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細菌に宇宙はない。【etc.】

細菌がすごい。
いきなり結論言っちゃったけど、とにかくすごい。

ISS(国際宇宙ステーション)で行われた実験に「微生物の圏外生存実験」というものがあります。これは文字通り「宇宙空間に細菌を曝露する」という、考えようによってはエグいやつなのですが、1年後にその細菌を曝露させていたパネルを帰還させて見てみたら、なんとそこには1割ほど生き残った細菌がいたという。

1年後…1年!?

ご承知とは思いますが一応羅列してみますと、宇宙に空気はありません。太陽が当たれば100℃以上、当たらなければ−100℃以下、放射線や紫外線が満ち満ちている、人間生活観点からみれば端的に地獄なそこで、365日以上、生き延びたって、まじすか。

元より、放射線に強い細菌が選ばれたという事実とか、死んだ細菌の壁によってなんとか冬眠状態で生きている…みたいな想像も出来るわけですが、そんな。細けえことはこの際いい、としてしまいたい。

同じ条件ならば人間には絶対に無理な所業なわけですが、この生き延びれてしまう細菌からしてみれば宇宙も地球上も人間ほどは「差がない」わけで。大気圏内も大気圏外も一緒、宇宙なんて無い。

行く手段さえあればさらっと圏を抜けて、多分どこまでも行ける。
ちょっと過酷な環境だなぁ、とか思いつつも、ちょっと過酷な環境でしかない。限界というか境界が、びっくりするほど薄い。

でも確かに、そこにそんなにすごい仕切りがあることにしなくてもいいじゃんね。と、ふと思うわけです。わたしは人間だけど。

大気圏とかいう絶対的な境界があるのではなく、生存しやすいところと、生存が大変なところと、単にそれだけの話。
なんかそう考えると、どこまでもどっちでも行けそうな、なんとなくすがすがしい気分になれたので、
1年の間、そこにいた細菌デイノコッカス・ラディオデュランスの功績はもっと讃えられてもいいと思うわけです。かしこ。



おかしかっていいですか。ありがとうございます。