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【どこよりも詳しい】スワローズ新外国人ホセ・オスナ徹底分析

こんばんは、シュバルベです(*´ー`*)オフの恒例企画(始めたのが昨オフですが)、贔屓に来る新外国人を分析してみよう企画がいよいよ始まりましたー!(パチパチ

今オフ第一弾はスワローズに入団が決まったホセ・オスナ選手です。

Instagramで先に自らヤクルト入りを発表。チームロゴ、そして「こんにちは」の日本語が入っていることからこれは性格の良い外国人に違いないと早くも話題沸騰中のJose Osuna選手。

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オスーナ選手のInstagramより。 https://instagram.com/joseosuna36?igshid=1m17cblm92gbo

早速どんな選手なのか見ていきましょう!

1.打撃

まずは今年2020年の基本成績です。

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今年は3Aが開催されていないためMLBのみの成績でしか判断できませんが、打率.205ながら本塁打4本を78打数と限られた打席の中で打っておりOPS.641ある点はプラスポイントでしょう。アベレージも残してる選手なら放出されませんしね笑

流石にこれだけだと言えることが少なすぎるので、2019年の基本成績も見て比較してみましょう。

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昨年は打率.264で打率も残し、OPS.766はチームの平均OPS.741を超えています。打席数はチームで9番目で、スタメンとベンチの境界線上という立ち位置でした。2年とも四球が少なく出塁率には期待ができない一方、長打率と打率に乖離がある点から飛距離をある程度出せる中距離ヒッターとしての仮説が立てられます。

実際動画で見ないと分からない部分もあるので、こちらが2019年のハイライト動画です。

ハイライトなので良いシーンを当然取り上げていますが、ストライクゾーンの甘いボールを基本的には弾き返しているのがわかります。ボールへのコンタクトとスイングについてのデータはこちら。

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来日する外国人の例に漏れず、かなり積極的なバッターです。NPBでこのゾーン管理と似た選手はソフトバンクの松田選手。ストライクゾーンに対して積極的に振っていき、コンタクト率80%後半はいい数字です。こうして見ると今年の不振の原因はボール球にコンタクトできずファールで逃げられなかったからだと推測できますね。そしてフォーシームへの対応が今年は悪く、昨年はスピードボールに対して打率.281ありましたが、今年は.170。スピードが上がり続けるMLBにおいて平均150kmのフォーシームに差し込まれてしまい、成績の低下を招いてしまったと考えられます。

さらに掘り下げていきましょう。オスナ選手の打撃のツボと苦手なコースはどこでしょうか?その答えをくれるのがBaseball Savantのzone別データです。こちらが2019年のコース別打率となります。

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どうでしょうか?一つ、低めのストライクゾーンは軒並み.250を越え、逆に高めはアウトハイ以外.200を切っています。低めを打つのが巧いローボールヒッターではないかと推測ができますね。さらに三振をしたコースはこちら。

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ボールゾーンは勿論ですが、インハイはストライクゾーンでも多くの三振を奪われていることが分かります。MLBでは追い込んだら高めにフォーシームをぶち込まれていたのでしょうね。逆にローボールに対してはストライクゾーンでの三振が少なく、やはりオスーナ選手はローボールヒッターである、と言えます。

続いては先に挙げた仮説の検証で、中距離ヒッターとしての資質を見てみましょう。打球方向についてはまずこちらをご覧ください。

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三方向に満遍なく打球を放っています。日本に来るパワーヒッターの多くはほぼ漏れなくプルヒッターで、オスナ選手は珍しく広角に打てるバッターだと言えます。現在の外国人でやはり広角に打球を飛ばせるのは横浜のソト選手。ソト選手の引っ張り方向への打球割合は38.4%で、逆方向にも24.8%。ちなみに先程のゾーン管理についても似ています。期待が高まりますね。

