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自己破産したけど、何かききたいことある?

自己破産、、、したことありますか?

普通に生きていたら無縁なことかもしれません。私の場合は、お店の開業資金として借りた日本政策金融公庫からの借入と、フランチャイズ本部からの借入、各取引業者への未払いと、運転資金のために借りた消費者金融からの借入があり、自己破産をするに至りました。

正直、この時はとても悩みましたし、ご迷惑をおかけした方々へは、今でも申し訳ないという気持ちです。

ですから、こうして記事にして公開することに、若干迷いがありますが、当時の私だったら同じ境遇の方の経験談を読んでみたいと思ったはずですので、勇気を出して書いてみようと思います。

どういう流れなのか?

まず私は、『法テラス』というところへ相談に行きました。ここで弁護士の先生に事情を話すと、すぐにでも手続きを進めたほうが良いということになり、さっそく翌日には各債権者へ受任通知が送られました。

この受任通知が送られると、債権者は取立てができなくなります。私の場合は管財人がつきましたが、必要な書類は担当弁護士と管財人の方が粛々と準備するだけで、私は言われたものを提出するだけでした。

幸いにも、店舗設備に関しては、知り合いの飲食店オーナーの方が買取ってくださり、物件の原状回復費用は免れることができました。

法テラスへ相談をした日から、私のしたことといえば、お店の食材やゴミの処分と、必要書類を弁護士や管財人に提出したことぐらいです。受任通知が送られてからは、返済の催促状が自宅に届くこともなく、取立てが自宅や店に来たこともありませんでした。

従業員への未払い給料が1ヶ月分発生してしまったのですが、担当弁護士が国の弁済を手配してくださり、全額ではないですが支払うことができました。不足分については、正直に状況を説明して謝り、全スタッフに許してもらいました。

4ヶ月くらい経ったとき、一度地方裁判所に呼ばれて、「債権者集会」が行われました。簡単に説明すると、管財人が全債権者に日時と場所を通達して、債権者の言い分を聞くというような会です。破産者(つまり私です)は出席しなければなりませんが、債権者に出席の義務はありません。債権者がなにか言ったところで、戻ってくる金額が変わるわけではありませんので、ほとんど債権者は来ないそうです。私のときも、だれも来ませんでした。

債権者集会ののち、2ヶ月くらいしてもう一度裁判所に呼ばれて、私の場合は免責が認められました。つまり自己破産となったわけです。

メリット・デメリット

自己破産のメリット・デメリットは、ググれば同じような情報がたくさんありますが、それでほぼ間違いありません。けれども、すこし私の感じたことを書いておきます。

メリットは、もちろん借金がなくなることですが、1点注意しなければならないのは、税金は免責されません。ですから、破産手続きに入る前に、税金だけはちゃんと納税しておいた方が良いでしょう。

あと、借金がなくなっても罪悪感は残ります。食材を卸してくれていた取引業者さんとの日頃のお付き合いを、こちらの裏切りによって断ち切る結果となったわけですから。食材を持ってきてくれた際、ヒマなときには世間話や情報交換などをして仲良くしていたのですが、その人たちを裏切った罪悪感はかなり大きなものです。

デメリットは、自己破産の手続きが終了するまで引越しができないことでした。私の場合は、次の仕事で他県へ引っ越す必要がありましたので、手続き終了までの約半年、次の仕事までの繋ぎとして、アルバイトをして生活していました。

クレジットカードは作れなくなりましたが、デビットカードは作れますので、ネット決済などは問題ありません。もう10年近く経ちますが、今でもデビットカードのみでApple PayもSuicaも利用できています。

あと、破産手続きのための弁護士費用は、たしか20万円程度だったと記憶しています。この費用は、毎月引落で法テラスへ返済する形をとりました。

破産手続きが完了して裁判所をあとにする際に、担当弁護士から言われた一言が今でも忘れられません。

「次はありませんよ。一度免責を受けたら、次はよほどの理由がない限り、免責されません」

自己破産した後も飲食店経営を続けていたので、1,000万円近くまで累積赤字が膨れたときには、生きた心地がしませんでした。

以上が、私の自己破産体験談です。もし、現状行き詰まって、どうしようもないと感じておられる方が、この記事にたどり着いたなら、私は自己破産をお薦めも肯定もしませんが、私の体験を読んで、すこし落ち着いて考えられる、その一助になれば幸いです。

自己破産については、ネットで検索しても弁護士事務所の広告や、デメリット一覧がヒットするばかりで、私の場合は実態が掴めず迷ってばかりでした。いろいろと不安でしたし、自責の念に押しつぶされそうになるときもありました。

この記事で、一人でも救われる人がいればと願います。

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