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押し入れの女

タイトル:(仮)押し入れの女

▼登場人物
●押井玲子(おしい れいこ):女性。35歳。独身OL。奥手で引っ込み思案。
●上司:男性。50代。玲子の会社の上司。厳しめだが根は優しい。そんな上司のイメージで。本編では「上司」と記載。
●同僚:女子社員。30代。玲子の会社の同僚。一般的なイメージでお願いします。本編でも「同僚」と記載。
●部下:女子社員。20代。玲子の会社の部下。こちらも一般的なイメージでOKです。本編でも「部下」と記載。
●岡島義人(おかじま よしひと):男性。35歳。玲子と婚約するが百合子と浮気する(百合子は登場せずセリフなし)。本編では「岡島君」や「あなた」等と記載。
●田所浩二(たどころ こうじ):男性。40歳。それまで玲子が住んでいた部屋に引っ越してくる。一般的なサラリーマンのイメージでOKです。
●湖野田 美香(このた みか):女性。30代。玲子の本能と夢から生まれた生霊。

▼場所設定
●某デザイン企業:玲子達が働いている。一般的なイメージでお願いします。
●お洒落なカクテルバー:玲子の行きつけの飲み屋街にいつの間にかある。美香の行きつけ。
●玲子の自宅:都内にある一般的な都営アパートのイメージでOKです。
●街中:デート先など必要ならで一般的なイメージでお願いします。

▼アイテム
●Strength of Reality:美香が玲子に勧める特製のカクテル。これを飲むと現実での生活の強さを与えそれなりの幸せを呼び込める(トラブルに対する特殊効果は無い)。
●Eternal Peace:美香が玲子に勧める特製のカクテル。これを飲むとその人にとっての永遠の安らぎの場所が与えられる(玲子の場合はそれが押し入れの中だった)。

NAは押井玲子でよろしくお願い致します。

イントロ〜

あなたは引き篭もりになった事はあるでしょうか?
誰にしても、そう成りたくて成る人は少ないでしょう。
今回は、世間のみなぎり溢れる勢いから逃れ、
押し入れの中で住まうようになってしまった
ある女性にまつわる不思議なお話。

メインシナリオ〜

ト書き〈会社〉

上司「押井君、押井君!」

玲子「あ、はい!」

上司「この前、君に任せといた企画案件の事なんだかねぇ。ありゃ一体何なんだ?あらかじめ頼んでおいたニーズを全然満たしとらんし、先方からクレームがつくような内容だったし、おまけに提出期限は遅れるわ、誤字脱字は目立つわで、全く仕事になっとらんじゃないか!」

玲子「はぁ…申し訳ございません…」

上司「謝って済むような問題じゃないんだよ!良いかね?これ以上ミスが続いて仕事がまともに出来ないようじゃ、転属を考えているからそのつもりで!それでもし、まだ仕事が手につかないようなら、辞めてもらう事になるからね!良いね!」

玲子「わ、分かりました…本当に申し訳ございませんでした…」(か細い声で)

私の名前は押井玲子。
今年35歳になる独身OLで、
ここデザイン企業で働き始めてもう数年経ってるが、
未だに新人のような仕事の出来栄えから抜け出せず、
毎日怒られてばかりのOL生活。

上司からはこっぴどく叱られて、先輩社員からも怒鳴られ、
その影響で同僚や部下からも馬鹿にされ、
私はもう何の為にここに来てるんだか…
仕事を変えなきゃいけない…
そんな窮地に立たされていた。

でも地方から都内に上京していたのもあり
生活の為、そんな簡単に仕事を変える事は出来ない。
もちろん少し前からハローワークへ通いつめ
自分に合った仕事を探そうとしていたが、
やはりこのご時世、そう簡単に良い所は見つからず、
私は実家に帰る事もやはり考えていた。

唯一心を許せる男性社員の岡島君に相談してみても…

「君は女性だからまだ良いよ。いざとなれば実家に引っ込んでパートでもして、結婚できるタイミングを待ってれば、その相手次第で明るい未来がやってくるかもしれないんだし…」

