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17.初めての海外出張はLos Angels(ロス・アンゼルス)でした(その3:夜中のディズニー・ランドはガラガラで)

実はこのWinter NAMMの場所はディズニー・ランドのすぐそばだったんですが、ショーの会期中は行けるはずもなく、ショーが終わった日曜には一日カンヅメの会議で、ホテルの会議場の窓からの景色を眺めるだけでした。
 
実はそれまで日本でもディズニー・ランドには行ったことが無く、そこまで興味はなかったんですが、こうやってヒトがお仕事をしてるのに楽しそうに遊んでいる方々を眺めていると、やはりそれはそれは羨ましく思えてきます。
 
折角なんだから行ってみたいなぁ、と思っていたら、会議を終えて何人か晩御飯を食べている時に、
“They still open until 12 o’clock.”
なんとこの時期でも夜の12時まで開いているということを教えてもらって、食事ももそこそこに皆で駆けつけたのも良い思い出です。
 
10時を過ぎると結構空いてくるので、閉園間際まで次から次に乗り倒してきました。
当時は日本にはまだなかったSplash mountain(スプラッシュ・マウンテン)には、その時間になると誰も並んでいないので、通路を駆け足でぬけて連続して2回乗ったりしました。
 
2回目には『You may wet』(濡れちゃうかも)と書かれてた注意書きをあまり気にせずに一番前に乗り、結果頭から結構水がかかったのですが、1月とは言えいわゆる地中海性気候のアナハイムではそんなに寒く感じなかったですねぇ。

AnaheimのDisneyland


でも最初の方は良かったものの、がらんとしたところに数名だけという状況が続くと、それはそれでちょっと寂しいというか、やっぱりこういう場所は適度に人がいないとダメなんだなぁとは思いましたね。
混んでるのは勿論ヤなんですが、というゼイタクなお話。

この日曜夜中のアトラクションというか、会期中の唯一の娯楽は後年定番となり、日本からの出張者も増えてくると、何度目かの出張のボクは段々とツアコン的な立場になっていくのでした。
 
ある年、ショーの後の開発案件の打ち合わせが1日では終わらなかったことがあったのですが、ボクを含めた一部のマネージャーがいればよいので、日本からの若手のメンバーは2日目はほぼフリーということがありました。
 
前日までの英語での打ち合わせや会議から解放されて完全にお休みモードの連中が朝ご飯を食べながら、
「ディズニー・ランドはもう飽きたからKnott's Berry Farm(ナッツ・ベリー・ファーム)に行こう。」とツアコンのボクを置いてきぼりにするという不遜な企てを相談している奴らに、キミ達だけで大丈夫かと尋ねると、
「心配ご無用。遊びに行くだけでシゴトじゃないんだから。」
とのツレないお返事。

Knott's Berry Farm(ナッツ・ベリー・ファーム)


もう一人、エンジニアで2日目は必須ではないけれどという先輩がおり、
「イイよ、オレも残るよ。」と言ってくれたんですが、
 
「ンじゃ、ミーティング頑張ってください!」
朝食後に心にもないことを言いながら、その遊園地行きのバスに乗り込む連中を見送ってからホテルに戻ろうとしたとき、突然その先輩が、
「…。ゴメンっ!」
といってそのバスに乗ってしまったのでした。
 
窓を開けて、
「悪いなぁ、お土産買ってくるからさぁ。」
 
まあ、気持ちは分かりますけど。
 
その後の会議中に何度かタメ息が出たのは、たぶん会議が紛糾したからだけのためではないのでした。



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