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37. 上海で(その3:タクシーの話#1)

中国のタクシーはちょっと前までは運転席に特徴があって、厚いアクリル板でおおわれていました。
20年くらい前に北京で見た時には鉄パイプでした。
セキュリティーのためだと思うのですが、これは中国でしか見ないなぁ。

最初は随分物々しい感じがしましたねぇ

最近は新しい車も増えてきて、運転席のカバーもだんだん少なくなりました。
車種も増えてきましたねぇ。
 
2000年頃の北京のタクシーは他の国では見かけなくなった古い型のサンタナが多く、最初に2013年に上海に来た時もタクシーの多くはサンタナでした。
多分フォルクスワーゲンは当時から将来を見越して他社より先に中国に進出していたんだと思います。

今では車種は増えてきましたけど

ドライバーが皆めちゃトバす話は前にも書きましたが、中国のタクシーでは他にも色々と。
 
コロナ前の話になりますが、結構タクシー不足の様で空港でも長い行列に並びましたし、食事の帰りにタクシー乗り場に並んでいると、最新型に見える中国製のSUVが我々の前で停まり、何かと思うとこれがいわゆる白タクなのでした。
法外な値段を言うので、相手にしませんでしたけど。
 
一度ホテルから空港に向かうときに、途中で急に停まって、運転手が車から出て行ったので、トイレかなと思ったら、何かのお店の前の行列に並んでいます。
何しとんのかと思っていたら、紙袋を抱えてそそくさと戻って来て、エンジンをかけてこっちを見てニヤリとして何か言ったかと思うと中から肉まんを取り出してパクパク食べ始めました。

きっと朝ごはんがまだだったんだとは思いますけどねぇ

こちらは中国語はまるで分らないのですが、どうせ「ここの肉まん、美味いんだよねぇ。」とか言ってるんでしょうけど(何故だか、言葉はわからなくてもどうでも良いコトだけは何を言ってるかが分かるンですねぇ)と、呆れつつも文句を言っても通じないと思って黙ってましたが、その後も運転しながらペロリと4つ平らげてからまたこちらを振り返って二ヤリ。
 
ま、おかげで高速でトバすことはなかったですけど、でもこっちにも1つくらいくれても良かったよなぁ。
 
また別の機会に空港からホテルに着いて、支払いをしようとした時のこと。
料金が150元だったので、100元札を2枚渡したら、ちょっと間をおいて、100元札一枚をこちらに見せながら、もう一枚と催促する身振りをしてきました。
 
一瞬怪訝に思いましたが、どうやらボロうとしてることに気が付いたので、窓を開けてポーターを呼び、空港で両替した封筒を見せながら、
“Here is the receipt I got at the bank in the airport. I exchanged 2,000 Yuan. You see there is 1,800 Yuan in this envelope.”
(これ、空港で両替した時のレシートで2,000元あるはずの封筒に1,8000元しかないよね)
 
“ I gave him 200 Yuan but he is lying that he received only 100 Yuan. Would you call police ?”
(つまりこのドライバーに200元渡したんだけど、100元しかもらっていないってウソついてんのよ。警察呼んでくれない?)
 
これをポーターに伝えてもらうと首をすくめてお釣りの50元を戻してきました。
 
高額紙幣は数えながら一枚づつ渡すこと、というのは以前山下洋輔の本に出てくるニューヨークの白タクのマリオ(超演技派で、渡した50$札を20$札とすり替えられてダマされる話)の話で憶えていたので、おかげで1枚しか受け取っていないふりをしてこっちをダマそうとしていることはわかったのですが。
 
今ではクレジットカード決済がほとんどなのであり得ないことですけどね。

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