Day.20 ステロイド外用薬の診療メモ【総合診療トピックゼミ】
<ステロイド外用時に考えること>
◇湿疹に対しては、とりあえず使用でOK
☞ただし、感染によるものである可能性があるため、ステロイド外用を開始してもよくならない場合は、原因検索を行ったり、皮膚科に紹介したりといった対応を検討する必要がある。*使用開始直後は、感染であっても一時的に改善する場合があるので注意。
◇どこに塗るかによって、どのステロイドを使うか決定する。
☞ステロイド外用薬はその強さがクラス分けされています。どの強さを使うかは、原則的にはどこに塗るかだけで決めてOKです。
◇膨疹に対してはあまり意味はない
☞アナフィラキシー等で生じる膨疹については、表皮でトラブルが起こっているわけではないため、ステロイド外用はあまり意味がないです。
<ステロイド外用薬の選択>
◇顔面・陰部周囲:毛穴が多く皮膚が薄くて吸収がよい
☞Medium or Weakを使用
Medium:キンダベート、ロコイド
Weak:プレドニゾン
◇四肢・体幹
☞Strongを使用
Strong:リンデロンV
◇手掌・足裏:外用薬の吸収が悪い
☞Very Strongを使用
Very Strong:アンテベート、リンデロンDP
<Column>
虫刺されの場合にも、ステロイドの外用を使うことがあるじゃないですか?あれ、感覚的に「なんで?」と思いません?だって、一応異物(虫の針や牙)が皮膚を裂いたわけだから、感染の観点から考えると、これ炎症というか免疫抑えていいのかな?と思って。迷った挙句、皮膚科医の友達に聞いてみました。曰く、虫に刺されて傷ついた皮膚の炎症を抑えて、適切に治癒させるためにステロイド使ってるとのことでした。確かに、皮膚のバリア機能を取り戻すためということであれば、感覚的にも「確かに」と思いますね。
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