との事で、男の人の場合は働いて生活力を身に付けて、
そして将来の夢・結婚生活も賄って行かなきゃならないんだからと
自分の身の上を正直に打ち明けながら
それでも私を励ましてくれていた。

確かに男の人と女の人の場合は違って
岡島君が言うように、少し段差があるのかもしれない。

でも女にも、女ながらの特有の事情があるものだ。

私はかなり引っ込み思案で奥手な性格で、
モジモジした物の考え方がどうしても治らず、
心身的な理由もあって
なかなかまともに社会生活を営めない。

私はいっとき女性ホルモンのバランスが崩れてしまい、
ひどい自律神経失調症・パニック症を患い、
仕事どころかプライベートの生活まで
ままならない状況になった事がある。

つまり複雑ながら、いろんな状況が重なり、
私は仕事が手につかず、プライベートの生活も充実せず、
「何の為に生きてるんだか…」
そんな物思いに延々悩まされる日々を送っていたのだ。

ト書き〈カクテルバー〉

そんなある日の事。
まだ会社で失敗して、その日、
私はどうしても心のウサを晴らす為、飲みに行きたくなった。

私の唯一の嗜好品と言えばお酒。
そしていつもの飲み屋街を歩いていた時。

玲子「あれ?新装開店でもしたのかな」

全く知らないバーがある。
少しお洒落なカクテルバーで、外観から店内もかなり落ち着いており
そこが気にいった私はいつものようにカウンターにつき1人飲んでいた。

すると…

美香「こんばんは♪お1人ですか?よかったらご一緒しませんか?」

と1人の女性が声をかけてきた。

彼女の名前は湖野田 美香。
都内でライフコーチやメンタルヒーラーの仕事をしているようで、
見た目はかなり上品な上、どことなく安らぎを与えるような、
なんだか不思議なオーラを持つ人だった。

その雰囲気にほだされて、私は彼女を隣に迎えた。

そして喋っている内に更に不思議な気がしてきて、
「昔からずっと一緒に居てくれた人?」
のような感覚を彼女に見るようになっていた。

そうなると自分の事を打ち明けたくなり、
気づけば私は今の自分の悩みを全部彼女に打ち明けていた。

美香「え?そうなんですか?会社で…」

玲子「ええ。もう本当に自分が嫌になりそうです」

失敗続きの会社生活。
プライベートもそんな事情でままならない事。
何の為に生きているのか…?
こんな自分の将来に本当に幸せなんてやってくるのか?

この辺りの事を私は延々、彼女に打ち明けていた。

すると彼女はアドバイスめいた事をしてくれた後、
指をパチンと鳴らしてカクテルを一杯オーダーし
それを私に勧めてこう言った。

美香「まぁそう言った事で悩まれている女性の方は本当に多いものです。あなただけじゃありませんよ?仕事や生活、人生そのものに対して自信を持てない…と言うのはやはり心の病から来るもので、その心の中に1つ大きな壁を自分で作り、その壁の前でずっと躊躇している。そんな状況に知らず内に多くの人がなっているものです」

玲子「はぁ…」(何となく聞いてる)

美香「良いでしょう。ここでこうしてお会いできたのも何かのご縁です。私が少しあなたのお力になって差し上げましょう。今差し上げたそのカクテルは『Strength of Reality』と言いまして、飲んだその人に心の覇気を与え、現実の生活を豊かにさせてくれるものです」

玲子「…は?」

美香「まぁ騙されれたと思って飲んでごらんなさい。きっと今後のあなたの生活は変わりますよ?」

玲子「…い、いや、そんな事…」

美香「フフ、玲子さん。何事もまず、信じる事から始めたほうが良いですよ。自分の力を信じ、その力で開拓していける明るい未来を信じ、そしてその先に自分にとっての幸せが本当にやってくる…その事をどれだけ信じ尽くす事が出来るか?それによって人の幸せと言うのは大きく変わるものです」

