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【オリジナル小説】金の麦、銀の月

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【金曜日更新】オリジナル小説「金の麦、銀の月」のまとめです。 地道に連載していく予定です。
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2021年12月の記事一覧

金の麦、銀の月(14)

金の麦、銀の月(14)

第十三話 曇天

図書館から一歩外に出ると、どんよりとした雨雲が空一面に広がっていた。今にも雨が降りそうな様子に、みんなは眉をひそめた。

「傘もってきてないのに…。」

春日部さんが小さく漏らすと、松下さんが慌ててカバンをのぞき込んで安堵の表情を浮かべた。

「さくら、大丈夫。私折り畳み持ってるから。」

私の隣に立っている堀はカバンから大判のタオルを引っ張り出すと、頭の上からかぶって見せた。

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