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「深い呼吸とともに、より良く生きる」 ヨガ指導者・セーリィークリスティーナ美怜

3月の「女性史月間」にアンダーアーマーのWOMEN’Sプロジェクトチームは、5人の女性のストーリーをお届けしています。「スポーツを通して女性をエンパワーする」というテーマの下、こちらのnoteでは5日連続でインタビューの全編を掲載。どんな状況でもブレることなく、信念を持って自身の夢や目標に向かって進む彼女たちの姿を通して、スポーツのある生活の素晴らしさや、自分らしく生きることの大切さをお伝えできればと思います。

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第1回はこちら↓

第2回はこちら↓

第3回はアンダーアーマーと契約するヨガ指導者の、セーリィークリスティーナ美怜(みれい)さんです。美怜さんは、さまざまなジャンルのヨガに精通するスペシャリストであるとともに、コロナ禍ではいち早くオンラインでコミュニティクラスの講師を務めるなど、ヨガを通じた幅広いコミュニケーションに取り組まれています。ヨガをすることで、人生にどのような良い影響があるのか。ヨガの起源や世界観に触れながら、丁寧に説明してくれました。

(聞き手=山下かおる、撮影=源田類)

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セーリィークリスティーナ美怜
母の影響でヨガを始める。大手ヨガスタジオのトップインストラクターとして活動した後2020年にフリーへ転身。幅広いジャンルに精通し、ワークショップやリトリートなどのイベントを数多く主催するなどヨガの魅力を伝えている。「ミス・ワールド・ジャパン2020」のファイナリスト。

身体と心が変わり、ヨガに魅了されていった


―ヨガを始めたきっかけを教えてください。

母の影響です。昔、母が旅をしている時にインドでヨガに出会ったそうなのですが、私が物心ついた時には、いつもヨガをしていました。私は小さい時はバレエをやっていて、夜は母と一緒にストレッチをするのが日課。身体を動かす習慣が身についたこと、ヨガと出会えたことが今の仕事につながっているので、母にはとても感謝しています。

―ヨガで生きていく、という決断の決め手は何だったのですか?

大学生の時、ヨガスタジオに通い始めたタイミングで、本格的にヨガをするようになりました。身体も心も軽く、柔軟になっていった感覚をよく覚えています。呼吸が深くなったことで、気分的にもイライラしづらくなりました。そこからヨガにはまって、自分が体感したことを多くの人に伝えていきたいと思うようになり、ヨガ関連の事業を行う会社に入りました。


呼吸が深くなることで、マインドが変わる


―ヨガは誰にでもできるものなのでしょうか?

むしろ、ヨガをやっちゃダメという人はいません。老若男女、全ての人にとって効果があるものですが、アスリートには特に良い影響があると思います。パフォーマンスが上がったり、ブランクがあって身体を慣らすまでに時間がかかっていたのが、久しぶりでも順調に動いたり、という効果があります。体幹がしっかり使えるようになることと、呼吸が深くなることによるマインドの変化が、大きな要因だと思います。

―呼吸が深くなるということについて、具体的にどういうことか教えてください。

まず、ヨガはストレッチのように、ただ身体を動かしているだけではありません。息を吸う、吐くということ、つまり呼吸との組み合わせで行います。日常生活で呼吸に意識を向けることはあまりないと思いますが、ヨガはあらゆる動作に呼吸がひもづいているので、自然に意識が向くようになります。呼吸法を実践することによって、今自分がどういう呼吸をしていて、呼吸の深さがどのような状態にあるか、ということにも気づけるようになっていきます。呼吸のコントロールがうまくなると、それを浅くも深くもできる。呼吸が深くなると、緊張が緩まって身体がほぐれやすくなります。そして、呼吸と身体とマインドはつながっているので、深い呼吸とともにリラックスできるようになるのです。

―マインドの変化という部分では、実生活の中でどのような良いことがあるのでしょうか?

