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赤ちゃんの夜泣き

タイトル:赤ちゃんの夜泣き

▼登場人物
●夢川博美(ゆめかわ ひろみ):女性。30歳。夫は順次。OL兼主婦。
●片瀬裕子(かたせ ゆうこ):女性。33歳。実子は居ない。優斗を預かる。
●川本優斗(かわもと ゆうと):1歳。夜泣きがすごい。

▼場所設定
●博美の自宅:都内のアパートの2階に住んでいる。
●裕子の自宅:博美の部屋の隣に住んでいる。

NA夢川博美でより感謝いたします。
イントロ+メインシナリオ+解説:ト書き・記号含む=2447字)

イントロ〜

皆さんこんにちは。
ところで皆さんは子育てをした事がありますか?
子育てって結構大変なものですよね。
今回はそんな子育てにまつわる意味怖エピソード。

メインシナリオ〜

私の名前は夢川博美。
今年30歳になる主婦兼OLだ。

夫の名前は順次。
夫はいつも仕事仕事で家に帰ってくるのも遅い。
だから私はOLをしながらも、
家に帰れば専業主婦のように働いている。

そんな私には1つだけ悩みがあった。
それは子供がなかなか出来ない事。

夫とは結婚してもう3年になるが、まだ子供はいない。
別に子供が出来にくい体と言う訳じゃないのらしいが
それでもなかなか出来ず、
「早く可愛い子が欲しいなぁ」
なんてずっと思っていた。

私達が住んでいるのは都内のアパートで、
外観はしっかりしているのだが、住人は余りいない。
隣の部屋に1組の夫婦が居り、
あと1階には何人かが居るだけ。

このアパートは2階建てで、
2階には私の夫婦と隣の夫婦しか住んでいない。

ト書き〈近所付き合い〉

だからか近所付き合いと言っても、
隣の奥さんと喋る事ぐらい。

博美「あ、おはようございま〜す」

裕子「ん?あ、おはよう〜」

隣の奥さんは裕子さんと言うのだが、
この裕子さん、余り人とは喋らないほうだった。

私が何度か喋りかけ、それなりのアプローチをする内に
段々打ち解け始め、その内に会えば挨拶をして、
ちょっと暇があれば世間話をするぐらい。

博美「う〜ん、もう少し仲良くなりたいなぁ」

だからそんな事を私はずっと思っていた。

そんな時、その隣の裕子さんの部屋に
親戚から預かる事になったのか。
可愛い赤ちゃんがやってきた。

1歳位の可愛い盛りの赤ちゃんだった。
名前は優斗君と言うらしい。

博美「うわぁ〜可愛いですねぇ〜」

裕子「うふふ♪私も子供が大好きでね、出来ればこんな子、私達も早く欲しいなぁって思ってるのよ」

そう、裕子さん家族にも子供はいなかった。
まぁ同じような境遇にあったから仲良くなれた…
と言う土台もある。

博美「私達も同じですよ。実際自分たちの子供を持てば、やっぱり世界観も違って、毎日にも嬉しいメリハリが付くんでしょうね」

(夜泣き)

でもその優斗君は、かなり夜泣きが激しい。
ここの壁は薄いからか、赤ちゃんがそうして泣いたら
その泣き声は筒抜けだった。

博美「昨日もよく泣いてましたねぇ、なかなか大変じゃありません?」

裕子「そうなのよ〜、いちど泣きだしたら止まらなくなるほうでね」

裕子さんは毎日の世話で、結構疲れていたようだ。

でもこんな関係になっても、裕子さんは
私達の事についてはほとんど聞いてこない。
まぁ元々そんな性格だったから
他人の家庭の事はほとんど
聞いてこない裕子さんだったのだ。

ト書き〈数週間後〉

それから数週間後。
ある日の夜、また優斗君の泣き声が隣から聞こえてきた。
その夜はかなり泣いていた。

裕子さんはやはり優斗君の世話で大変だったのか、
最近は昔のように返った形で、
家の前や外で会っても私とはほとんど喋らなくなっていた。

博美「大変そうだなぁ」

そんな事を思いつつ、更に数日後。
私は買い物に来ていた裕子さんと、
最寄りのデパートでばったり会ってしまった。

その日の裕子さんは少し元気そうだったので
私はまた世間話でもしようと裕子さんに喋りかけていた。

博美「昨日も夜泣き、大変でしたねぇ?赤ちゃんが欲しいって思ってても、やっぱり連日世話をするとなると大変なんでしょうかね」

そう言うと裕子さんは…

裕子「…そうね。でも赤ちゃんを育てるってのはそういう事だからね」

なんて言いながら、私の顔をまじまじ見てきた。
そして…

裕子「あのさ、改めて聞くかもしれないけど、博美さんの所ってまだ赤ちゃんいなかったんだっけ?」

とまた、まじまじ聞いてきた。

どうやら最後まで話を聞くと、
裕子さんが預かっていたあの優斗君は、
数日前に親元へ返していたのだと言う。

解説〜

はい、いかがでしたか?
それでは簡単に解説します。

今回は比較的、簡単な意味怖エピソードだったと思います。

後半からラストに注目すると
その意味怖の内容がすぐに分かるでしょうか?

裕子は身内から赤ちゃんを預かっていました。
その子の名前は優斗君と言い、夜泣きが激しい子でした。

そのアパートの壁は薄く、赤ちゃんが夜泣きすれば
その声はすぐに隣に聞こえてしまいます。

でもラストで博美が、
「昨日も夜泣き、大変でしたねぇ?」
と裕子に言いましたが、優子が預かっていた優斗君は
数日前に親元へ優斗君を返していました。

博美は「昨日」と言っていましたが、
昨日の夜に優斗君の泣き声が聞こえたと言うのは
どう考えてもおかしい事ですよね?

そう、その昨日の夜にはもう
優斗君は居ない筈だったのです。

それなのに赤ちゃんの泣き声が
隣の部屋から聞こえてきたと言う事は…
その夜泣きをした本人は一体どこにいたのでしょう?

裕子は元々余り
近所の人と喋るほうではありませんでした。
だからそう言った博美に対し…

「あのさ、改めて聞くかもしれないけど、博美さんの所ってまだ赤ちゃんいなかったんだっけ?」

と改めて確認するように問いただし、
博美の今の家庭事情を何も知らない様子で聞いたのでした。

そしてその直前の裕子のセリフ、
「そうね。でも赤ちゃんを育てるってのはそういう事だからね」
と博美に言った事から、裕子もその赤ちゃんの
夜泣きの声を聞いていた事が分かります。

つまり裕子は博美の家に赤ちゃんがいて、
その泣き声を自分は夜中に聞いていた…
と思っていた訳です。

でもその時、
実際は両方の部屋に赤ちゃんは居ませんでした。

となると博美が昨夜の夜に聞いたその赤ちゃんの泣き声は、
一体誰の声だったのでしょう?

まさか隣の裕子の部屋との間にある、
壁の中から聞こえていた…?
そうなる事が分かるでしょうか。

幻聴ならまだ分かりますが、
博美と裕子の両方がその泣き声をき声を聞いていたとなれば、
それは幻聴ではなく本当に聞こえていた赤ちゃんの泣き声…
となりますよね?

一体、夜泣きをしていたその赤ちゃんは、
どこに居たのでしょう?

動画はこちら(^^♪
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