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ぼやかして魅ればああ平和さ

 あぁ、朝焼けってなんでこんなに美しいんだろう!私は朝を迎えるたびにそう思わずにはいられない。燦々と昼に輝く暖かいお日様ではなく、夜を連れ去る一矢の閃光。燃えるような黄金で、遠くまで透き通って、青白く新しい朝を連れてくる希望の色。陰鬱の底まで届く強烈な光。なんて綺麗なんだろう!
 闇夜を越えた人々は朝焼けの眩さに目をしぱたく。夜明け前が1番暗いという言葉通りの暗闇を切り裂き、平等に公平に誠実に朝の光を連れてくる。夜に鮮やかな幕引きをさせているのは、あの琥珀色に輝く光なのだろう。きらきらと窓ガラスに反射して、室内に薄い水面を作る光、ひかり!私はそれを見つけるたび、やはり嬉しくなってしまう。
 太陽は朝焼けも真昼も夕暮れも毎秒違う色彩を放つ。色だけではなく持つ力や存在感そのものが時によって完全に変わってしまう。そしてその儚さを思うたびの心の薄い膜が震え、こんなにも朝を愛おしいと思えるのだ!

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