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団地

タイトル:団地

私たちは今、団地に住んでいる。
私は小学校3年生。
この団地には小学生の子たちが結構たくさんいて
友達もすぐにできた。

そう、私は都内からここへ引っ越してきて、
学校も変わって、新しい生活に慣れるかなぁ?
と思ってた矢先だったので安心。

そんな感じで、そこでできた友達と遊んでいた時。
「ねぇみんな、私も仲間に入れて遊んでよ」
と知らない女の子がやってきた。
そこの団地の子たちはみんな優しかったので、
「うんいいよ、みんなで一緒に遊ぼう♪」
とその子も仲間に入れて一緒に遊んだ。

階段を上ったり降りたりして
追いかけごっこをしていた時、
「鬼さんこちら♪手の鳴る方へ〜!」
と言いながらその子は
廊下をどんどんどんどん走って逃げていく。

「待てよ〜待てよ〜」
と言いながら鬼になった男の子が追いかけて行く。
私たちもその子と一緒に逃げていた。

そして逃げていたその延長で
3階の廊下に辿り着き、
次はその廊下をずっと走って逃げていた時、
「ねぇねぇ、こっちへ来たら絶対捕まらないよ♪みんなも一緒に鬼さんから逃げよう〜」
とその子は私たちを誘うように「こっちへおいで」って言った。

その子が逃げて行ったのは、
3階廊下の途中から左へ折れる通路。
でもこの団地の通路は全部
部屋に隣接する形であったので、
途中で左右に折れる造りにはなってなかったはず。

そのことに気づいたのか、
一緒に逃げていた1人の男の子が、
「みんなちょっと待って。行かない方がイイと思う」
とちょっと声のトーンを落とし真面目にそう言った。

「え??」と振り返り、また女の子の方を見ると、
「…どうして?こっちに逃げたら捕まらないよ?」
とまださっきと同じことを言っている。

そしてそのあと…
「なぁに?みんなこっちへ逃げるのが怖いの?」
と逃げる格好で背中を見せていたその子は、
パッとこちらを振り向き、1対3で向き合う形で
今度は真面目にそう言った。

「なんであの子と一緒に逃げちゃいけないの?」
私がそう聞くと、一緒に逃げてた男の子は、
「ここの通路って無かったと思う。みんなも気づいてんじゃないの…?」
と少し何かを怖がるようにそう言った。

言った瞬間、
「バレた?フフ、みんなも来ればよかったのに。私と一緒に」
そう言ってその子は通路の真ん中辺りで消えてしまった。
ゾクっとした瞬間…
それまであの子が立っていた廊下は
フウッと言う感じに消えてゆき、
3階から真下の地面がはっきり見えた。

その時「キャッ」と小さく悲鳴をあげた、
一緒に逃げてた女の子の声を今でもはっきり覚えてる。

引っ越してきたばかりのこの団地で、
一体何があったのか?
友達の子たちは親から
教えてもらってなかったのか全く知らず、
あの子の正体は未だにわからない。

でも悲しい出来事が多分この団地で、
あの子の身の周りに起きたんだ…と
子供心に少しわかってはいた。

動画はこちら(^^♪
【怖い】【喫茶店で上映されてる映画の感覚☕】【ドラマ小説】【ショートホラー系~心理ストーリー】団地 Housing estate #怖いお話 #ミステリ (youtube.com)


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