Second Pain-4

…、

さて、歯医者はいしゃから帰かえってきたことだし、そろそろあの動画どうがを見みるか。

夕ゆうご飯はん食たべてお風呂ふろに入はいった後あとのこと。

金藤こんどう 実花沙みかさ「またおもろいことやっとるな」

ある人ひとのゲーム実況じっきょうの動画どうがを見みている。

金藤こんどう 実花沙みかさ「いいなぁ…、才能さいのうあって…」

あの人ひとは地鳴じなり 明吾めいご。小中学校しょうちゅうがっこうの後輩こうはいだ。頭あたまがいい挙句あげく気きさくで優やさしくてフレンドリーで…、ぼっちの私わたしに声こえをかけてくれた人ひと。

今いまは会社員かいしゃいんを辞やめてフリーターしながらゲーマーもやってて…、

ごくまれにプログラミングの講座こうざも動画どうがでやってる。

地鳴じなり 明吾めいご「わーっはっは！！なんだよこれー！！ぎゃははは！！！」
金藤こんどう 実花沙みかさ「…ぷっ！おいおい…、ワロタ！」

今日きょうもさりげなく動画どうがに高評価こうひょうかボタンを押おした。

…会社かいしゃを辞やめてもう少すこしで半年はんとし…とまではいかなくても4ヶ月よんかげつも経たとうとしてるのに…、

…、

転職活動てんしょくかつどう、略りゃくして「転活てんかつ」。

上手うまくいかない。

もう10社しゃも落おとされている…。

…それで…？

僕ぼくは何なにをやっているんだろう？

僕ぼくは…、

僕ぼくは…？

…ピロン♪

ん？ 美彩みいろ…？

何々なになに？

金藤こんどう 実花沙みかさ「『転活てんかつ上手うまくいかないようだな。まぁ、たまには息抜いきぬきしに行いこうや。今度こんど映画えいが見みに行いかないか？僕ぼくが奢おごる』」

…映画えいが？

映画えいがか…。

後日ごじつ。

美彩みいろから私わたしのところに来きてくれた。

花都はなみやこ 美彩みいろ「ゆっくりで大丈夫だいじょうぶだぞ」
金藤こんどう 実花沙みかさ「あ、ありがとう」

よし、

今日きょうは近ちかくのショッピングモールで映画えいがを見みにいくんだ。

…映画えいがを見みにいくのは何年なんねんぶりだろう…？

ゼリー学級がっきゅう以来いらい…なのかな…？

そう考かんがえながら美彩みいろと映画館えいがかんに向むかう。

花都はなみやこ 美彩みいろ「このアニメ、映画化えいがかしてすんげぇ感激かんげきだよ！」
金藤こんどう 実花沙みかさ「すごいよね、何十年なんじゅうねんぶりだよね」
花都はなみやこ 美彩みいろ「あぁ！」

会話かいわがめちゃ弾はずんだ！

美彩みいろは昔むかしから色々いろいろと語かたり合あえる仲なか。

ゼリー学級がっきゅう時代じだい、よく先生せんせいにガミガミ怒おこられて苦くるしかった時とき、 美彩みいろは私わたしのそばにいてくれたし心配しんぱいしてくれた。

それだけじゃない。

いろんな人ひとに裏切うらぎられても、 美彩みいろはこんな私わたしにいつも優やさしくしてくれた。

明あかるくて正義感せいぎかんが強つよくて…、その挙句あげくすごく優やさしくて歌うたうのも上手うまい。ベースも難なんなく弾ひけるし。

… 美彩みいろがプリマドンナになれないのはこちらとしても信しんじられなかった。

…今度こんどはそんな美彩みいろの力ちからになりたい。

…とはいっても助たすけてもらってばかりだ…。

花都はなみやこ 美彩みいろ「よっし！着ついたな！チケット買かうか！…今日きょうはペアで見みるとすんげぇ安やすい！！」
金藤こんどう 実花沙みかさ「すごい…、こんなことってあるんだ」
花都はなみやこ 美彩みいろ「ありありだぁ！」