やはり彼女は不思議な人。
普段ならそんなこと言われたって信じないのに、
彼女に言われると信じてしまう。

心が素直になると言うのか。
私はついそのグラスを手に取り、
勧められたカクテルを一気に飲み干していた。

ト書き〈変わる〉

それから数日後。
私は本当に変わっていた。
生活が一変したとでも言うのか。

仕事の出来・不出来はそれほど変わらなかったが
その事で落ち込んだり悩んだりする事はほとんどなくなり
それより今自分に与えられているその生活を感謝し
心から楽しめるようになり、その影響でか
周りの私を見る目も少しずつ変わってきたのだ。

上司「全く君は、仕事は出来んくせに元気だけは良いなぁ。ふん、まぁその明るさは職場に覇気を与えてくれるものにはなるか♪」

玲子「すみません♪これでも精一杯やってるんですけど、今度からはもっとちゃんと仕事が出来るように努力しますので♪」

私の上司も前ほどはもう怒らなくなり、
それより明るく精一杯仕事に努めている私の姿を見てくれたのか。
そっちのほうを評価してくれるようになり、
先輩社員、そして同僚・部下からの評価もやはり変わった。

同僚「ねぇ玲子ぉ、今度一緒にカラオケでも行かない♪」

玲子「あ、イイねぇ♪行こ行こう♪」

部下「玲子先輩、私、先輩の仕事ぶりを見てるとほんとに元気が出てきます♪私も仕事が出来なくて、いっとき本気でここを辞めようかって思ってた時期もあるんです。先輩は私の悩みを聞いてくれて、相談にも乗ってくれて、本当に心から助けられました。有難うございます!今では先輩が私の目標なんです♪」

玲子「あ、そうお?そんなふうに言われたら私も嬉しくなっちゃうわね♪まぁ一緒にやっていこう♪これからもよろしくね〜」

内気な性格がすっかり治り、
私は会社の中で明るい花のような存在になっていた。

そしてあの岡島君も…

岡島「どうしたの最近?すっかり見違えるようになったじゃないか♪」

玲子「そうかなぁ?そんなに変わってないと思うけどぉ♪」

岡島「いや変わったよ♪なんかいっつも元気印でさ、見てるとこっちまで元気になってくるよ♪」

玲子「うふふ、そうお?有難う♪」

そんな感じでいつも明るく接してくれるようになり、
そして…

岡島「あのさ、今度よかったらディナーでもどうかな?良い店知ってて、そこ予約しといたんだけど…」

となんと、初めて私を食事に誘ってくれた。

玲子「ほんとぉ?うん、行く行く♪」

そして週末、予定通りに岡島君とディナーへ行ったその帰り。

岡島「あの、玲子…さん、オレ前から君の事が…」

玲子「え!?」

なんと岡島君の方から私にそう告白してくれ、
その日から私と彼は交際する事になったのだ。

ト書き〈数日後〉

なんて嬉しいイベント続きの毎日♪
そんなある日。
私はまた1人であのカクテルバーへ寄っていた。

するとまた前と同じ席で飲んでる美香さんを見つけた。

私はすぐ彼女のもとへ駆け寄り、
自分を変えてくれた事…
そして今、幸せの絶頂にあるようなこの生活の喜びを彼女に伝え、
心の底から感謝して彼女に何度もお礼を言った。

玲子「美香さん♪本当に有難うございます!あなたのお陰で私の人生、本当に見違えるように変わったんですよ♪」

すると彼女も自分の事のように喜んでくれ、
私と岡島君の将来の事まで祝福してくれた。

でもそのとき1つだけ、気になる事を彼女は言ってきた。

美香「フフ♪玲子さん本当に幸せそうで、私も嬉しいわ。でもこう言う時にこそ、心に留めておいてほしい事があるんです」

玲子「え?」

美香「人生と言うのはいろんな事が起こるもので、幸せがやってきたかと思えば次にまたトラブルなんかもやってきて、そんな繰り返しのハードルを乗り越えて人は成長するもの」

美香「あなたは今、岡島さんという素晴らしい男性と巡り会う事が出来ました。ですがその彼も一個の人格を持った人間。あなたの理想通りに動いてくれない事もやはりあるものです。そんな時こそ、あなたはその彼が居なくても、自分1人で生活していけるその強さをどうか持って頂きたいのです」

