身体能力と運動能力

小学校で高学年になると、色々なスポーツをやる「指導会」なるものがあった。
記憶では、ソフトボール・サッカー・陸上・水泳・相撲の5つの競技で、選手は学年全体から選抜されて、練習・練習試合・市内大会に参加することを求められた。
何を基準に選抜されたのかは不明だが、私は全競技に参加した。だが、スポーツ万能ボーイにも、致命的な弱点があった。体力虚弱。だから、反復練習嫌い。体力作り嫌い。体の使い方だけ確認できれば良し。

ソフトボールは、センターの一番深いところから「レーザービーム」返球を彷彿とさせる強肩を見せるも、近視でフライの捕球に難有り。バッティングも抜群の選球眼を見せるも、目が悪いので打てませんアピール。見事に補欠のポジションを勝ち取る。

サッカーは、高身長からGKにされて、抜群の反応速度とセンスを見せるも「障害物大きい方が良くないすか?小学生レベルだし」と進言し、正GKを太っちょ君に譲り、自らは控えGK兼ディフェンダーに定着。

陸上は、走る距離が短いハイジャンプ。
水泳は、背泳。
相撲は、補欠。
と言う具合に、程良い種目・ポジションを獲得。これは、もう駆け引きの勝利。体力温存が最優先。当時は、ポカリ前で「練習中に水分取るな!」と言うトンデモ指導が罷り通っていた時代である。運動神経が良いだけの虚弱君が生き延びるには、必要な事だった。
指導する人間に取っては、不可解であっただろう。呑み込みが速く、抜群なパフォーマンスを見せるも、いつの間にか並みの選手で安定する。自分の指導の賜物と思える、一瞬のあの輝きは何だったのかと。はたまた、さんざん練習を休んだ結果、真面目に練習をしていた選手より、試合で結果を残す。クイックターンの特訓は何だったのか?ドーピングなのか?

身体能力以上の運動能力、成長途上の虚弱君が、これを維持するのは困難で、その負荷は「肘・肩・腰」に表れた。最初に肘を痛め、肘を庇う事で肩に負荷が集中した。恐らく、血流に問題が生じたのだろう。その結果、女子が顔・脚に顕れることを恐れる症状「浮腫み」が腕に起こった。指は曲げ難い、腕全体が重い、右半身が「お猿姿勢」運動は無理です。からだの左右バランスが崩れたのも影響しているのだろう、次は腰である。身体の要である腰。小学生にして「ぎっくり腰」を経験する。ウサギ飛び?危険なのでお断りします。
ここまでの事は、故障自慢では無い。警告なのだ。体の出来上がっていない、成長途上に於ける、過度の運動。そして、それに起因する体の故障。それは、適切な治療を行わない限り、一生涯を伴にする事になる。
幸いにして、肩については成人後、針治療で回復した。これは、是非とも皆さんの心に留めて頂きたい。「鍼灸師にゴッドハンドがいる」
彼は、体の表面をなぞる様にして、患部を突き止め鍼を刺す。「治る過程で、一時的に症状が重くなります」その言葉通り、帰りの運転に支障をきたす程、肩が重くなった。が、現在は小学生以来10年以上悩まされた症状が、顔を出すことも無くなった。
腰については、カイロプラクティックに通うなどしたが、現在も寄り添っている。腐れ縁。良いサポーターのお陰で凌げている。その私が今一度、問いたい「米国公認」とは何だったのか?(カイロプラクティックの看板にあった)

現代の子供達はどうなんだろう?適切な指導の元、体を動かしているのだろうか?そもそも、指導者に「子供の一生に関わっている」自覚が有るのだろうか?
私の場合は、指導者の無自覚・無知の被害者では無い。姑息な手段を用いて、被害を回避していた。あくまでも、行き過ぎた「自己の探究心」の結果である。そこに後悔は無い。

最後に、私が伝えたい事。それは、皆さんの予想通り
「鍼灸師すげぇ!」
である。

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