【観戦後の雑感】2024 J2第3節 岡山×山口

皆さん、こんにちは。
前節ラストワンプレーで引き分けたファジアーノとしては、週中のルヴァン杯と今節は、上位争いに食い込む流れを作るために、非常に重要な一戦でした。
ルヴァン杯をしっかりと勝ち切り、雰囲気や流れは良い感じではあったものの、岡山のレビュアー陣および試合を観たサポーターからは、レノファへの警戒感は非常に強いものでした。
個人的には、結果はともかくとして「昨年とは違う」という所を見せられるか。そこに注目していた試合の雑感です。


寸評

前半については、お互いに一歩も譲らない展開だった。
山口は、昨シーズンまでパス主体のイメージのチームだったがロングボールを積極的に使い、岡山陣内に攻め込む。一方、岡山もボールを握ったところからの速い攻めで山口ゴールに迫る。山口は、セカンドボールを岡山に拾われるものの、要所でサイドからのつなぎを見せており、前半は、「タイミングが合えば」の山口と、「ゴール前の最後の1手がつながらない」岡山という様相だった。ゴールの匂いが強かったのは山口だったか。
後半になると、岡山が優勢に。山口のロングボールをNo.5柳を中心にことごとくはじき返し、山口を自陣に押し込んでゴールに迫る場面を増やす。これは自陣が風上になったことで、距離感を掴みやすくなったことも影響したか。ただ、その中でも、山口のゴール前のブロックは強固で打ち破ることができない展開が続く。
しかし迎えた後半39分、右サイドのCKから、ゴール前の混戦からNo.10田中が先制ゴール。
試合展開を考えれば、その後の山口にもまだ十分チャンスがあると思われたが、後半42分に退場者を出したことで試合の趨勢が決まってしまった。
後半ロスタイムに、岡山は1本危ない場面を迎えるものの、その後は落ち着いて時間を使い切り、勝ち切ることに成功した。

岡山で印象に残った選手

No.49 スベンド ブローダーセン
今節の働きは非常に大きかったと思います。横っ飛びといった派手なセーブこそありませんでしたが、山口が攻勢の中で、もしこぼしていれば山口の得点につながのでは…というボールをことごとく保持していました。特に前半32分ごろの阿部に当たったディフレクションを抑えたシーンは、対応を間違えれば失点につながった可能性が高かったように思います。

No.5 柳 育崇
3CBを今後どうするか問題を勃発させる働きでした。やはり跳ね返す力は随一ですし、CKに合わせるヘディングの能力も高い。特に後半に山口の前進をことごとく跳ね返していたプレーは、岡山に流れを持ってくるものでした。

No.10 田中 雄大
決勝点をゲットし、ついにヒーローインタビューの舞台へ。ゴールシーンは、まさに「これぞ田中雄大だ!」だったと思います。山口陣のゴール前の固いブロックを崩すために、狭いところでテクニックを発揮することを期待されていたと思われ、流れの中でこそゴールにつながらなかったものの、期待に応えました。

山口で印象に残った選手

No.21 関 憲太郎
非常に安定しており、グレイソンの強烈なシュートをセーブしたり、柳貴博と競り合いの中でクロスを保持したりと、岡山サポとしては「それ止めんといてや」というプレー。よほど完璧に崩すか、ピンポイントでタイミングを合わせるかでないと得点は難しいと思わされるプレーで、岡山の得点は、まさにそういったシーンとなりました。この一連の流れでも、No.5柳のヘディングを1度はセーブしており、ゴール前の仕事は、ほぼ完ぺきだったのではないでしょうか。

No.16 吉岡 雅和
前半のオーバーヘッドは、インパクト大。岡山としては、ジャストミートしなくてよかったです。No.48の新保もそうでしたが、岡山の両WBとマッチアップして明確な優位を作らせなかったという点で、非常に厄介でした。個人的に特に印象に残ったのが、自陣コーナー付近でボールを見送らず、粘り強く掻き出してスローインに変えたシーン。こういったちょっとしたところで闘える人は、チームをとても助ける人だと思います。山口を熱くするプレイヤーなのでしょう。

No.37 田邉 光平
大学時代から上手いと思っていましたが、まさかここまでとは。前半の山口の攻勢を牽引した存在だったと思います。ゴール前やコーナー奥でのプレーも素晴らしかったですが、中盤でボールを保持した際に、岡山の選手のチャージを躱しており、山口の時間を作っていました。この人からボールを奪えれば、岡山はワンサイドゲームにできていたと思いますが、全くそれを許さず。3戦目にして、すでに山口のキープレイヤーの一人になっていると思いました。

終わりに ーとても価値の大きい1勝ー

警戒されていた皆さんが言われていた通り、山口さんは強かった。
お互いに言えることですが、危ない場面はあったものの、「甘い・緩い」場面はなかったと思います。正直に言うと終盤まで、「これは引き分けで仕方ないのでは?」と思いながら試合を観ていました。非常に引き締まった試合だったと思います。
一方で、今シーズンの38試合を考えたとき、本日の試合が勝ち点1もしくは0になると、自分たちのリズムそして競争相手との関係性から、後々取り返すのが難しくなる予感があり「ちょっと困ったなあ」と。
その中で、チームは後半の優位性をもとに冷静に戦い、ゴールネットを揺らしました。
書き出しで「昨年とは違う」ところを見せられるかと書きました。
危ない場面を作られているという点で、反省点はいくつかはありそうですが、その中で無失点に抑え、勝ち点3という目に見える結果を獲ったこと。そしてつばぜり合いが続く相手に、我慢比べで勝ったこと。この2点は「強いチームへの兆し」を顕しているかもしれません。

この兆しを「確信」に変えることができるかは、今後の試合にかかっているでしょう。次節は、ここまで連敗が続く藤枝。昨シーズン、非常に悔しいやられ方をしている相手であり、そのスタイル故か、岡山としては天敵っぽい印象もある相手です。岡山の闘いぶりから目が離せません。

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