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単語リクエスト作品まとめ

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【単語リクエストシリーズ】の作品をまとめています。
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#小説

【単語リクエスト④】雨上がり×鰯

4日ぶりに雨が上がった。 久々に顔を出した太陽がうんと日差しをよこすので、雨の膜が張ったアスファルトに日光が反射して目が痛いほどだった。 さっきたとんだ傘を左手にぶら下げて歩いていると、頭上からパラパラと雨粒が落ちてきた。お天気雨が降ってきたようだ。 お天気雨は虹が出来やすい。足を止めて、日光に照らされてきらきら光る雨をしばらく見ていると、次第にきらきらの中の銀色の光が増してきた。 不思議なことに、銀色の光が強くなると同時に雨粒もどんどん大きくなっているように見えた。

【単語リクエスト②】憂い×苺

ベッドの中から窓の外を見ている妹の表情は、心なしか憂いの色が濃く見えた。 開いたドアの横を軽くノックすると、夢から醒めたように妹は振り向いた。 私だと分ると、さっきまでの表情が嘘のように大きな笑顔を浮かべる。 「お疲れ様、お姉ちゃん。」 妹が入院してから2年が経つ。今でも週に2回は仕事帰りに立ち寄り、着替えや食べ物を持って来ている。 気分はどう?と聞くと、「うん、いいよ。」と短い返事が返ってきた。私も、そう、良かった。と短く返事をした。 いいはずはないのに。日に日

【単語リクエスト➀】駅×愛

──駅は愛が通る場所だと、小説の一節で読んだことがある。本好きの他人(ひと)に勧められて読んだ本だった。 その他人は、いま腕の中にいる彼女でないことは確かだ。 ──ごめん、好きになれなかった。 ふんわりとした笑顔が可愛くて、人懐っこい。それでいて芯の強い彼女。 ゆっくりと腕をほどくと、彼女はうつむいたまま一歩後ずさった。 少しずり落ちたショルダーバッグの肩紐を戻してやると、彼女は泣き笑いの顔をした。 「…とおる君ってほんと、…。」 僕に聞こえないくらいの声でつぶ