なんだか聞いていると、
さっきまで彼との将来を祝福してくれていたのに、
途端に手の平返したかのように
その彼が私の元から離れていく…
そんなふうに言われてると思った。

そう思うと少し心の中に苛立ちが芽生えた。

美香「いえいえ、別にあなたを怒らせる気は無いんですよ。ただせっかく掴んだ生活の強さ…その土台を2度とあなたに失って欲しくないから、少々老婆心からこう言ってるだけの事です」

彼女はそう言うが、でも聞けば聞くほど苛立ちが増してくる。

玲子「もうイイです!ここへきて、あなたにこんなこと言われるなんて思ってませんでした!なんでそんなこと言われなきゃいけないんですか!?せっかく将来に明るい兆しが見え始めてきたって言う時に!…なんか美香さん、変ですよ!?」

きっと岡島君の事を言われたから
私は腹が立ってしまったのだ。

私の人生にこんな華やかな舞台がやってきてくれた、
そう思えば思うほど彼との出会いや
彼が告白してくれた事が本当に大きなものに思え、
それをどうしても手放したくない私の欲望と言うか本能が
その幸せを否定するように見えた美香さんに怒りを覚えた。

そんなところだったのだろう。

本当にそのとき私は美香さんが
自分の幸せを奪おうとするように見えたのだ。

それからすぐに席を立ち、私は店を出た。

ト書き〈トラブル〉

でもそれから数週間後。
美香さんがこのとき言った通りのトラブルが
私の身に降りかかってきた。

玲子「ねえあなた!私に隠れてコソコソ誰かと会ってるでしょう!?まさか…私との将来を約束しといて、あなた、誰かと浮気してるの!?」

結婚の約束までしてくれた岡島君が、
私に隠れて浮気してる証拠を見つけてしまったのだ。

そして散々責めたあと彼は…

岡島「ごめん、やっぱり俺、百合子の事が…」

とあっさりその浮気を認めた。

百合子というのはこの会社で働いてる私の同僚。
昔から反りが合わなかったが最近では体裁良く繕っており、
彼とそんな関係になってるなんて本当に気づかなかった。

そのとき私は怒りが湧くどころか、
これまで積み上げてきた自分の牙城が
音を立てて崩れていくのを感じ、
その場にへたり込むほど落ち込んだ。
まるでこれまでの自分が全否定されたかのようなそんな感覚。

玲子「…もう、イイわ…」

ト書き〈カクテルバーからオチ〉

そう言ってその日、私は有給を使って会社を休み、
それからすぐ自宅に戻った。
でもその後も何とか挽回したいと心の中に少しだけ覇気を湧かせ、
私は家を出て、あのバーへ向かっていた。

あの彼女、美香さんならこんな時に私をきっと支えてくれる。
きっとまた今の私を変えてくれて、
また新しい未来の光のようなものを見せてくれる…

そう期待して、私は彼女に会いたい一心で店に飛び込んだ。
彼女はやはり又、前と同じ席でお酒を飲んでいた。

彼女を見つけるや否や、私は一足飛びで彼女の元へ駆け寄り、
「今の自分をどうしても救って欲しい!」
と彼女に訴えた。

玲子「この前は本当にごめんなさい!心から謝ります!あなたに言われた事、私は軽く聞いていました!全部私が悪いんです!私が未熟だったから…」

玲子「でも、お願いです!今のこの私を、もう1度変えて下さい!お願いします!また前のように、将来に明るい光が見えるようにして下さい!私に強さを…、いえ…ずっと安心して居られる、そんな温床のような場所を与えて下さい…」

