だから、僕は今日も書店に行く

書店で新しい本を手に取る。

知ってはいたけど読んだことない書き手、話題になっていて平積みされている本、好きな作家の新作本。それらの本を書店で見つけたとき、倹約家の僕はすぐにメルカリを開いてしまう。

タイトルで検索をかけると、検索結果ページに商品が並ぶ。商品説明を読み、出品者のプロフィールを一瞥する。状態がよく、妥当な料金で「買いだな」と思えば、その場で購入ボタンをクリック。登録してある、挨拶テンプレのメッセージを出品者に送る。数日後には本が届く。

気になった本を好きなだけ買っていると月々の書籍代で僕の財政は破綻しまう。少しでも安く買おうとメルカリを使うことは少なくない。

だが、本当は財布を気にせずその場で購入して家に持ち帰りたい。作家や出版社もその方が嬉しいことは百も承知だ。けれども、今の僕には資本力が足りない。


地方の中流家庭で育った。ゲームやおもちゃは何でも買ってくれる訳ではなかったのに、本だけはお金のことを考えずに好きなだけ買っていいと親が許可してくれた。「図書館に行きたい」と言うと、母親が車で送迎してくれた。

きっと、両親は本の価値を信じていたのだと思う。その考えは今の僕にも引き継がれている。

買いたい本を手に取って「出費を抑えたいから…」と読みたい気持ちを我慢しても得られるものは本当は少ない。情報を買い、未来の自分に投資する額としては逡巡するに値しない。

そう分かってはいつつも現実の僕はというと、新刊本は書店で購入し、出版されて年月が経っている本はメルカリで買うパターンが多い。新刊本は読み終わった後、高値で売れるのだ。


本が好きというより、まだ知らないことを知るのが愉しい。自分の知らないことが世の中に溢れていると思うと、わくわくする。

書店によって本の並べ方や置かれている本の種類が異なるから、店内をつい見て回って長居してしまう。インターネットを徘徊していても訪れない、偶然の出逢いが書店には無数にある。

図書館に通っていた小中学生の頃に比べると、気になったら即買い(メルカリを含め)している現状はとても裕福だなと改めて思う。

近い将来は立派な本棚を家に飾り、財布の心配をせずに自分だけの書斎を持ちたい。

今日もまた、書店で新しい本を発見できることに期待しつつ、本のページをめくる。


昨日の収穫本たち。


文喫に行ったときのnote。


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