先入観や思い込みは誰にでもあると思いますが、そういった固定観念が外れやすくなるというのがあると思います。また、常に平常心でいられるようになりますし、たとえイライラすることがあったとしても、それをうまくコントロールできるようになっていきます。具体的な例を挙げるとすれば、緊張する仕事や人間関係で嫌だなと思うことなどがあった時でも、心を乱すことなく冷静さを保てるようになります。

マインドだけでなくフィジカル的な面でも効果があり、呼吸が深くなると体温が上がります。体温が上がると新陳代謝がよくなって、身体に多くの良い影響が出てくるのです。ちなみにヨガの世界では、人生の中で呼吸をする回数がもともと決まっているという考えがあります。人間は1分間に15回から20回の呼吸をしていますが、一般的にイライラすると20回を超えて、リラックスすると10回以下になると言われます。亀や象など長生きしている動物は、1分間の呼吸の数がとても少なくて、1分間に5回もしていません。そのようなことを考えるだけでも、呼吸をコントロールし、できるだけ深くした方がよいのではないでしょうか。

―本格的にヨガに取り組む前に、誰でも簡単に実践できるようなことはありますか?

出勤する前など短い時間でいいので、まずは呼吸を意識して無理のないポーズから始めてみるといいと思います。心がざわざわして不安定になる時があると思いますが、いったん静かな時間を確保することで、仕事により集中しやすくなります。今焦っているな、といった自分の精神状態にも気づくことができるのです。

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ヨガを通して人生はより豊かになる


―ヨガを始めるのをためらってしまう理由として、「身体が硬いから」、「かっこ悪いところを人に見せたくないから」といった声をよく聞きます。このような人たちにアドバイスをするとしたら、どんなことを話しますか?

私も同じような話をよく聞きます。「自分には無理だろう」みたいな、固定観念があるのかもしれません。そもそもヨガの起源は瞑想をすることで、最初から身体を動かしていたわけではありません。ヨガは誰にでもできるので、誰がやっちゃだめだとか、できないとか、そんなことはないのです。モデルさんが多くやり始めてから、敷居が高くなってしまったのかもしれません。身体が硬いという方については、「だからこそやるんだよ!」ということをお伝えしたいです。周りの視線が気になるという方についても、ヨガを続けていれば、だんだんそれが気にならなくなるはずです。ヨガは外に向いている意識を、自分の内側に向けていく練習なのです。

―ヨガは誰でもできるというお話がありましたが、例えばどのような人にやってほしいと思いますか?

働く女性のような、忙しくて時間がないという人にこそヨガをしてもらいたいです。 ヨガをすることで、緊張したりストレスがかかったりする場面でも、冷静さを保ちやすくなります。また、自分と向き合う時間が生まれ、身体も内面も変わっていくので、結果的に仕事のパフォーマンスにも良い影響が出るはずです。

―最後に、ヨガに興味を持っているけどまだやったことがない人や、新しい一歩を踏み出してみようと考えている人へ、メッセージをお願いします。

運動をする機会が減っている中、ヨガは身体を動かすスペースがあって、簡単な動きさえ覚えてしまえば、いつでもどこでもできるものです。ヨガには「オンザマットオフザマット」という考え方があるのですが、マットの外に出て日常へと戻った時、このスピリットが生かされます。 ものを大切にしたり、当たり前のことに感謝したりといった基本的なことで、マットの上(ヨガ)と日々のできごとがつながっていき、人生がよりよくなっていく感覚です。みなさん、日々の生活の中で、いろんなことに一生懸命取り組まれていると思います。頑張ることはもちろん大切なのですが、自分自身をいたわる時間とのバランスが大事です。自分をリフレッシュさせる時間、自分のための時間を取ることが必要で、その選択肢の一つがヨガなのかなと思っています。

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UNDER ARMOUR WOMEN’S「 私たちらしく、前へ」
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