの就活情報サイトにまで成長されたと思うんですが、ここまで順調だったんですか?
「もちろん苦労はありました。ライターの集客・ライターのマネジメント・アクセスの伸び悩みなどですね。でも基本的には、今まで自分がやっていたブログ運営と大きくは変わらなかったので改善することができました。

就活生への想い

ー今後の会社の目標はありますか?
「就活で迷子になる学生を減らしたいと思っています。就活って良い意味でも悪い意味でも情報が多すぎて、『何が正しいのか』わかりにくいと思っています。だから僕らが、客観的に、必要な情報だけをまとめます。

『就活の教科書』を見たら、必要な情報は全部揃う。そんな状態になったら、全ての就活生がきちんとした就活の知識がある状態で就活に臨めると思うんです。無理に自分のことを誇張したり、人のESをコピペして面接官から深彫られて焦る学生もいなくなると思っています。

学生が自分に合った仕事を見つけることができたら、学生にとっても企業にとってもハッピーになります。僕たちは、日本の就活市場が最適化されたら、日本企業の生産性も上がっていくと考えています。

だから、『就活の教科書』をどんどん大きくして沢山の就活生に情報を届けていくことが目標です。理想は、就活でわからないことがあったら『就活の教科書』を見る。就活における教科書的存在を目指します。」

ー最後に北海道や地方の就活生に対して思っていることがあれば教えてください。
「今は地方の就活生、大きなチャンスだと考えています!今までは地理的な不利がめちゃくちゃありました。東京でしかやってない説明会等が山ほどあったんですけど、今はオンラインでほとんど受けられます。

実は、『地方出身者は優秀』という認識を持っている企業も多いんです。地方の学生は東京の学生に比べてちゃんと勉強している傾向が強いからです(笑)。人間関係も大事にする人が多いので人柄も良いですしね、

だから地方出身者を優先して採用したい企業も多いと思いますよ。

ただ、地方の就活生って東京の就活生に比べて就活を始めるのが遅いんですよね。だから早めから始めたら東京の人よりも求められる人材になれる可能性が高いので、なるべく早くから就活に取り組んでほしいですね。

リモートの長期インターンの求人もたくさんあるので、しっかりガクチカ作って、就活に取り組めばきっといいところから内定が出ると思います。

あと、地方に勤めるのか、東京に出てくるのかで悩む方も多いのかなと思うんですけど、僕は無理して東京に出る必要はないと思ってます。今ってキャリアアップを追求しない人も増えてきているし、どんどんそういう時代になると思います。」






以上でインタビューは終了です。新卒で入った会社を9カ月で退社した岡本さんは独立してから自分の強みを生かして『就活の教科書』を立ち上げられました。そして、自分の強みを活かしたからこそ、業界でも最大級のサイトにまで成長させることができたんだと思います。

就活でWill・Can・Mustのフレームワークがありますが、まさにこれだなと感じました。どれか1つに偏るのではなく、バランスよく自分のキャリアを考える。そうやって就活する学生が増えれば、もっと日本は良くなる気がします!

岡本さんの人生を書いたこの文章から何かのきっかけを得てもらえたら嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました!

取材・文:金子

よりよい記事を書くためにアンケートへのご協力をお願いいたします!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?