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住宅建築に魅せられて、始めた建築設計-建築デザイン専門学校入学

建築デザイン専門学校入学

地方の専門学校を卒業後は、親の所に帰り1年バイトをして専門学校の資金を貯めることにした。2回目の専門学校ということもあり、親の負担を無くそうと思い1年間バイトをして「入学金と1年分の授業料」は捻出できた。
その間、その頃読んでいた『ツルモク独身寮』の影響で、家具デザインにも興味を持ち見よう見まねで定規を使い、自分なりの家具をデザインしていた
バイト先に大学の建築学科の友達がいたので、見せて感想を言ってもらっていた。意外と「面白いのを考えるね」と言ってくれていたと、、、記憶しているが、まぁ~彼の優しさであろうと思っていた。。。

そして1年後の4月に「建築デザイン専門学校」に入学したのだ。
同級生は歳下となる、、、最初の1週間ほど年上であることは隠して学校に通っていた。ある授業での自己紹介で、年上であることを教えた。
反応は予想通りであった。同級生に年齢が離れた人がいるなんて彼らには思いもよらなかったのだろう。
地方の専門学校に通っていた頃にも、丁度同じくらい離れた同級生がいた。
そんなこともあり、「どの年齢でも学びなおしはできるんだ」
とその同級生から教えてもらったとも思っていた。
そしてこの「建築設計」の道でこの先もいくんだと、心に誓い第二の人生を築こうと誓った。

授業は兎に角真剣に受けていた。男子の一部の同級生はといえば、自分が昔そうであったように、居眠り、おしゃべりやマンガを読んでいたりと、同じようなものだった。
昔の自分を見ているようで笑いがこみ上げていたものだ。
自分も少しは大人になったようだな、、、と思った。

非常勤講師の先生に、建築専門の雑誌がある事を教えてもらい毎月購入することも始めた。『住宅建築』と『建築知識』の2冊だ。
この頃から日本の「建築家」の名前と作品を色々と知り始めた。
当時心惹かれたのは、吉村順三氏の「軽井沢の山荘」であった。

故吉村順三氏の「軽井沢の山荘」
(吉村順三作品集より掲載)


吉村氏個人の作品集が、新建築から出版されていたのを読んだのだ。
あの樹々が生い茂る葉の間から差し込む光の中に佇む別荘の姿が美しいなと思ったものだ。それから吉村氏の作品集や著書を購入していった。
その中に吉村氏が残した言葉があった。
この一文を読んだ時の感動は忘れられない。そして私も氏のような
「建築に対する思いを受けた建築家になるぞ!」と思い勉強に励んだ。
(まだ、この頃は建築家に簡単になれると思っていた自分でした。。。)

「建築家としてもっともうれしいときは、建築ができ、そこへ人が入って、そこでいい生活がおこなわれているのを見ることである。」

Casa 本と名言365より

「進級制作」がやってきた!!

とうとう自分にもあの「進級制作」の時期がきたのだ。
取り組むことは、各授業で行われた「設計・デザイン」・「パース」
「模型制作」そして最後が、建築学生向けの「デザインコンペ」への応募であった。進級制作にとんでもない課題が出たものだ、、、、、と
思っていた。。。
このデザインコンペは、人生初めての公式コンペだった。
授業では「テーマ」を出されてコンセプトに沿ってプランや外観デザインを考えていくプロセスは学んでいたが、「デザインコンペ」はこの一年の集大成のようにも感じていた。
後期の授業の最後は「進級制作」に充てられ、夜遅くまで同級生と残って制作に取り組んでいった。

そして「進級制作審査」の日ががやってきた!!
私に発表の順番がきた。
各教科のその道のプロの講師陣が、席に座り私たちの発表する作品に対しての質疑が繰り返されていった。さすがプロの講師陣です1年だからと言って優しい言葉は少なく、厳しい意見が多かったと思う。
そんな中「デザインコンペ」の結果も出ているという話が、商業施設の講師の先生から言われた。
自分の結果は???果たして、、、、、

「君の出品した作品が、入賞してたよ」と、、


「はっ?、、、マジか!?」、、、と口半開きで驚いたことを覚えている。
高校時代に「心理学科」で学び「精神保健福祉士」になることを夢見てた私が、まさかの「入賞」って、、、当時の私には想像もできない言葉を聞いたような感じであった。
なんと1年の「進級制作」の課題の一つが、この様な思いもよらない結果につながるとは、、、
ホント!この「建築設計」の道を選択して良かった!!
そして無事2年への進級も決まり、そしてこれから就職に向け真剣に勉強をしていかなくてはと、心に誓った一年であった。

「人生の選択」で何を自分が選ぶのか?結果は決して正解とはならない事の方が多いと思います。ただ直向きに何かを真剣に取組んでいくと、そこには思いもよらない結果が付いてくることもあるということを、感じた一年でもありました。

今回は、「建築デザイン専門学校入学」と「進級制作」についての記事となりました。最後まで読んでくださりありがとうございました。
次回は、「卒業制作」と「就職活動」について書いていきたいと思います。


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