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東京六大学ドラフト候補②〜明治法政立教編〜

こんにちは(*⁰▿⁰*)シュバルベです。前回に引き続き東京六大学野球の来年のドラフト候補紹介、明治・法政・立教編です!前回記事はこちら↓

例の如く私見しかないのでよろしくお願いします!笑

1.明治大学

今年は横浜DeNAドラフト1位入江投手、昨年は広島ドラフト1位森下投手と二年続けてドラフト1位選手を輩出した明治大。現在、もっとも多くプロ野球選手を送り出した大学野球の名門です。来年はどんな選手がそれに続くのか、以下で見ていきましょう。

1-1.竹田祐投手

一年春から三年間投げ続け来年の明治のエースを担うのは竹田祐投手(履正社)です。

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既に紹介した早慶の投手たちと同じように高い制球力が持ち味の右腕で、185cm/90kgの大きな体躯から制球されたボールを投げ込みます。BB/9は2点台前半に抑え、K/9は8点台と良いスタッツです。フォーシームのアベレージは140km台前半ですが、カットボール・ツーシームの動くボールを織り交ぜ、的を絞らせない投球が魅力の選手です。

二年秋は自身最少の3登板に終わり、19年オフには次のような取り組みを行ったとのこと。

投球の幅を広げるためにチェンジアップを習得。森下暢仁選手(令2政経卒・現広島東洋カープ)から握りを伝授された。「速い球だけでは打者も慣れてくる」。緩急で直球がより生きるように。

このチェンジアップが今秋は活きていたように感じます。ツーシームと近い軌道ですが5kmほど遅く、変化量が大きいため左打者にとって外に逃げるボールとなっています。

3年春は2試合投げて9失点と屈辱を味わいましたが、秋の東大との最終戦では8回1安打完投と本来の投球を取り戻し来年に向けて良いイメージで終えることができたと思います。

履正社出身らしくバッティングもセンスがあり、二年春に満塁ホームランも放っています。通算打率.273は9番目の野手として極めて優秀な数字です。

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打ちそうでしょ?笑

もしプロ入りする未来が訪れたら打席にも立つセリーグで見たい選手ですね。

1-2.磯村峻平投手

不調に悩まされながらも、投げることができれば高いパフォーマンスを発揮してきたのが左腕の磯村峻平投手(中京大中京)です。

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高校時代はU18日本代表にも選ばれ、名門中京大中京高校でエースを張っていましたが、大学に入ってからは全てリリーフでの登板です。入江投手が三年生の時につけていた背番号1を継承しており、同投手も三年時まではリリーフがメインでした。与四球率や奪三振率はそこまで良くないのですが、ランナーが出ても落ち着いていてセットポジションになっても球速が落ちないためピンチに強い投手です。

フォーシームは140km前半、スライダーとのコンビでピッチングを構成しており、強気に右打者のインコースにも攻めていきます。本人も攻めのピッチングには拘りを持っていて、次のように話しています。

――改めて投球スタイルを教えてください。
 「攻めの投球です。(大学で攻めきれなかった試合は)ないです。投げる以上は攻めるので、そこは絶対に揺るがないですね」

攻めきれなかった試合はない、ってすごい自信ですよね。投手なのでそれぐらい自信家なぐらいでいいのかもしれませんが。

野球太郎ドラフト直前号で読んだのですが、今永投手ら強度の高い左腕を多く抱える横浜DeNAベイスターズのスカウトは左腕を見る時のポイントとして右打者のアウトコースのボールに着目しているとのこと。磯村投手の来シーズンドラフトに向けての課題はまさにそこだと思います。入江投手は今年、先発としても150kmのフォーシームや鋭く落ちるスライダーなど高いポテンシャルを見せつけました。磯村投手も来年、先発左腕としてポテンシャルを見せてくれることをひっそりと期待しています。

1-3.植田理久都選手

2015年秋の神宮大会で優勝、2016年に春の選抜で準優勝を飾ったメンバーの1人が植田理久都選手(高松商)です。現慶應大4年の植田響介選手とは兄弟で、ともに高松商業高校で準Vメンバーでした。

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今年ついに本格的に出場できるようになりましたね。同じ3年生の篠原翔太選手(報徳学園)と正捕手の座を争い、秋は初戦こそ途中出場だったものの2試合目にスタメン出場を果たすと嬉しい自身初本塁打を放ち、以降は全試合スタメンマスクを被りました。打撃面では5番キャッチャーと重責の中で8打点と勝負強い打撃を見せ、少ない打席ながらも四球>三振とゾーン管理ができている点は高評価でしょう。独特なステップもこのホームランの動画ではタイミングバッチリですね。178cm/92kgの堂々とした身体から繰り出されるバットの速度が印象的です。

守備でも「血の明法戦」で二試合連続完封勝ちと投手陣をリード、シーズン通してパスボールゼロに終えたのは立派です。チーム内には先に挙げた篠原選手、昨年秋にマスクを被った2年生の蓑尾海斗選手(日南学園)がいるだけに、まずはチーム内競争に勝って来年も正捕手として出場することがプロに向けての第一歩となるでしょう。

