見出し画像

受けるもマーケ当たるもマーケ

売れるもマーケ当たるもマーケ
.
品質にほとんど差がないのに、なぜ売れる物と売れない物に分かれるのでしょうか?
.
マーケティングには、22もの不変の法則があります。この法則を押さえていないと、どんなに優れた商品でも売れません。
.
本書はマーケティングの22の法則について、法則毎にまとめられた1冊です。今回は、その中からいくつか厳選して紹介します。
.
①一番手の法則
マーケティングの基本的な課題は、商品やサービスが他に優っていることを顧客に納得させることではありません。
.
他に優っていることよりも、先頭を切ることのほうが大切です。どんなカテゴリーであれ、市場をリードするブランドのほとんどは、顧客の心に最初に入り込んだブランドです。コンピュータのIBM、コーラのコカコーラなどがそれに当たります。
.
輸入ビールのシェア1位はなんでしょうか。現在アメリカでは425種類の輸入ビールが売られていますが、市場シェア1位(30%)はハイネケンです。ハイネケンよりも味の優れたビールはありますが、1番最初に輸入を始めたハイネケンが今でもシェアトップだそうです。
.
ただし、時代と合わないというタイミング的に遅い場合は、初めての商品でも売れないこともあります。また、発想が間違っている場合も売れないので注意が必要です。
.
一番手で参入すると、そのブランド名が商品の総称になります。例えば、セロファンテープ、バンドエイド、サランラップなどはブランド名です。
.
人々の記憶には、1番しか残りません。2番目は?と聞かれると、ほとんどの場合知らないのです。
.
②心の法則
一番手の法則だけでは不足している部分があります。一番手に参入した企業でも、現在では存在していない企業もあります。この現象を説明するためには、心の法則が必要です。
.
心の法則とは、市場に最初に参入するよりも顧客の心の中に最初に入り込むほうがベターであるということです。
.
ネーミングも心に入り込む要素です。例えばコンピュータを例にとると、当初5つのコンピュータがスタートラインに立っていました。
.
☞アップル2
☞コモドール・ペット
☞IMSAI8080
☞MITSアルテル
☞ラディオ・シャックTRS-80
さて、どの名前が一番簡単で覚えやすいでしょうか。僕はアップル2が1番親しみが湧きます。これが心に入り込むということだと思います。
.
③集中の法則
マーケティングにおける最も強力なコンセプトは、見込み客の心の中にただ1つの言葉を植え付けることです。
.
例えば、フェデラル・エクスプレス社は見込み客の心の中に「翌日配送」という言葉を植え付けることに成功しました。商品ラインよりも翌日配送サービスに焦点を絞り込んだ結果ですが、ここには品質などは影響しません。人々の心には「翌日配送」のみが残るのです。
.
またハロー効果の影響で、一度心の中に植え付けた言葉があらゆる部分で良い印象を顧客に与えてくれます。第一印象が良いと、ほかの部分もよく見えるという現象です。
.
つまり、人は品質ではなく言葉(感情)に反応するのでどの企業もイメージ戦略に多額の資金を使うのです。
.
④独占の法則
2つの会社が、顧客の心の中に同じ言葉を植え付けることはできないという法則です。
.
ファストフードに最も望まれる属性は「早いサービス」でした。そこでバーガーキング社も、サービスが早いことを訴える広告を出しました。しかし、その時既にマクドナルド社がアメリカで1番サービスの早いハンバーガーチェーンであると認知されていたため、バーガーキング社の業績は下降きていきました。
.
このように、一番手の法則に通ずるところもありますが、最初にイメージを植え付けないといけないようです。
.
⑤二極分化の法則
長期的にみると、ナンバーワンとナンバーツーの競争になるという法則です。
.
ナンバースリーは心地の良いポジションに見えるが、実は数十年後に生き残っている確率は低いです。
.
初期の成長市場では、顧客はトップブランドを知らないことが多く、したがってナンバースリーやナンバーフォーの商品が魅力的に見えることも多々あります。しかし、時間が経つにつれ、顧客もトップブランドの方がマシに違いないという考えから、トップブランドを欲しがるようになるそうです。
.
⑥犠牲の法則
成功を望むのであれば、何かを犠牲にしなければなりません。犠牲にできるものとしては、製品ライン、ターゲット市場、絶えざる変更の3つがあります。
.
成功したければ、製品ラインは減らすべきだそうです。ラインを拡張せず、現在売れているものや顧客の心に刻んだ特徴に焦点を当てるべきです。
.
ターゲットとは、ターゲットを絞ってマーケティングすべきということです。そして、決してそのポジションを変えてはいけません。ころころ変えずに常に一貫している企業が残り続けています。
.
.
とても読みやすいので、マーケティングを学ぶ方にはとてもおすすめの1冊でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?