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子どもが「学校に行きたくない」日、 ママができる5つのこと

新学期。
新鮮な気持ちでいるのは、ぴかぴかの1年生だけではありません。

でも、しばらくすると、朝、
「がっこう、いきたくない」
と、悲しい気持ちで 心がいっぱいになってしまう子がいます。
今回は、そんな日に ママができること5つを挙げてみます。
 今回も、23年間 小学校に勤務している私が「教師の視点」で、かつ、30年間 息子の母親をしている 子育て修了者の私が「ママの気持ち」を被らせながら 書いています。

「がっこう、いきたくない」にも、いろんなパターンがあります。
・その子が、何年生なのか。
・行きたくないと言っているのが、初めてなのか。
 続いているのか。 
 ときどきなのか。
・軽い感じで言っているのか。
 うつむいて 目に涙をためて言っているのか。
 大泣きして言っているのか。
・朝ふとんに包まったまま言っているのか。
 ランドセルを背負って玄関先で言っているのか。
 学校の駐車場で 送ってもらったママの車から降りようとしないで言って いるのか。
 学校の くつばこの所で固まってそう言っているのか。
 寝る前に言っているのか。
・ママに言っているのか。
 ママ以外の誰かに言っているのか。
などなど・・・。
学校に行きたくない子が10人いたら、10パターンあります。

 今回は、初めて お子さんが 朝、「がっこう、いきたくない」とうつむいて言い出したという状況で考えてみましょう。

【①背中や肩、手などを優しくさすりながら「そうかぁ、いきたくないかぁ」】
親としては、「行ってきまーす」と言うものだと思っているタイミングで、そう言われると びっくりして思わず「え?なんで!」「なに言ってんの」と反射的に言いがちです。わかります。驚きますよね。予期していないその言葉。とっさに出てしまいますよね。
でも、お子さんが うつむいて 絞りだしたそのことば。
今、その子の心の中は、いっぱいいっぱい。気軽に出たことばではありません。
大好きなママ(パパ)に、伝えるにも こどもなりに相当 勇気を出しました。
大好きなママ(パパ)に、しかられるんじゃないか、がっかりさせるんじゃないか、きらわれるんじゃないか、、、そう思いながら 伝えたつらい気持ち。
だから。
その子に 『やっぱり叱られた、やっぱり がっかりさせちゃった、やっぱり きらわれたかも、なんかおこってる・・・』と感じさせる 反射的な言葉はぐっとこらえて。
「がっこう、いきたくない」→3秒後「そうかぁ、いきたくないかぁ(なでなで)」で。
その子は、ほっとするはずです。

育児関係の情報でよく耳にしませんか。
「否定せずに、𠮟りつけずに、こどもの心に寄り添いましょう。」って。
漠然とした表現ですが、具体的には、こういうことではないでしょうか。
子どもの心をわかろうとして、自分の心をくっつける みたいな。
今、この子の心の中、どうなってるんだろう?と思うと、否定や𠮟りつけモードにはならないですよね。
不安定になっている子にとって、自分の気持ちを一蹴せず わかってくれる、と感じられる親さんの反応は、とても大事だと思うのです。
逆に「否定して、𠮟りつけ」たら どうなるか・・・
『叱られた、がっかりさせてしまった、わたし(ぼく)って、わるい子なんだ、がまんしなくちゃダメなんだ、これ以上きらわれたくない。でも。がっこうには いきたくない。でも。もう言ったらダメ。もう自分のホントのきもちは 言えない。』
そう。ママ(パパ)に壁を作り、自分で自分の心を守るために 心のバリアを張ろう、と考える・・・大事な 健気な我が子を そんな方向に向かわせたくない!ですよね。

【②理由を話せそうなら 遮らずに聞く】
学校に行きたくないと言い出すには、必ず こどもなりの理由があります。
①で、ママ(パパ)が 自分の気持ちを受け止めてくれたと安心できた子は心が柔らかくなっているので、大人が理由をつかみやすいです。

