工数管理に厳しくなりすぎてはいけない

作業を行ううえで、工数管理は必要な事かもしれません。
どの作業を、どのぐらいの時間に配分するかなど…

しかし、クリエイティブな仕事の場合、そうもいかないものです。
私の分野はWebサイトのコーディングですので、ややコーダー寄りの意見になります。

クリエイティブな仕事は工数が読みにくい

例えば大工さんが釘を打つ仕事なら、釘の本数を見れば、大体の時間は計算出来るでしょう。
釘1本打つのに何秒かかり、釘の数で計算すれば、打ち終わる大体の時間は予想できます。

ただ、クリエイティブな仕事の場合は、そうはいかないのです。
クリエイティブな仕事では、まず打つ釘の種類や本数が、わからない状態である事、どこにどのように打つのすら、わからない状況の中、作業を行います。
なにより、答えの出ていない段階で、自ら答えを考え出す必要があるため、工数などではとても計れないものがあります。

今後の基準を作る事は可能…だけど

最初から、どのぐらいの工数がかかるかは予想できなくても、一度行った作業に、どれぐらいの時間がかかったかは計測する事はできます。
そしてそれを基に、今後配分するべき時間や、1案件の相場を決める事はできるでしょう。

ただ、毎回これに沿った案件になるかは、わかりませんが…

工数ありきで作業していると…

工数ありきの作業だと、どうしても見積もりの取りやすい手段に落ち着いてきます。
つまり、デザインは一定のテンプレートから手を加えたもの、コーディングは一定の作業を要するものに変わっていき、結果として成果物に個性が失われてしまいます。

また、安く早いものが好まれる傾向にある以上、短かった工期に応じて、基本的な作業期間も短くなっていくという場合もあります。
極端な話、実作業期間が3日や5日になってしまうとなると、もはや現実的ではありません。

工数よりも納期を決める

最終的な答えの見えていないクリエイティブな作業において、作業者各々に工数を計算させるのは、現実的ではありません。
すぐに大体の工数を計算したとしても、意外と難しかった要素に直面して、遅れてしまう事も当然あります。

なので、工数を計算させるのではなく、納期を設定する方が理想です。
そうすれば作業者は、納期に応じて作業方法を考え、急ぐ案件であれば早く出来る方法で考え、余裕があればより最適な方法を考えられるでしょう。

ただ、納期は短すぎてもよくありません。
短ければ、それだけ焦って、効率化を図るよりも、そのままバーッとコードを書いていくほうに専念してしまうでしょう。

最終的には早く安い方が理想ではあるが…

工数を計るのは、最終的には、いかに早く、いかに安くを見積もれるかどうかになります。
しかし、早くを求めてしまうと、作業者の価値を低下させてしまい、安くを求めてしまうと、それだけ商品の質は落ちていきます。
また、業界単位で価格競争が起こってしまうと、結果的にその業界そのものの価値自体も低下させてしまいかねません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?