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ここはグリーン・ウッド

ここはグリーン・ウッド
那州雪絵・白泉社文庫
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数多ある80年代の花とゆめの名作のひとつ。
未だに人気のある作品ですね。わたしも何年(何十年…十何年?)かぶりに読みました。
夏休みは…電子書籍のセールが多い…ありがとうDMMブックス…漫画も小説もいっぱい買ったよ…
アニメ(dアニで見れる)、ドラマ、舞台(これは2019年なので最近。アマプラでレンタルできます)、ドラマCDなど、結構メディアミックスもしてますね。

緑都学園(高校)の男子学生寮「緑林寮」通称「グリーン・ウッド」での日常を描いた学生青春群像劇…なんですけれど、設定や番外編的にちょこちょことSF系が混じりますね。当時のコメディ作品に多くあった
「作者がキャラ的に作品内に出てくる」「メタ発言がわりと出る」
って点も多いので、苦手な人は苦手かも?
花ゆめはSF作品多かったからなー。こういうの全然アリだったんだろうなー。

また、当時のこととはいえ、今だとちょっと眉をひそめるような表現・単語や倫理観な箇所もちらほらあります。なので、もう当時のような楽しみ方は出来ないんだなあ…と少しさみしくもありましたが、
「ああ…こういう高校生活だったら楽しかったかもなー」
と、完全フィクション枠として楽しむのは十分可能なので、そういった割り切り型で楽しむのはいいかと思います。

主人公は巻き込まれ型で運の悪い「すかちゃん(蓮川一也)」。たった一人の家族である兄の結婚を機に寮生活を始めますが、クセのあるルームメイトや先輩に囲まれた生活が平穏無事なわけもなく…といったドタバタ系コメディ。テンポや話の流れ方は独特ですが、一話が短くて読みやすいかと思います。少しキャラの見分けやコマで何してるかがわかりづらいところもあるかな。そういう視点で見ると、漫画界全体の「読みやすさを上げる」技術も進化してるんだなあ、と、そんなところでも感心しました。

これ系の青春ものにしては恋愛描写がすごく少ない(無いとは言わない)のが、逆に長く楽しまれる要素の一つになっているのかもしれないな、とはちょっと思いました。恋愛ものて時代や流行りの反映が強いから、歴史ものとかで無い限り時代が変わると読みづらくなってしまうものが多いと感じます。その点、男子高校生の寮生活なんてある程度悪さするのが前提だろうし、どの程度までを笑えるかは人それぞれではありますが、暴力だのイジりだのもくどい描き方が無いので、今の時代でも(多少目をつぶれば)楽しく読めるかと思います。

先に書いたように一話が短くいっぱい話数が詰まった形なのと、番外編のこう、ちょっとお芝居的な流れのものも多いので、メインストーリーがあるのか無いのか…といった作品なのですけれど(しばらく進級なしのループもしていたりなので)、そんな中でも各人の家庭のバックグラウンドが知れたり、性格の掘り下げだったりも見事なので、メインの4人の誰かは推しになるんじゃないかなと思います。もうね…ほんと、若者てだけでみんな元気にすくすくと育ってくれたらそれでいいよね…

肝心の中身の感想が少なくて恐縮ですけれど、
「そういえば昔読んだなあ」
て人も
「お噂はかねがね…」
て人もぜひぜひ。

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