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カナカナさん

タイトル:カナカナさん

私が部屋で1人、クーラーで涼んでいた時。
「ん?」
どこからか、カナカナカナカナ…と音が聞こえてきた。
なんだろうと思いながらも、多分、
機械の調子だろうなぁと思いほっといた。

でも、そのカナカナ…という音は
何か定期的に聞こえてくるような音で、
「いったい何だろう?」
と思った私の好奇心が、その音の出どころを探そうとした。

今度聞こえてきたら…と思ったら聞こえてきた。
音のするほうへ歩いていくと、
「え?ここ?」
クローゼットの前に着いた。

「こん中から聞こえてくるのかなぁ?」
扉をそーっと開けてみた。
でも初めはやっぱり何もおらず、
水漏れなんかもしておらず、
何か動いてる様子もない。

んーと思いながら仕方なく、又いつもの定位置に来る。
そして座椅子に座っているとまた音が聞こえた。

カナカナカナカナ…カナカナカナカナ…
カナカナ…カナカナカナカナ…カナカナ…

「これ絶対何かいるんじゃないの?」
私は一瞬、ムカデとかゴキブリを恐れた。
カサカサ…と音がした時、必ずと言って良いほど
虫が部屋に入ってきていたからだ。
その経験がある以上、それを無視できない。

私はその意味で怖くなり、
その音の出どころを何が何でも探し当てようとした。

していると、本棚の下にある開き戸が
カタカタ、カタカタ、と微妙ながら動いた。
「えっ!?」と思いながらそちらへ近づく。

「きゃあ!!」

なんと戸を少し開け、中から白い小人のようなものが見えたのだ。
後ずさりするとその白い小人のようなものは
少し開いた戸から体を出し、私に少し見られたあと
また開き戸の中に帰っていった。

でもそれから数日、数ヶ月たっても、
その白い小人は現れない。

そしてある日、夕方にウォーキングへ行った時の事。
「だいぶ遅くなっちゃったなぁ、早く帰らないと」
辺りが暗くなり始めた時、
向こうから白い服を着た女が歩いてくる。

でも変に思った。
その女は道のど真ん中を歩いている。
そしてゆっくりこっちへ向いて来る。住宅街ながら幅の結構広い道路。その道路の真ん中をゆったり歩いてくるなど、特に女性の場合はあまりない。
その姿はなんとも異様なものだった。

でも本当に恐ろしかったのは、足が動いてない…
直立不動のまま足を動かさず、
そのままスーーッとこちらへ向いて進んでいたのだ。

ビクーーーン!!と恐怖の戦慄が走った時、
彼女は目の前まで来ており、私の前でやはり立ち止まり、
その顔を見た時、彼女の顔全体が揺れていた。
そして「カナカナカナカナカナカナカナ」…
と虫が鳴くような声で鳴いたのだ。
それからフッと消えた。

これは私が働き始めてすぐに起きた出来事だったが、
あの部屋の中で見たカナカナの音の持ち主?…白い小人と、
道で出会ったあの恐怖の女・カナカナと鳴いたこの女とが、
どんな関係にあったのか未だにわからない。

動画はこちら(^^♪
【密室ホラー】【喫茶店で上映されてる映画の感覚☕】【ドラマ小説】【ショートホラー系~心理ストーリー】カナカナさん Kanakana #ミステリ #怖いお話 (youtube.com)

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