楽器屋さんの便利グッズ

それは、若い頃アルバイトしてた私だ。
幼い頃からの読書によって培われた「読書脳」それが私の本体だ。そもそも、専門学校をエスケープしてウダーラダーラと漂っていた時に、偶々立ち寄った楽器屋で「楽器屋さんの店員チョロいな」と始めた。「安物ギター・ベース・エフェクター」フロアと「録音機器・DTM・キーボード」フロアを行ったり来たりしていた。
当時は、MIDI規格が立ち上がったり、カセットテープMTR が出たりで、色々と楽しい時代。いまと比べたら、ハードルは高かった、コスト的に。
そこに現れたバイト君。商品知識の取り込み速度・的確な商品説明、相手がプロ・ミュージシャンだろうが外国人だろうが、常に真摯な接客態度を崩さないスーパーバイト君。あぁ、香水きついのは苦手で、態度に出ちゃってたかも知れない。

「ちょっと、ちょっと」
「何ですか、田中さん」
「○○マガジンのX月号に載ってたxxxって商品なんだけど…」
「あぁぁ…」ペラペラペラ「これですね」
「これですか?」「それです!」

何が行われたか?と言うと…。お客様が雑誌で見た商品について、田中さんに訊ねる。私呼ばれる。商品掲載ページを開く。お客様が確認する。ゴール!と言う流れです。
若い頃の読書脳は優秀でした。当時は意識してませんでしたが、便利です、確かに。ページのどの位置の記事かまで把握してました。
面倒な商品説明とか、高度な質問とか、外国人相手とか、良く呼ばれました。

思い出したので追記します。
当時の人気シンセサイザー「YAMAHA DX7」
周波数変調式音源と言う目新しいシンセで、一般的なアナログ減算式シンセとは勝手が違う為、音作りに苦労される方が多くいました。
そこに登場したバイト君、直ぐに把握して「おもしれー、これ!」分割払い購入となりました。それだけで終わらないバイト君、自分用に作った音色データを店頭で商品説明時に聞かせていたところ、評判が評判を呼び、楽器屋さんオリジナルROMとして商品化されました。
あこぎな楽器屋さん、後に他の会社に転売した様です。
私から買ったお客様が、使いたい音色を出せないのは申し訳無いので、販売されていた事に文句は無いです。皆さんも私の音色を、何処かで聴いているかも…。

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