1-4.丸山和郁選手

U-18日本代表選手で、昨年の侍ジャパン大学代表にも選出された俊足センターが丸山和郁選手(前橋育英)です。

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大学代表VS高校代表の試合では慣れないナイターだったこともあり守備でのミスを連発してしまいましたが、大学では失策0。当時は故障もあり万全ではなかっただけに、勿体なかったですね。

ゾーン管理能力はここまでのシーズンでは低く、盗塁も5個とまだまだ持ち味を生かせていません。バットコントロールは巧く、当たればヒットゾーンに飛ばす技術があるだけに惜しいところです。セーフティーを試みる場面を多く見かけるのですが、個人的には勿体無いと感じます。足が速いのはすでに多くの人の知るところですし、上のステージに進むほど守備シフトや配球で対策を取られます。浅いカウントで強く引っ張った打球を見せられるかが来年の1つのテーマだと勝手に思っていますのでそこに注目したいと思います笑。

1-5.陶山勇軌選手

丸山選手と同級生で俊足外野手のライバルが陶山勇軌選手(常総学院)です。

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高校時代は眼鏡をかけていましたが、大学に入ってからはコンタクトに変えています(どうでもいい)。打撃面ではまだまだ結果を残せていませんが、終盤での代走起用など難しい場面でも盗塁を決めている足は健在。3年間で11盗塁は慶大の渡部選手の16個に次ぐ2位に位置しています。

守備面では走力を活かした広い守備範囲が魅力である一方、肩はそこまで強くない点が気がかりです。

丸山選手同様に右投左打外野手という最も飽和しているタイプなので最終学年で走攻守いずれもどれだけアピールできるかが勝負となっています。

2.法政大学

今年は左右のエースである鈴木昭汰選手と高田孝一選手がドラフト上位で指名された法政大学。明治大学同様にほぼ毎年プロに選手を送り込んでおり、プロ輩出選手数は2位の野球の名門大学です。来年も楽しみな選手が沢山いるのでご紹介しましょう。

2-1.三浦銀二投手

1年の時から多くの六大学野球ファンを驚嘆させた若き右腕が三浦銀二投手(福岡大大濠)です。

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3年生では唯一の通算100イニング越え、2位の竹田祐選手(明治大)と比べても37イニングも多く投げています。が、2020年は満足のいく投球からは程遠いマウンドが続きました。三浦投手に関しては既に1年秋の段階でSNS上を中心に酷使を指摘されていました。1年秋~2年春にかけて90イニングに登板、特に1年秋は早大との開幕戦で146球完投すると2日後にも先発登板するなど、3カード目の慶應戦まで初戦と3回戦の2試合に登板してきました。2年春も慶大戦では3試合連続登板(初戦は先発で7イニング登板)するなど、はっきり言って滅茶苦茶な起用をされていたのは本当に不憫でした。

2年秋にクローザーに転向。短いイニングを全力で、という方針転換により酷使から多少脱し、同リーグでは8試合を投げ防御率0.00と結果を残しましたが、その初戦から次のようなコメントが出ています。

状態は悪くないんですけど、メカニックの部分で、はまってこない。今は力任せで投げてますが、つかんでいければ(日刊スポーツ9月14日

3年に上がった今年は先発として主戦級の活躍をしてほしいと期待していたのですが、春は先発2登板でともに失点し長いイニングを投げられず、秋は後ろのみでわずか4試合の出場にとどまりました。かつての輝きを見ていただけに、今の三浦銀二投手はまだまだ本来の姿からほど遠いと思います。ソフトバンクに育成1位で指名された慶大の佐藤宏樹投手の時も似たような思いを3年時に抱えていたので、個人的にはとても不安です。かつて見せてくれた輝きは競合ドラ1になっても不思議でない圧倒的なものだったのでラストイヤーに期待したいです。

2-2.山下輝投手

今年最も評価を上げた左腕がこの山下輝投手(木更津総合)でしょう。

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高校の先輩である早大・早川隆久投手がドラフト1位で指名され、多大な刺激を受けたことでしょう。上記の通算成績はすべて今年の春・秋の結果で、K/9=9.00と高い奪三振能力を誇ります。ランナーがいないときはゆったりとしたフォームから150km近いフォーシームを投げ込むパワーアームで、その馬力の強さはリリーフとして来年の1番を争うクラスです。

一方で、ランナーを出してからが課題で、クイックもそうですしフォーシームの質も球速も落ちてしまいます。簡単ではありませんが、これを克服すれば上位指名も見えてくると思います。特に左投手はここ2年のドラフトで上位指名が目立っており、150km近い速球派の左腕は今のトレンドとも言えます。