お話が得意な子なら、大人にわかりやすく説明してくれることでしょう。
一方で、自分のもやもやした気持ちをうまく言葉で説明できない子も多くいます。
まだ幼い子どもなので、もやもやの正体がなんなのか、自分がどうして こんな気分に支配されてしまっているのかも 自覚できていない、ということも 多々あります。
そういう子にとっては、「どうして いきたくないの?」「なにが いやなの?」と いくら優しい笑顔で質問されても ことばが見つけられなくて 的確に答えることは不可能です。
黙秘しているつもりじゃないけど、 黙って うつむいて、答えられないから困ってしまう・・・。フリーズ。。。
これまで たくさん そんな子どもたちを見てきました。あれこれと説明してくれるお話上手さんタイプより ずっと多いです。

【③見極める】
はじめての「がっこう いきたくない」。
もしかして、ちょっとゴネてみただけ、かもしれません。
大人でも、日曜日のサザエさんのエンディング曲で
『あー、明日から仕事かー、行きたくないわー・・・』
と思ったり言ったりすること、ありますよね。(あるある!)
あんな感じで、という可能性もあります。
 または、ゴネてるわけではないけど、ただなんとなく、学校にはルールや刺激がたくさんあって ちょっとお疲れ気味。
さあ行くぞ、のパワーが湧いてこない・・・。そんなことも。
 はたまた、ママに甘えたいモードになってる、これもよくあって。。。

だから。
見極めが大事。
深刻なものか、今だけなのか。
「その見極めが難しいんだよ~!!」
「深刻なのかな、って思って 簡単に 学校行かなくていいよ、休んでいいよ、って言ったら 癖になって しょっちゅう休むようにならない?
そのままずっと家にいる方がラクじゃん!って思って、不登校まっしぐらじゃない?」その心配、よくわかります。よく聞きます。

初日の朝は、「そうかぁ、いきたくないかぁ、(なでなで)」→「聞いてみる」の次として、まずは1回 軽く背中を押してみる、を提案します。
もし、ママが時間的に可能なら、
「今日は学校から帰ったら 一緒にアイス食べようか」
「ママも一緒に学校まで歩いて(公営バス通学ならバスで)行ってみようかな」

一時的なものなら、
案外、クラスで新しい友達ができた、
みんなから すごーい、って褒められた、
お給食がおいしくて楽しみになった、
〇〇の時間が楽しみ!
など、ちょっとしたことで 学校が楽しみになり 解決してしまうケースもあります。

泣きわめいてる子どもを靴箱のところまで送ってきて そのまま帰って行かれるママを時々見ます。車で送ってきて 駐車場で力づくで降ろそうとして困っているママもよく見ます。
でも、良い結果になるのを 私はあまり見たことがありません。
無理強いは しないほうが良いと私は考えます。
絶対にママ(パパ)は、自分の味方。❞ そう ゆらぐことなく、1点の曇りもなく思えることが、子どもの底力になる と信じているからです。

【④担任に 伝える】
軽く背中を押してみた結果、登校していった場合。
必ず 本人が学校にいる できるだけ早い時間に 担任の先生に朝の状況をありのまま伝えてください。
がんばって来てみたら、楽しかった、大丈夫だった、と思って帰ってこられるために。
だから、帰ってきてから 伝えるのではなく、朝 です。
授業が始まっていて 直接話せないことは承知の上で、朝、です。
「え、なんて言えばいいの?」「授業中の時間とわかってて電話したら モンスターとか言われない?」・・・安心してください、以下のような言い方が ありますよ!

