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灼鱗 フォイア「よっし!やっと着いたで!」
寒滝 ヴァッサ「ゆっくりくつろいでくれ」
福田 秀眞「ありがとうございます」
緑川 ディオ「残りのゴールデンウィーク、今度こそゆっくり観光しよう」
風李 愛論「もちろんです!」
魔華国 陽那他「千寿ちゃん、 大和君、それに夏海君だったかな?」
夏海 醒治「は、はい…」
魔華国 陽那他「結奈ちゃんからお話があるみたい。ちょっと来てくれる?」
夏海 醒治「わかりました。今向かいます」
薔薇島 千寿「お、お話し…」
魔華国 月美弥「多分カウンセリングだと思うわ」
薔薇島 大和「ですよね。行ってきます」
銀野 ミロ「行ってらっしゃい!」
千寿たちは陽那他さんに別の部屋に案内されましたよ…!?
夏海 醒治「失礼します」
結緑 結奈「お待ちしておりました」
薔薇島 千寿「待たせてごめんなさい!!」
結緑 結奈「いや、僕の方がごめんね!急に…」
薔薇島 大和「問題ありません。それに、ミニカウンセリングでしょうか?」
結緑 結奈「うん!カウンセリングの日程はまた後日調整するけどね、カウンセリングがスムーズに進むように今日ちょっとだけ話を聞こうかなって思って」
薔薇島 大和「そういうことでしたか。証拠はカウンセリングの時に持ってきます」
結緑 結奈「そうしてくれると助かる!…さてと、君たち、…もしかしてパワハラされてる?」
薔薇島 千寿「…はい。工程リーダー、ベテランの方、そして管理者の方から…。以前、工程リーダーから責任転嫁されました。その上の管理者の方に申し上げてもヘラヘラされました。ご指導いただけるか否かこちらでは判断できません」
結緑 結奈「そうか…。詳しいことはまた後日聞かせておくれ」
薔薇島 大和「…本当は人事部の方にお伝えしておきたかったのですが…」
結緑 結奈「ふむ…、君たちは証拠を集めている最中…、それで間違いない?」
薔薇島 千寿「はい。可能な限り」
薔薇島 大和「…」
結緑 結奈「そして、夏海君は上の人にパワハラの件を申し出た。でも何も改善されないおよび動いてくれそうもない。もしかして千寿ちゃんと似たようなことが前から続いていますか?」
夏海 醒治「仰る通りです。そのせいかワタシの同期がみんないなくなっちゃいました…」
結緑 結奈「え…?夏海君も含めて8人もいたのに…」
夏海 醒治「…キャリアコンサルタントの方にも相談したのですが…」
結緑 結奈「君たちのところは確か…、建速 誉さんだったかな?」
夏海 醒治「…はい。あの人にも相談したのですがパワハラについてお返事もないですし動いてくれません。…もうどうしたらいいのですか!?」
結緑 結奈「え…!?誉さん…。信じていたのにな…、…誉さんからも確認を取ってみますね」
結奈さんは真剣にメモをどんどん取っていますよ…。
夏海 醒治「お願いします!」
薔薇島 千寿「それにパワハラを受けているのはわたくしたちだけではありません。…先輩の実花沙さん、同期の真斗さん、 美彩さん、それに優輪さんも…」
結緑 結奈「実花沙ちゃんまで…!?…そういえば優輪君もクレヴィングにいた時、そう言ってたな…。…わかりました。君たち、ここまでよく頑張ってくれたと思う。…だからまずは心のケアをしてほしい。…工程リーダーなどパワハラ行為に該当する疑いのある人たちからも事情聴取を後日行います。場合によっては僕から指導します。元々この事業所で働いていた時期もありますし君のいる事業所の元所長である以上、見過ごせません」
なんと!結奈さんはドルチェ都にある事業所の元所長…!!
これは心強い…!
夏海 醒治「ありがとうございます…!…、これを見てください」
夏海さんはスマホでメールを見せました。
結緑 結奈「こ、これは…?」
夏海 醒治「ワタシが以前、エメラルドハートの職員に送信した相談内容です。…でも…」
結緑 結奈「ふむ…。悪気はなかったんだろうと思う。でも、嫌な表現になってしまったことは本当に申し訳ない。この表現はよくないね…。カウンセラーの名前、あっ、この人か。…僕の方から再指導しておきます。この件はこちらにも非があります。代表として改めてお詫び申し上げます…」
夏海 醒治「もう…、もうこれ以上傷つく人を出さないで…!!」
わわっ!夏海さんが泣いちゃいました…!!!
夏海 醒治「そもそもあなたたちは職場環境改善を促してるの!?会社に!!」
結緑 結奈「はい。このような問題があれば直ちに職場環境改善を促しているはずですが…」
夏海 醒治「嘘よ!そんなの!全然よくならないじゃない!!」
結緑 結奈「この件も確認しておきます。嫌な思いをさせて本当に申し訳ない…。辛いかもしれないけど、今は辛抱してください…!!…これしか言えないけど…」
薔薇島 大和「いえ!ありがとうございます!!」
薔薇島 千寿「わたくしも全力で戦います!」
結緑 結奈「ありがとう。…さて、そろそろみんなのところに戻ろうか」
薔薇島 大和「そうですね。本日はありがとうございました」
結緑 結奈「こちらこそ。ではゴールデンウィーク明け、どうぞよろしくお願いいたします」
夏海 醒治「こちらこそ!!」
よかった…!これで少し夏海さんたちの心の傷が癒えたようです…!