2-3.岡田悠希選手

今年の秋に上位打線を任されるようになったのが岡田悠希選手(龍谷大平安)です。

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今年の秋季リーグ開幕カードの東大戦で初スタメンを勝ち取ると、その試合で自身初ホームランを含む3安打。低めのボールを掬い上げてライトスタンドに放り込むパワーヒッター感ある打撃は魅力的です。早大戦でも徳山投手からライトに一発を放ち、一躍ドラフト戦線に浮上してきたと考えています。

高校時代からパワーに定評があり、高校一年生でベンチ入りを果たすなど清宮選手や正木選手とも比較される存在でした。まだゾーン管理には甘さも残しますが、思い切りの良いスイングは見ていて気持ちの良いものがあります。

守備面でもセンター、ライトの外野2ポジションを無難にこなしており、肩も比較的強いので来年春のリーグでなんらかの打撃タイトルを取ればドラフト上位指名も十分視野に入る素晴らしい選手だと思っています。

3.立教大学

今年は私の贔屓であるオリックスに中川颯投手が4位で指名された立教大学。下級生の台頭が目立ち、現3年生は出場機会にもあまり恵まれておらず、一人だけの紹介となります。

3-1.太田英毅選手

一年秋から公式戦に出場し、今年は一番打者としてほぼ固定起用されたのが太田英毅選手(智辯学園)です。

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高校時代からこちらも注目されていた右のスラッガーの一人で、大学でもここまでの3年間で3本の本塁打を放っています。憧れの選手には智辯学園の先輩である廣岡大志選手(ヤクルト)を挙げ、豪快なスイングはまさに先輩譲りでしょう。一方で、三振41に対し四球でゾーン管理は良くありません。特にこの一年は59打数8安打と絶不調で、当たれば長打となるパワーを見せる機会が少なかった点は残念です。

守備面では主にセンターとライトで起用されましたが、今後上のステージでやるなら確実にライトです。高校時代は遊撃手だっただけに、4年生に上がる来年のポジションは気になりますね。インタビューでも守備については次のように語っています。

今一応外野を去年の4月5月あたりからやらせてもらっていて下手ですがそういう面でも、外野の守備を安定させることをやっていますね。もともと内野をやっていたので、いろいろな見方ができる。具体的に言うとなるとあまりパッと思い浮かばないですが、いろいろな見方をして、守備位置変えたりすることもできてくると思うので。そういうことを生かしてやっていきたいです。(2019年4月10日立教スポーツ。リンク下記。)

新チームではキャプテンに就任することが発表されました。自身の打撃・守備のレベルアップに加えてチームのまとめを行うのは大役だと思いますが、頑張ってほしいですね。

4.番外編

若干、こっちが本番的な面もあるのですが(笑)番外編です。こちらも今回は一人だけの紹介です。

4-1.古屋敷匠眞投手(法政大)

これまでの3年間でわずか2試合の登板に留まっていますが、昨秋もっとも私の心を動かした投手の一人が古屋敷匠眞投手(八戸工大一)です。

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秋の立教戦ではMax151km、常時140km後半の力強いフォーシームを投げ込み、スライダーとの緩急差も素晴らしいナイスピッチングを見せてくれました。一本足になった時の立ち姿が綺麗で、この印象は森下投手(明治大→広島)以来のものだったのでとても楽しみです。

一年生の時のインタビューを見ると、フォーシームの質について回転数に言及しているほか、変化球の習得にもセンスと知性を感じさせます。

-『速さより質』というお話をされてましたが、練習で気をつけていることは
回転数を上げることをすごい意識して練習していました。
-変化球も多彩なようですね
カーブとスライダーを縦と横で2つ、あとはツーシームとスプリットですね。ツーシームはDeNAベイスターズの山﨑(康晃)選手を真似て投げようと思ったら、すぐに投げることができたので使っています。
(2018年2月10日スポーツ法政)

今でこそ素材ですが、来年大化けする可能性が高いと考えています。とにかく怪我をしないことですね。秋のピッチングをもし”春の早い段階”で”先発”で見せることができればドラフト1位も現実的になるでしょう。ただ、今はまだ2試合しか登板していないので未知数な部分が大きいです。そういう意味での番外編で、春には普通にドラフト筆頭になってるかもしれません笑。

5.さいごに

2つのnoteで来年4年生となる東京六大学のドラフト候補を紹介してみましたがいかがでしたでしょうか。かつて甲子園で輝いた選手や、高校時代無名でも大学で華開いた選手などをまとめて神宮球場で見られる東京六大学野球はとても面白いですよ!プロに行く選手も沢山いますので、ぜひ多くの方に足を運んでほしいです。コロナ、収まってほしいなぁ…心配はそこだけです。早々に応援団まで入れる進取の気鋭の強い連盟なので、運営面では何の心配もしていません!笑

各選手はドラフト候補として紹介しましたが、勿論プロ志望届を出さない選手も沢山いると思います。どんな世界に進んでもそれぞれの道で活躍してほしいと心から思いますし、このnoteで一人でも多くの選手にスポットが当たりファンが増えたらいいなぁ、なんて。微力ですが力になりたいですね。


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