例:「〇年〇組の 〇〇の母親です。お世話になってます。
どうしても お伝えをしたいことがあって お電話しました。
実は、今朝、うちの子が急に 泣いて学校に行きたくないと言いまして。
なんとか登校させて 今、教室にいると思うのですが、ちょっと心配で・・・。」「担任の先生とは、授業中でお話できないことは承知しているのですが、できれば次の休み時間にでも 今朝そんな状況だったことを本人には内緒で伝えていただけると 有難いです」
 電話に出たのが 教務主任さんや保健の先生、管理職だったりすれば 詳しく聞こうとしてくれる可能性があります。
それ以外の先生が出ても、上記の先生が職員室にいれば 代わってもらえるかもしれません。
 でも もしかして出た人によっては、「担任から夕方折り返しかけるように伝えます」になってしまうかもしれません。
でも、夕方では遅い。わが子のためです、あっさり引き下がらないでください。安心してください、こんな返し方もありますよ!

「そうですか、担任の先生とは そのときにお話ししようと思います。
ただ、明日以降も 学校に行きたくないと言うかもしれないので
今もし可能なら 保健の先生か教務主任の先生(担任をもっていない教務)にも相談させていただけると安心だなと思ったりもするんですが、、、お話させていただけませんか」


担任ひとりでなく、他の立場の先生たちの力も借りて 学級の雰囲気や学級でのお子さんの様子を見てもらえるほうが良いと思います。

担任は、「学校に行きたくない情報」が入れば、気にかけてくれるはずです。様子を観察して、原因を探し、くいとめる努力をしてくれます。
席が問題なのか?隣の席、まわりの子との関係は?お給食で困ってるのか?
休み時間、ひとりぼっちになっていないか?などなど・・・。

子どもが困らないように 親が先回りして準備すると
自分で考えて行動できない人になるからダメだ、
自分で解決させてこそだ、という論もあります。
心が元気な状態にある時には、そのとおりだと思います。
でも、学校に行きたくない,行こうと思っているけど行けない のは
心が弱っている時。
心が弱っている子に ママが支えになってあげる時期だと思います。
若くて弱い苗木に 添木をするように。
嵐で 倒れかけている苗木に、添木をして倒れないように支えるのは 甘やかしではありません。 放ったままで、がんばれ!倒れるなよ!と遠くから声援を送ってみても、倒れてしまうことでしょう。
嵐が過ぎ、根がしっかりと地について、茎がシャンとなれば、添木をはずしても自力でぐんぐん伸びていけます。一時の補強のようなものではないかと思うのです。

【⑤原因をつかむ:その日の夜は、ゆったり おしゃべり】
一時的なものであれば、先生たちの力も借りて問題点を解決できたり、自力で学校は楽しいこともあるんだと発見できたりして あっさり解決していくことでしょう。

そうでない場合、考えるべきことは「その子の心の中」。

ママも あれこれ悩みますよね。本当に苦しい。
ママの自分はどうすべきか」
「学校へ行かせるためにママのとるべき態度は」
「仕事があるから 学校に行ってくれないとママも困る」etc。

でも、今考えるべきことは、ママのこと、じゃなくて こどもの心が今、どうなっているのか。理由は何なのか。

「どうして行きたくないの?」「なにがいや?」「ママ、悲しいよ」
直球でそう言われても、 どんより もやもやした気持ちを、子どもは言葉でうまく表現できなくて どんどん心が固くなってしまう。
だから。
ゆったりリラックスしておしゃべりタイムをどこかに。
真正面に座るより、隣とか、少し離れた距離で。
キッチンで 並んで野菜を洗いながら、とか、子どもはソファ、ママはアイロンをかけながら、とか。
いろんな他愛もないことをたくさん。
たまに、さりげなく学校に関係することも織り交ぜながら。
心の中にある、原因になっているものが単語だけでも出てくるかもしれません。
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いかがでしたか。長文になってしまいました。

「学校に行きたくない自分」が、ママを心配させてることは こどもだってわかっています。
このままでいいと思っている子はほとんどいません。

どんな自分でも、大事に思ってくれてることが伝わって初めて
ママは 自分の味方 と思える。

初めて「がっこう いきたくない」とわが子に言われた そんな日があっても 慌てず 焦らず 心配しすぎず 支えてあげてください。 
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。



 




















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