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ちょ〜男もつらいよ

母親の実家近くに戻ってきた、私たち家族。

家は、古い二階建ての借家でした。

玄関を入ると、土間今思えば10畳位あるでしょうか?元々農家さんのご自宅だと思いました。

土間から小上がりで、和室の居間にお風呂、トイレ、2階に和室が2部屋だったと思います。

転校生として、やってきた小学校は歩いて行ける所にあり転校してからは、また僅かですが仲の良い友達もでき母親の実家にいる、いとこ達とも年が近くいつも遊べる存在となりました。

田舎なので、時代性もありますが、遊びといえばザリガニ釣りやコマ、メンコ、虫をとったりと色々なことができましたので遊びに困る事はありませんでした。

とここの家では、かすかに親父の記憶があります。

ずっとはいなかったものの引っ越して最初だけいたような気がします。


あとは、両親がケンカしていた記憶…
それくらいです。

そしてすぐに親父はいなくなりました。


これもあとから聞いた話です。


親父は、

「ちょっと東京に買い物に行ってくる!」

そう言い残して出て行ったきり

帰って来なかったそうです。


そして今でも親父は、東京にいます。

あれから45年位経ちますが本人曰く

「俺はまだ買い物終わっていないから、まだ帰れない」

だそうです。


彼の買い物は、当分終わらないようです。

いや永遠に、終わらない買い物を続けているようです。


自分の親父がリアル寅さんだなんて知るのは、数十年を経過してから知るのでした。

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