【観戦後の雑感】2024 J2第5節 岡山×水戸

皆さん、こんにちは。
岡山は、本日も勝ちを伸ばし3連勝を達成し、見事首位をキープしました。
まだ第5節時点で、白星が先行しているチームはファジアーノを含めて4チーム。序盤にして恐ろしい混戦模様となっています。
この中で着実に勝ち点を積むことができた、今節について振り返ります。


寸評

本日の試合は、強い風の中で、時折雨が降る荒れた天候で行われた。その中で岡山は、前半のエンドを風下を選択してスタートする。
前半は、風上というアドバンテージと鍛えてきたパスワークを活かして攻め込む水戸、第4節と同様に、ボールを奪うと速い攻めでゴールに迫る岡山という構図でゲームが進む。しかし、水戸はゴール前までボールを運んでも、最後のシュートあるいはラストパスで精度を欠く。一方、岡山は相手陣地でのプレーを増やすも、やはりあと一本のところでシュートまで結びつかずという展開が続く。しかし前半38分、岡山の右サイドでのパス交換が逆サイドに流れ、それに末吉が反応してペナルティエリアに侵入。水戸GKの春名が末吉を倒してしまい、岡山はPKを獲得する。このPKをグレイソンが落ち着いて決め、岡山が先制に成功する。
後半、岡山・水戸ともに選手交代をしてスタートする。お互いに圧力を高めたいところだったが、膠着状態が続く。水戸はボール保持を増やし、岡山ゴールに迫るが、岡山は中盤では藤田、裏を取られては本山、放り込まれては柳が迎撃をして水戸に決定的なチャンスを作らせずにゲームを進める。
アディショナルタイムに入っても、岡山は集中力を切らさず、水戸にチャンスを与えずタイムアップ。連勝を3に延ばし、首位をキープした。

岡山で印象に残った選手

No.24 藤田 息吹
今日は、この人を取り上げないわけにはいきますまい。うにがしら的、今節のMVPです。
パスワークがスムーズな水戸さんに、セカンドボールを拾われてボールを保持される展開が増えると、水戸さんの流れとなる試合だったと思います。その中で、藤田選手が、敵味方問わずこぼれ球をことごとく回収することで、相手にリズムを渡すことなく試合を進めることができました。また、藤田選手自身のパスからの展開でも良いシーンが観られ、今後のファジアーノのバージョンアップに不可欠な存在であると思いました。

No.5 柳 育崇
第3節で、木山監督に「柳らしさは、因数分解できない」と言われていましたが、今節も田上選手とは、異なる特徴でチームに貢献。今日は高い位置でのプレーが多かったように思います。特に前半は、そこからのパスの展開が、シン・ヤナギを感じさせました。高い位置でのプレーと言えば、柳選手個人だけではなく本山選手、鈴木選手との役割分担が、かなり整理されている感じがありましたね。誰かが迎撃に出れば、誰かが最終ラインの防波堤になる、という意識のすり合わせは昨シーズンからの呼吸もあったでしょうか。また、試合終盤の水戸さんのツインタワーへの放り込みに対しても、ことごとく跳ね返しており、守護神の前の門番として、最後まで水戸さんの前に立ちはだかりました。

No.15 本山 遥
前半は、試合勘の関係か、少し相手の対応に苦慮している点も見られましたが、徐々に試合の流れに乗って自分の特徴を発揮。後半21分ごろに、山崎選手に裏を取られかけた場面をスピードで1対1にもっていってカバーした場面は、「これぞ本山遥」といったプレーでした。後半は、右サイドでの持ち出しや得意の逆サイドへの展開も見られ、岡山のディフェンダーの一人として、今後のポジション争いを加速したと思います。

水戸で印象に残った選手

No.15 長尾 優斗
すっかり水戸さんのパスワークの中心に。あらためて今日のプレーを観て思ったのは、味方からボールを受けられる位置取りと、自分がボールを受けた際に相手からアプローチを受けても動じることなくボールを動かすことができる落ち着きでした。気が付けば、ボールの経由地となっており、非常に存在感がありました。

No.51 春名 竜聖
今日の実況で触れられていましたが、若干19歳のプレイヤーなんですね。前半でPKを取られてしまいましたが、後半の田上選手のFKをはじき出し、試合を通して岡山のプレスの逃げどころとして落ち着いてプレーは、これから正キーパー争いに名乗りを上げていくにふさわしいプレーだったと思います。岡山サポとしては、松原選手を観たかったのが本音ではありますが、今後が楽しみです。

No.24 山崎 希一
興国高校出身のテクニックは、やはり目を引きます。本山選手の記述でも触れていますが、後半に裏抜けをされると危なかったですし、後半27分の右サイドからのクロスをワンタッチで合わせた場面は危なかった。あのようなプレーは、試合展開を無効にされることがあるので、岡山としてはピンポイントで合わずに助かったわけですが、短い時間で何かを変えられるプレイヤーである事が良くわかる働きぶりでした。

終わりに ー今後期待したいこと、そして今できていることー

タイムアップの笛が鳴った時、「やはり複数得点が欲しい」というのが正直な感想でした。

・・・はい、「お前、前節の記事で、粘り強く戦っていけるかを見ていく、と言うとったろうが」というお叱りは、ごもっともでございます。

ですが、水戸さんのパスワークは、「もう1本」があれば、すぐにでもゴールに直結しそうな怖さがあり、やはりそこに対して、余裕をもって戦うためには、もう1・2点欲しいというのが、本音ではありました。ただ、その兆しが見えないかというとそんなことはなく、岡山も少し合えば、あるいはコントロールできれば、ゴールに直結できるという場面を作った試合だったと思います。
前節の記事でも書いた通り、チームは、ここを実戦で精度を高めていく必要があり、サポーターは、そこをしっかりと待ちつつ一緒に戦うメンタリティが求められるのでしょう。

ただ、本日の試合がラッキーだったか?と言われると、そんな事はなかったと思います。末吉選手のPK奪取は、ボールを奪った際にゴールに向かうというチームコンセプトが徹底された故のものですし、最終ラインは、メンバーを入れ替えたにも関わらず水戸さんの攻撃に対して冷静に対応していました。スタッツ上も、ボールの奪取位置は高く(DAZNで41.1m)、今までの積み上げが十分に見えていたと思います。その積み上げの上に、第2節での経験を活かしたであろう風への対応があり、少しずつ勝ち筋を手繰り寄せた。まずベースがあることの強みがあり、環境にも適応して水戸さんを上回った試合だと捉えたいです。

あらためて順位表を見ていくと、勝ち点3は、本当に大きい。試合終了の様子を見ても、選手そしてチームスタッフが感じている重みは、本当に大きいのでしょう。

このまま連勝を重ねていきたいところ。
次節も楽しみです。

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