私はもう狂ったように彼女に無心していた。
今度は生活の強さと言うか、ずっと安心して居られる場所。

世間でずっと繰り返される生存競争のような忙しさから
永遠に逃れられる場所…
そんな場所をどうしても与えて欲しい…
そう彼女に願い求めていたのだ。

すると彼女は、冷静に私に向き合いこう言った。

美香「そうですか。あなたは世間から逃れ、ずっと心が休まるそんな空間を求めてらっしゃるんですね…」

玲子「え…?」

美香「これまでのように世間に出て自分の夢や欲望を叶えようとすれば、必ずまた争いのようなものが起こり、あなたはその度に傷つけられる。そんな事からもう一切逃れ、ずっと心安らかに、自分の暖かな夢や幸せを守れるようなそんな場所…自分だけのパラダイスのような空間を、あなたは今求めてらっしゃるのでしょう?」

玲子「…はい…そう、そうです、その通りです…!」

美香「良いでしょう、分かりました。あなたのそのお悩みをお救いする上、あなたが今持って居られるその永遠の夢を叶えて差し上げましょう」

そう言って彼女は又
パチンと指を鳴らしカクテルを一杯オーダーして
それを私に勧めてこう言った。

美香「さぁどうぞお飲み下さい。それは『Eternal Peace』と言うこの前と同じような特製のカクテルで、それを飲めば、あなたは永遠の安らぎを手に入れる事が出来るでしょう。ただ1つだけ言っておきます。その安らぎを手にすれば、あなたはこれまでの生活を一切失い、これからの人生は全く別の空間で過ごす事になります。それで良いのなら、ぜひどうぞ…」

少し怖い事を言われてるようだったが、
私はこれまでの自分の生活と、
革命的に挽回しようとして結局失敗した
第2の人生の絶望と落胆とを思い出し、覚悟を決め、
そのカクテルを手に取り一気に飲み干していた。

ト書き〈数年後〉

それから数年後。
私はそれまで住んでいたアパートを
もうとっくに引っ越していた。
そしてその部屋に、新しい住人がやってきたようだ。

(玲子がそれまで住んでいたアパートの部屋)

田所「フ〜、やぁっと荷解き全部終わったぁ〜♪あ〜疲れたぁ」

新しくやってきたその住人は田所さんと言うらしく、
部屋の表札も押井から田所に変わっている。

彼はその日、この部屋に引っ越してきて荷解きを終え、
少しまったりと時間を過ごしていた。

そのとき押し入れからガタン…と言う音が聞こえたらしい。

田所「ん、なんだ?」

「押し入れの中の何かが崩れ落ちたのか?」
と思った彼は、その押し入れの戸をゆっくりあけて見た。

その直後…

田所「ぎ…ぎゃあぁあ!!」

彼はけたたましい叫び声をあげ、速攻で部屋から飛び出し、
引っ越してきたその日にまた別のアパートを探し
そこで見つけた新しい部屋に引っ越していった。

そりゃそうだろう。
彼がその押し入れの中に見たものは…

玲子「フフ…私はここの住居人なの…よろしくね…」

と言う亡霊のような私だったのだから。

ト書き〈玲子のアパートを外から眺めながら〉

美香「結局、玲子は押し入れの住人になってしまった。その体は透き通るような亡霊の姿。誰の手にも触れられず、あなたはそこで永遠に自分の牙城を保って居られる…」

美香「私は玲子の『永遠の安らぎの空間にずっと住み続けたい』と言う本能と夢から生まれた生霊。その欲望を叶える為だけに現れた。彼女は無意識の内に気づいていたのかもしれないけれど、世間での自分の夢を勝ち取る事よりずっと安心できる、平安な場所を求め続けた。それが2度目の挫折の時、正直に出てきたようね。」

美香「彼女は自分に正直になり、この場所を自ら選んだ。彼女が初めに飲んだカクテル『Strength of Reality』は現実での生活の強さを与えるお酒、そして2度目に飲んだカクテル『Eternal Peace』はその名の通り、永遠に安らぐ場所を与えるお酒」

美香「仕事での失敗や恋愛の破局など、誰でも経験して乗り越えていくものなのに、彼女にはそれが出来なかった。本当は彼女にも他の人と同じような強さをもって、現実に生活して欲しかったけど無理だったわね。でもその生活を自ら放棄した時点で、この世に安らぎが無い事を彼女も知っていたのかしら…?」

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