フォローしませんか?
シェア
芋子
2021年10月29日 18:43
第十話 贈る言葉日も少し暖かくなった三月、私たちは四年生の卒業式を迎えた。四年生は去年一年間、就職活動や卒業論文で忙しく、直接関わる機会はあまりなかったが、先輩方が制作に携わった文芸冊子は何度も読んでいたため、作家としての先輩方はよく知っていた。編集社や新聞社など、物書きらしい職に就いた先輩もいれば、堀のように技術職に就いた先輩もいて、希望に満ち溢れた表情が垣間見えた。文芸サークルでは