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第5章:先生のお母さん

大好きな先生から「もうウンザリだ」との言葉を受け、半ば開き直りの心境で自分の病気と病状などを告白した私でしたが、先生は予想外の反応を見せました。「すぐに血液検査の結果が知りたい」と言ってきたのです。

先生がまだ小さい頃に両親が離婚したようで、先生は母親と母方の祖母によって育てられています。先生が何歳の時だったのかは分かりませんが、先生の母親はその後再婚したそうです。再婚相手の男性は元小児科医師でした。

風邪をこじらせた私は、先生のヨガレッスンを続けて休んだことがあります。私の身体を心配した先生は電話をかけてきてくれ、そのとき先生の継父と話しをする機会がありました。電話口で咳き込む私に対して、先生はこう言ったのです。「僕のお父さんは元医者なんだけど、ユミの風邪が気になるみたいだから少し替わるね」私が返事を返す間も無く、先生の継父の声がすぐに聞こえてきました。いま熱はあるかどうか、喉の腫れはどうか、また食欲の有無などをとても丁寧な言葉遣いで私に尋ねました。そして最後に、「特に問題は無いと思いますが、何か心配なことがあれば息子を通していつでも私に聞いて下さいね」と言ってくれました。気に掛けてくれるひとがいるという事実が、私の胸を熱くしました。

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