不況に備える。スーパーアプリ時代のSier(Cier)営業の為のLINE API提案のススメ
この騒ぎ、色々な意味で早く収束して欲しいですね。
ただ収束しても次は影響による不況に備える必要があります。
前回のリーマンショック時にはSierへの不況は世間よりも少し遅れてきたのですぐに不況の波が来なくても安心は出来ません涙。
ちなみに自分はリーマンショックの前は取締役で150名ぐらいの開発組織の中でトップで営業なんかせずにしっかりと現場守ってくれと言われてましたが、リーマンショック後に何故営業に行かないのかと言われ出しました汗。案件がないとsierのエンジニアは稼ぎ頭ではなく単なる金食い虫の扱いですよね汗。
そんな不況がいつのタイミングに発生してもよいようにSierやCierで提案される方は提案の引き出しが必要ですよね。
少し前ならAI・IoT・クラウドだったのですが、AIは本当に必要とされるところと必要とされないとこで大きく温度感が違いますし専門でないと難しい。
IoT関連はファクトリー関連での落とし所は見えましたが、工場系で新規提案するのはそもそも関係性がないと提案しづらいので厳しい。
そしてクラウドですが、クラウド自体の認知度は高まり、オンプレミスに執着するお客様の数も減ってきたので攻め筋な感じはしますが、すでに10年以上がたち、日々利便性が進化するクラウドではユーザー部門が直接使ったり、競合が多く存在するのでクラウドだけでアピールしていくのは大変です。
そこで月の利用者数は8300万人(ダウンロード数ではないです。MAUです)のLINEを使った提案をしてはいかがでしょうか?
ネイティブアプリの現在の課題とスーパーアプリという市場
ネイティブアプリはWEBやメールに比べ機能的なメリットはありますが、現在様々な課題が存在します
1・ユーザーにインストールしてもらえない問題
2・プッシュ通知見てもらえない問題
3・使ってないと気がつかれるとアンインストールされる問題
4・ユーザーの端末交換時に再度インストールされない問題
あと日本ではまだこれからですが(この頃ニュースなどで取り上げられましたが)、中国ではwechatやアリペイなどでは、アプリ内アプリが可能なスーパーアプリの市場が盛り上がっています!
https://www.slideshare.net/hiroyukihiki/line-apiaws-2020/13
の13Pにも記載していますが、
wechat のミニプログラムは一気に市場が拡大しました。
日本も弊社や他の決済アプリがスーパーアプリ化するとの話しがどんどん出ているので、提案に関してはそのエコシステムを想定したミニアプリでの提案が今後のトレンドになるとおもいます。
少なからず単独の機能しか提供できないアプリは全てミニアプリに乗るのでは?と自身は予測しています。
ネットでスーパーアプリと検索すると日本のこれからのスーパーアプリの話しが出ているので検索してみてください。もっと先をみたい肩はwechatやアリペイのミニプログラム関連の記事を検索していただければ、昔あったでっかいなんでも乗っかってて意味がわからないポータルとは違う事がわかるかと。
LINEベースの提案の強み
先ほども記載しましたが、LINEは月に8300万人のユーザーが使っており、生活インフラの一部となりつつありますが、まだ開発プラットフォームとしての認知は8300万MAUの数の可能性に対してそこまで認知されておらず、開発環境ではブルーオーシャンな状態です。
LINE API単体ではまだ自社のノウハウがないって思われるかたも多いかもしれませんが、LINE APIは標準的なWEB技術を使っており、ハードルは実は低いので、特別な技術は不要です。
そしてLINEでは先ほど記載したネイティブアプリの課題の解決が可能です。
課題をLINEで解決・1・ユーザーにインストールしてもらえない問題
iOSでもAndroidでもネイティブアプリのインストールはユーザー観点でのハードルは高いですよね。自分自身のこの半年で自分の意思でインストールしたのはドラゴンクエストウォークと女神転生リベレーションぐらいで、仕事で調査の為に入れたアプリは三ヶ月もすればアンインストールって感じです。
にも記載させていただきましたが、企業の担当者の方の想いと、ユーザーの想いは乖離しています。そんな中で例えばLINEの公式アカウントやLIFFを使ったLINE内でのアプリはQRコード読み込みやWEBのリンク経由で承認も含め2タップでシームレスにアクティブになるので、ユーザーとのチャネルの作成のハードルを大きく下げます。
またLINE Pay決済時の公式アカウント追加機能はユーザーに負担を全くかけずに店舗などの公式アカウントと友だちになる事は可能ですのでうまく提案していただければと。
課題をLINEで解決・2・プッシュ通知見てもらえない問題
ネイティブアプリのプッシュ通知は安価な通知手段なので企業からの通知を見てくれると楽観的に考えてしまいますが、では皆様はその通知を見ていますか?