この後あと、私わたしたちは映画えいがを楽たのしんだのであった。

映画えいがが終おわり、私わたしたちは近ちかくの公園こうえんに行いった。

花都はなみやこ 美彩みいろ「あー！楽たのしかった！」
金藤こんどう 実花沙みかさ「そうだね。でも、一部いちぶは悲かなしい運命うんめいだった」
花都はなみやこ 美彩みいろ「まぁ、それもあるな」
金藤こんどう 実花沙みかさ「うん…」
花都はなみやこ 美彩みいろ「実花沙みかさは優やさしいんだな」
金藤こんどう 実花沙みかさ「いや、そ、そんなこと…」
花都はなみやこ 美彩みいろ「あるさあるさ！…いつも自分じぶんのことを後回あとまわしにするとことか…、僕ぼく、自分じぶんのことで精一杯せいいっぱいだ」
金藤こんどう 実花沙みかさ「そ、そう？」
花都はなみやこ 美彩みいろ「うん」
金藤こんどう 実花沙みかさ「…」
花都はなみやこ 美彩みいろ「ん？」
金藤こんどう 実花沙みかさ「私わたしが本当ほんとうに強つよかったらクレヴィーナスになることはなかった」
花都はなみやこ 美彩みいろ「あぁ、クレヴィングか…」
金藤こんどう 実花沙みかさ「みんなを洗脳せんのうして迷惑めいわくをかけちゃった…」
花都はなみやこ 美彩みいろ「いやいやそんな！実花沙みかさも操あやつられてたんだろ」
金藤こんどう 実花沙みかさ「うん…。でも、自分じぶんがやったことは決けっして消きえるわけじゃない…。私わたしは私わたし、クレヴィーナスも私わたしなんだ」
花都はなみやこ 美彩みいろ「そしたらアグリアスも僕ぼく自身じしんなんだね」
清鐘きよかね 弘鷲こうじゅ「君きみたち」
花都はなみやこ 美彩みいろ「？！」
金藤こんどう 実花沙みかさ「え…？」
清鐘きよかね 弘鷲こうじゅ「クレヴィングってなんだい？」

え！？この前まえのお兄にいさんじゃん！！

金藤こんどう 実花沙みかさ「あ、そ、その…」
花都はなみやこ 美彩みいろ「あんたには関係かんけいない」
清鐘きよかね 弘鷲こうじゅ「そう？」

何なに…？この不気味ぶきみなオーラ…。

こ、怖こわい…！

花都はなみやこ 美彩みいろ「…、とてつもない妖気ようきを感かんじる…！逃にげるぞ、実花沙みかさ！！」
金藤こんどう 実花沙みかさ「えっ！？」

美彩みいろは恐怖きょうふで足あしがすくんでいる私わたしの手てを引ひいてその場ばを後あとにした。

清鐘きよかね 弘鷲こうじゅ「ふぅ…、おやおや…」

とにかく遠とおくに向むかって走はしり続つづける！

金藤こんどう 実花沙みかさ「あの人ひと、この前まえの歯医者はいしゃさんだよ！」
花都はなみやこ 美彩みいろ「ま、マジかよ！！？」
金藤こんどう 実花沙みかさ「マジマジ！とゆーかさっきの話はなし、聞きかれちゃった…！？」
花都はなみやこ 美彩みいろ「くっ…、気配けはいがなかったからわからなかった！」
金藤こんどう 実花沙みかさ「ごめん…、私わたしがクレヴィングの話はなしをするから…」
花都はなみやこ 美彩みいろ「謝あやまんなって！事実じじつなんだし…」
金藤こんどう 実花沙みかさ「あっ…！」
花都はなみやこ 美彩みいろ「え、嘘うそだろオイ！！」

後うしろから誰だれか来きてる！！

清鐘きよかね 弘鷲こうじゅ「ひどいなぁいきなり逃にげるなんてさぁ！」

えぇ！？追おいかけてきてる！？

清鐘きよかね 弘鷲こうじゅ「俺おれ追おいかけっこ好すきだよ！だったらどこまで走はしれるか楽たのしみだね！」
花都はなみやこ 美彩みいろ「やめろストーカー！！」
清鐘きよかね 弘鷲こうじゅ「ストーカーじゃないよ！話はなしを聞きこうとしてるだけじゃん」
花都はなみやこ 美彩みいろ「まだ走はしるぞ、実花沙みかさ！なんとか撒まく！！」
金藤こんどう 実花沙みかさ「え、えぇっ！？」

私わたしたちはひたすら走はしった。

花都はなみやこ 美彩みいろ「あいつは人間にんげんじゃない…！妖怪ようかいなんだ…！！」
金藤こんどう 実花沙みかさ「え…！？」
花都はなみやこ 美彩みいろ「それと同時どうじに神聖しんせいなオーラも感かんじる…！」
金藤こんどう 実花沙みかさ「妖気ようき？神聖しんせい…？」
花都はなみやこ 美彩みいろ「ぶっちゃけ簡単かんたんに言いうと…、妖怪ようかいにして神様かみさまかもしれないな！」
金藤こんどう 実花沙みかさ「えっ！？」
花都はなみやこ 美彩みいろ「とにかく逃にげる！！！」
金藤こんどう 実花沙みかさ「う、うん…！！！」