『資本論』第8回 剰余価値の資本へ転化 領有権法の転回 マルクス経済学⑫
第1部資本の生産過程 第7篇 資本の蓄積過程第21章、第22章
いかなる経済体制であっても、人間が生存を続けるには生産の
反復=再生産が必要である。
1.単純再生産 *第6回のG 、W、A、Pm、P、W'、G'の説明を参照
G:貨幣、資本 A: 労働力
g:剰余価値 Pm: 生産手段(労働手段、労働対象)
W: 商品 P: 生産過程
◯労働者階級
・労働力の販売により賃金は受け取るが、労働者が自分で生産した生産物の
すべては資本家の所有物。
・労働者は資本から消費手段(商品)を購入して消費し、この消費により
労働力の維持・再生産が行われる。
・再生産過程において労働者階級は労働力を再生産しつつ、その販売を余儀
なくされている
これをマルクスは、労働力の販売において、自分の生産した生産物の一部分を
受け取ることのできる証文を貨幣形態で入手し、この資本家の証文を資本家階級
に返すことによって、自分の生産した生産物の一部分を受け取って消費してい
る、ような関係と述べている。
◯資本家階級
はじめの投下資本を貨幣として回収して、資本を再投下して 剰余価値の
再生産ができる。また剰余価値部分を個人的消費することができる。
●剰余価値を個人的消費のみとする → 単純再生産
周期的に得られる分と同じだけ消費される
資本家は、他人の不払労働の産物である剰余価値を消費して、自分自身
を維持し、最初の資本価値をも維持する。
●再生産過程において、一方では労働者階級が、他方では資本家階級が、繰り返し再生産される。
2.剰余価値の資本への転化 ー 領有権法の転回
◯交換法則の転回
GーA と g1 ーa は異なる 等価交換ではない
等価交換 等価交換の単なる形式=仮象
他人の不払い労働による他人の生きた労働の購買
労働者が作った価値で労働力を購入
◯領有法則の転回
g1 ー g2 未来の他人の不払労働の領有
労働と所有の一致 過去の他人の不払労働の領有
◯資本の決定要因
●再生産が継続される中で、資本は労働者階級が作ったものとなる
ことがわかる。
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