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【一流選手の仲間入り】東京ヤクルトスワローズ塩見泰隆の2021年を振り返る

こんにちは、シュバルベです( ・∇・)

2年前のオフシーズンにキーマンに挙げたスワローズの塩見泰隆選手。故障などもありなかなか本来の実力を発揮できませんでしたが、2021年ついに開花。スワローズに欠けていた1番センターのレギュラーを掴みチームのリーグ優勝・日本一に大きく貢献しました。

常に期待をかけていた選手で、2020年のシーズン前のキーマンに挙げ、同年の振り返りも記事にしました。

やっっっとブレイクをして真の『一流選手』になってくれたので本当にうれしいです。日頃対戦しているDeNAベイスターズ戸柱選手は塩見選手について次のように語っています。

「長打がありますし、右方向に打てるし、時にはパチンと引っ張り、足も速い」(中略)「しっかりと配球を見直して、来年はしっかりと抑えないといけないですよね」
2021年12月8日付サンスポ【球界ここだけの話(2528)】

他チームの選手からこのように思われているというのは野球選手として最大限の評価なのかなと思います。

さて、今年の塩見選手は何が良かったのか。2021年の塩見選手の活躍をデータで振り返っていきましょう。

1.塩見選手の打撃成績

こちらは塩見選手の2021年の主要な打撃成績です。

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シーズン143試合中140試合に出場。1年通して活躍できたこと、これが非常に大きかったですね。打率は.278ですが長打率は.441、14本塁打とパンチ力を存分に発揮しました。OPS.798はリーグの規定到達者の中で13位につけ、同じ1番バッターの阪神近本選手(.795)を上回りました。

こちらは塩見選手がプロ入り後の一軍での成績です。

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昨年2020年もブレイクの兆しを見せていましたが、noteに書いた通り1年で3度怪我で離脱し43試合の出場に留まりました。今年は打率/出塁率/長打率の打撃指標を昨年微減に収め、出場試合数は3倍増。怪我に強い身体を手に入れられたのが大きかったことはデータにも表れています。

20年オフ、塩見選手はベテラン青木選手とトレーニングを実施。

「技術的なところ、打撃も守備ももちろんなんですけど、僕が思う青木さんはコンディショニングがうまいというか、ずっと状態をキープしている。体の使い方もうまい。そこを学びたい」と意欲を燃やす。

このように課題を認識し、実際に21年はシーズン完走できたので素晴らしいですね。

まだ月ごとの打撃成績の浮沈が顕著だったり、疲労が嵩むと盗塁が大きく減ったりとクリアすべき壁はあるものの、21年は結果を残し多くの自信を得たシーズンになったでしょう。

数少ないベンチ外だった試合の一つが5月5日の試合。この日の原因はメディシンボールが直撃し歯が欠けたというもの。

こういう塩見選手らしさ(?)満載のアクシデントもありつつ、とにかく立派な成績を残せてよかったです笑。

2.塩見選手の打撃内容

もう少し打撃のアプローチについて踏み込んでみましょう。こちらは直近3年間の塩見選手の打球方向です。

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年を経るごとに引っ張り方向への打球が増えています。2年前は逆方向に32%の打球が飛んでいましたが今年は19%。強く引っ張ることを意識したということと、引っ張れるだけの思い切った打撃アプローチが出来るようになったメンタル的優位があるように思います。

こちらはボールカウントの状況別打撃成績です。

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昨年から打者優位のカウントでの強さが目立っていましたが、打席数を大幅に増やしてもその積極性思い切りの良さは健在です。

ボール先行時は打率.368で9本塁打。ストライクを取りに行こうにも、ファーストストライクを積極的に打ちにくるということで、投手にとってプレッシャーを与える選手となっています。

課題は昨年と同様ツーストライクからのアプローチでしょう。追い込まれると昨年は打率.147、今年は打率.186で大きく成績を落としています。セリーグワースト2位の156三振を喫しており、1番バッターとして追い込まれてからの打席内容は改善の余地がありそうです。

ただ積極性が塩見選手の最大の強みなので、コンタクトを重視した結果消極的になるぐらいならありのままを受け入れたいと思います笑

3.塩見選手の守備走塁

次に塩見選手の守備と走塁面をみていきましょう。

守備では一昨年までは両翼のポジションにもつきましたが、昨年は出場全試合でセンターを担いました。ここ3年間のポジション別イニング・UZR・ARM指標は次のようになります。

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昨年までイニングが少ないこともありUZRのマイナスは少なく抑えられていましたが、通年センターを守った今年はUZR-3.3と厳しい内容でした。ARM指標は+2.2なので守備範囲の面でマイナスが付いています。

ただ、スワローズの両翼はレフトに39歳の青木選手、ライトにUZR-11.0のサンタナ選手という布陣です。青木選手は守備範囲でまだプラスを生み出しUZR+4.2とベテランながら奮闘しているのですが、サンタナ選手の守備はどうにもならず塩見選手のセンターとしての負担はかなり大きかったことでしょう。

現在28歳の塩見選手ですが今年のドラフト2位に守備範囲に優れたセンターの丸山和郁選手を指名したことを考えると、順調にいけば近い将来は両翼での出番が増えることになりそうです。

走塁面では21盗塁はチームトップ、リーグでも阪神中野選手(30個)と近本選手(24個)に次ぐ3位です。成功率は80%を超えトップバッターとしての役割を存分に果たしました。自身でも「今年一番の盗塁だった」と語るのが10月の巨人戦でのこちらの盗塁。

巨人の守護神ビエイラからこの日チーム初ヒット+二盗。山田選手の内野安打の間にサヨナラ勝ちのホームを踏みお立ち台に上がりました。

瞬時の判断に優れ、クライマックスシリーズファイナルステージ初戦ではショートフライで本塁生還を果たすなどここ一番で見せる走力はチーム随一でした。

4.塩見選手の2022年展望

本来持っている力を存分に発揮し「覚醒」した塩見選手。オフには様々なご褒美とイベントが待っていました。

まずはベストナイン外野手に選出。

契約更改では3,150万増の4,500万を勝ち取ります。

色紙には「トリプルスリー獲りたいな」の文字。今年の成績からすれば決して不可能な数字ではないので、チームメイトの山田哲人選手以来のトリプルスリーを目指してほしいと思います。

さらにはスワローズとゆかりのある燕市で野球教室を開催、トークショーにも出演。

地元の相模原で一日警察署長。

バラエティー番組など含めて活躍の場を広げていますが、喋れるタイプなのでイベントにも重宝されているように見えます。スワローズが強い90年代は高津監督や古田さんなどが多くのテレビに出演し、目立ちながら結果も出してきました。塩見選手や村上選手は今のスワローズでその系譜を継ぐ選手になれそうです。

2022年も当然チームのトップバッターとしての活躍に期待がかかります。

打撃編で書いたように、最大の課題はツーストライクからのアプローチ。ここが改善されるだけで率は3割に乗るのではないかと思っています。

来年はトリプルスリーオールスター出場ゴールデングラブベストナインと欲張って取って欲しいです。能力は間違いないので、より安定したコンディショニングが出来れば。

2022年も頼みます!シオミヤスタカ号!

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