LINEの公式アカウント経由での通知はアプリのプッシュ通知やメールの開封率に比べ非常に開封率が高いのでおすすめです。
ただしブロードキャスト的なプッシュ通知の回数は三日にいっぺんぐらいで、それ以上の頻度はブロックされるので注意してください(セグメント通知やAPIで他のシステムと連携した1to1な通知ならもう少し頻度高めれるかもしれませんがあくまでユーザー観点でメリットのあるものを通知しましょう)
下記はPR記事ですがブロックについて情報があるのでよかったみてください。
課題をLINEで解決・3・使ってないと気がつかれるとアンインストールされる問題
LINEの公式アカウントやLIFF・LINEミニアプリはアンインストールされません(公式アカウントはブロックされますがそれも考えなしの通知ばかりした場合です)。
課題をLINEで解決・4・ユーザーの端末交換時に再度インストールされない問題
LINEならLINEのアカウント自体の情報がほぼ持ち越されるので、再度インストールされない問題をクリアできます。
あとLINEログインの機能をネイティブアプリに組み込んで、アプリの認証に使うと、ネイティブアプリでLINEログイン時に公式アカウントと友だち追加する機能があるので、公式アカウントを普段の通知に使わずに、アンインストールされたあとにもう一度インストールを促す施策の時に公式アカウントからの通知が可能です
LINE APIとしてのLINE UXの強み
上記はネイティブアプリの課題に対するLINEの強みでしたが、これからはLINE APIが具体的に提供できるUXについて記載します。
公式アカウント&LIFFによる実装。開封されやすい通知&WEBアプリの提供
公式アカウントでのUXの設計は少しコツが必要ですが、公式アカウントでメッセージ配信、公式アカウントのメニューからLIFFの起動でWEBアプリと同じUXが実現可能です。またメッセージの中にLIFFのURLを埋め込む事でユーザーに起動を促す事も可能です。
LIFFはWEBの技術で実現可能で、バックエンドは好きなインフラを利用できるので、自社が得意とするインフラの掛け算でご提案されるとより強い提案が可能かとおもいます。
ユーザーへのUX(チャネル)。公式アカウントでのチャットボット
上記では少しコツが必要であると言ったチャットボットですが、WEBのUIに比べて変更がしやすい(新しい機能を追加する事によるデザイン変更などがあまりない)のが特徴です。
ビスポの予約のチャットボットはユーザーに文字を入力させずに、公式アカウントのメニューをユーザーのアクションごとにプログラムで切り替えを行なっているので、チャットボットで何を入力してよいかわからない問題を解決できます。
Webページや店舗のQRコードからのLIFFによるアプリ起動
LIFFは公式アカウントからだけでなく、WEBページや店頭のQRコード読み込みで起動が可能です!
これから普及するであろう、店頭でのテーブルオーダーなどでは特に効果が期待されます。
LINEミニアプリ
LIFFの機能+さらに現状はLINEのサービスタブからの起動も可能です。LIFFによる開発になりますので、まずLIFFで開発していただき、然るべきタイミングでLINEミニアプリへの載せ替えなどを提案されてはいかがでしょうか?
課題である既存のWebサイトのコミュニケーションを作れるLINEログインと公式アカウント
先ほどの4でも記載したLINEログインの機能はWEBサイトにも組み込み可能です。WEBサイトは特にプッシュ通知をブロックするユーザーが大半なので、公式アカウント経由で見られるプッシュ通知を対応してみてはいかがでしょうか?
プラットフォーム依存じゃない?と言われたら、チャットボット編
多チャンネルに対応できるAzure Bot Serviceなどを勧めてみてはいかがでしょうか?LINEだけでなく、他のPFやWEBサイトへの組み込みが可能です!
プラットフォーム依存じゃない?と言われたら、LIFF &LINEミニアプリ編
LIFFやLINEミニアプリはWEBの技術で作られており、ホスティングはお好きな環境で開発できるWEB開発の良さを持っています。
ネイティブアプリにWEBビューを入れ込んで同じものを表示などして、ガワだけ別ってのも良いかとおもいます。
位置情報を取りたいんだけど?と言われたら
企業としてのネイティブアプリのメリットは必ずしもユーザーのメリットではありません。この頃はOSレベルで位置情報を使わせなくするようなUIが実現されてきているので、ここは割り切りが必要だとおもいます。
いずれ埋もれるんじゃないの?
中国のwechatやアリペイのUXの事例を見ていただければ、すでに事例があるのでその情報で補完していただければと(同じものになるかはわからないですが)
最後に
もっと詳細な内容を記載できるのですが、深掘りしすぎるとブレてくるので今回はここまで。
もちろんLINEのAPIも万能ではなく、まだまだ必要なパーツはあるのですが、今はブルーオーシャンな状況なので、うまく提案していただければと。
また現在の抱えてもらってるSierはLINEを使わないとこれぐらい付け込まれる隙があるって事なので、攻めいられる前にお客様にご提案されては如何でしょうか?
そして事業者側も、LINEのこんな提案ないの?って出入りの業者に言ってみては如何でしょうか!
PS・関連noteは下記マガジンにまとめてます!
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