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バンド解散の危機(300文字)

 大学時代に太郎とモンゴルは二人でバンドを組んでいた。
 バンド活動に解散はつきものでそれには様々な理由があり、ファンにとっては興味深い過程である為それについての諸相がまとめられた著作があるほどだ。

 ある日、音楽論を戦わせる二人の間で埋められない方向性の違いが浮き彫りになった。
 数多のバンドが辿って来たように音楽性の違いによる解散を宣言するのが妥当であるだろうことが、高まる議論に付随する感情と供に双方の心中で形成され、その噛み合わぬ重力が支配する場へと向け 太郎が叫んだ。

「お前とはゾッコウだ」

 史上他はない程のシリアスな場面で太郎は絶交と続行を言い間違え、嘘のようだがバンドは解散の危機を脱した。

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