さて、こちらは打球がどこに飛んだかを示すSpray Chartというものです。

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これを見ると、ツーベースは悉くライン際です。右中間・左中間へのツーベースは少なく、走塁に関しては上手いとは言えないのでしょうね。盗塁を除く走塁の力量を示すUBRという指標では今年も去年もともにマイナスとなっています。内野安打の少なさもそれを示しています。

また、得点圏はオカルトとは言いますが、今年のスコアリングポジションに置いた時の打率は.370。昨年は.229なので今年が良かっただけかもしれませんが、ホームラン10本中6本がランナーを置いた場面でのホームランです。これは来日して実際の試合を見ないと分かりませんが、もしかするとランナーが出た状況から配球を推測し狙って打っているのかもしれませんね。それならとても期待ができるバッターになります。

打撃編の最後はスタットキャストによる打球分析です。これは私もnoteで言及するのは初めてなので勉強しながらです笑。直近3年の打球についてのデータがこちらです。

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今年は打球角度が一気に上がり、バレルゾーンの角度に収まる打球の割合が大きく上がっています。コンタクトした打球のうち、95mhp以上の打球速度を出せた打球割合をHard Hit%と言いますが、今年は打球速度自体も上がっていることが分かりますね。フライボール・レボリューションが提唱されてから久しいですが、オスナ選手の今年のスタットキャストデータはまさに強くフライ性の打球を上げることに注力していたことを示しています。

※バレルとは何かについては下記が詳しいです。

実際、昨年は48%あったゴロ率が今年は34%。結果的に空振り率が22%から28%に上がったことで打率が落ちてしまいましたが、平均球速で劣るNPB、しかも低めへの制球が是とされる環境下では大化けの可能性を秘めていると感じます。こと打撃面に関してはここまでのデータからかなり期待を感じさせると私は思います。

2.守備

次に守備のデータを見てみましょう。今年のポジションと守備機会・UZRはこちらです。

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3つのポジションで平均並の指標をマークしている点はプラスポイントですね。先述したように足がないので、冒頭に挙げた動画でもライトの前後の守備はキャッチできていても危うさを感じます。実際の運用ではサード>レフト>ファーストになるのではないでしょうか

今年のスワローズは村上選手が一塁についた時のサードの打力が弱く、そこに平均並に守れる中距離ヒッターを入れることができればチームの編成としてはプラスの作用を生む可能性が高いと考えられます。また、青木選手も今シーズン多くの試合で試合終盤に交代しており、週に1試合は休養を与えている運用を敷いていたので、オスーナ選手のように複数のポジションを守れるポリバレントプレイヤーは重宝するでしょう。

3.さいごに

最後にKPIと打順・守備位置についてです。まず打撃については15-20本を目指して欲しいと思います。狭くフェンスも低い球界屈指のバッターズパークである神宮球場では、フライ性の打球をどれだけ上げられるかが重要です。今年のオスーナ選手の取り組みは(たまたま)神宮球場でのホームランを狙うに適したものです。2019MLBを超える.275を一年目の目標としたいですね。日本の投手はアウトコースへのスライダーが得意で苦しむ時期があるかもしれませんが、MLBのように決め球を高めに持ってくる配球は流行っていません。ローボールで勝負してくれたらチャンスは増えるでしょう。出塁率は求めません笑。

打順としては村上選手の次を打って欲しいと思います。ランナーを置いた場面での集中力と読みがどうなのかは試合が始まってからですが、クラッチ力を存分に活かし、今年スワローズが埋められなかった5番打者として大成してほしいですね。

守備位置はサードをメインとして、青木選手の休養日にレフトに入る形での運用を期待します。足の遅さがレンジに影響しないといいのですが…という不安はありますね。UZR±0なら十二分に大成功です。

とにかく、今のこの情勢で来日してくれるのはありがたい事ですし、フロントもよく早々に契約まとめましたよね。サイスニード選手も獲得し、あと1人or2人、頑張って欲しいですね。

■出典


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