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父は憎しみの存在

だった。

酒に溺れない父は
無口だった。

一緒に出かけることも無ければ
学校行事に姿を表すことなんて
ないのが当たり前だった。

弟が産まれる前まで住んでいた
離れに父一人で暮らし
母家で私たち三人は祖父母と生活した。
そのため、父と食卓を囲むことは
なかった。

日中、
父と顔を合わせてしまった日には
この世の終わりくらいな氣持ちになったものだ。

死んでしまえ、お父さんなんて。
クソ親父、クソと呼んでいた。
ずっとずっとそう思っていた。

心の根底には常にその言葉があった。

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