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きっと今度もすんごいから!『TENET テネット』劇場公開にむけてノーラン監督に打ちのめされ祭り中です

映画部の宮嶋です。

Instagramの「ストーリー」に、数年前の同じ日に自分が投稿した記事を再投稿できる機能があって、最近それに凝ってまして(5年日記みたいで面白いですよ)、それによるとちょうど3年前の今日、私は『ダンケルク』を観て「これすごい!すんごいーーー!!」と大興奮していました。まがりなりにも映画の世界の端っこで仕事しているのだから、もうちょっと言葉を尽くしてほしいですね(過去の自分へ)。

しかし、ことクリストファー・ノーラン監督作については、まあ、しょうがないよねーと思ったりもするのです。だって、本当にすんごいから。

映画ファンの方にはもう釈迦に説法のような話ですが、もしノーラン監督ワールド未経験のかたがいたら、最新作『TENET テネット』の劇場公開を前に、ぜひ知っていただきたい!ノーラン監督作品のすごさを!!

何がってまず、CGがキライという監督の映像へのこだわり方はレジェンド級で、とにかく口があんぐりしたまま喉まで乾燥しちゃうような、観ていて我を忘れるような、すんごい映像表現なのです。CGキライ、ってことは撮影も当然ダイナミックになるわけで、第二次世界大戦の前線を描いた『ダンケルク』では実際に当時の型の戦闘機を、しかもコックピットにIMAXカメラを積んでバンバン飛ばしたり、他人の夢のなかに潜入する『インセプション』ではパッと見はリアルなのに物理法則が変なことになっている“夢の中の街”を、実際にそういうセット組んで街ごと作ってしまったり(あの、ぐるんとロールする街、ほんとに回ってたんですね…!)、最新作でも実際に旅客機をビルにつっこませたりしたそうです(って、YouTubeでロバート・パティンソンが言ってました…)。なんとまぁ。つまり、いちいち「ホンモノ」なんですよねぇ。ホンモノの迫力、説得力、圧倒力。

そして、映像からの情報量がめちゃくちゃ多いのも特徴です。説明セリフや心情セリフがバッサバッサと排除されているけれど、その分、カメラがとらえる情報量は膨大で、観客は映像から浴びるように情報を受け取ることになる。さらに、構成も複雑で、時間軸もポンポン飛ぶのです。『メメント』なんて、「さっきのアレがいまのコレのあれで…あの人がこうなってたのはきっと後から出てくるけどそれは先で…」と、一生懸命あたまを動かしてパズルを解くようにら観なければいけなくて。入ってくる情報をひとつも見逃さない、聞き漏らさないように、目も耳もフルオープン、フル稼働なわけです。

しかも、そのテーマには、当たり前に思っていたことをガツンと覆されたり、今までの認識の曖昧さに足元がおぼつかなくなる感覚にさせられたり、不思議さにハッとさせられたりもする力があって…ちょっと形而上学というか、哲学的というか。『インセプション』の「夢と現実(そもそも現実って何?)」にしても、『インターステラー』の「時空と宇宙と生命の歴史」にしても、そう。脳みその新しい回路が開く感覚が、なんとも言えないず刺激的。(突然話が戻りますが、『インタステラ―』のあの巨大図書館もCGじゃなくて実際にセットを組んだらしいです…あれ大好きです)。

でも結局、映画館で観た直後は「すんごかった!!」しか言えない自分がいるんですよ…。それしか言葉が出ない。ただただ、面白かった、すごかった、というシンプルな感想。

でも、たぶんいいんです。映画館で映画を観るっていうのは「体験」で、それは言葉じゃなくて、自分の中に刻まれているものだから!

一方で、観た直後はその情報量の多さに、「すんごかったけど、全部理解できた気があんまりしない!」とも思っちゃうところもある。もしかするとノーランが込めたメッセージや映像に移しこまれていた情報をすべては飲み込めなかったのかもしれない、と。でもたぶん、いいんです。映画館で映画を観るっていうのは、スクリーンに映し出されるものに圧倒されるという、「体験」だから!

そんなわけで私は今、「もしかするとちょっと理解できてなかったかもしれないノーランのメッセージ」を再確認するために、配信で着々とノーラン作品を復習しております。たまに一時停止したり、巻き戻したりなんかしちゃって。そして、「ほー!やっぱりすんごいな、ノーラン監督!」と興奮しています。映画館で体験して、家で細かく確認して、で、やっぱり“すんごい”です、ノーラン作品。改めて。

さてさて、世界が待ち望んだ最新作の劇場公開を、週末に控えているわけですが!今回も、ホンモノの映像で、すざましい情報量で、構成も時間軸も複雑で、そしてめっちゃくちゃ面白いという前評判が聞こえてきています。私、「何これすんごい!!」と叫ぶ準備は万端です!


そんなノーラン監督作、未体験の皆さまも、体験済みだけれどもう一度打ちのめされたい皆さまも、よろしければ弊社でも配信中です。ぜひとも!


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