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スペーストラベルは アンダーアーマーとともに

1969年、アメリカのアポロ11号計画で、ニール・アームストロング船長が人類史上初の月面着陸を果たしてから今年の7月でちょうど50年が経ちました。これまで、宇宙に行くことができたのは特別な才能を持ち、高度な訓練を受けた宇宙飛行士だけでしたが、時代は大きく変わろうとしています。ヴァージン・ギャラクティック社による民間人向け宇宙旅行はテスト飛行を成功させ、初フライトの時が今か今かと待たれている状況です。約2700万円という高額の料金にも関わらず、すでに全世界から600人を超える申し込みが入っています。

そして、この宇宙旅行における同社の専属パートナーとして、宇宙服の開発を担当したのが私たちアンダーアーマーです。

2人のイノベーターに共通するビジョン

私たちはこれまで宇宙事業に関わったことはありません。世界中にアパレル企業は山ほどある中で、なぜアンダーアーマーだったのでしょうか。その答えは、アンダーアーマーとヴァージン・ギャラクティック社に共通するビジョンでした。

アンダーアーマーの原点は、創業者であるケビン・プランク(写真中央)がアスリートをより良くするために作った一枚のシャツ。汗を吸って重くなり、肌にまとわりついて不快な感覚をもたらすコットンのシャツに代わる、吸汗性と速乾性に優れたそれまでにない全く新しいシャツを開発したことが全ての始まりでした。それ以来、今までに味わったことのない体験を人々に提供しようと、イノベーティブな商品を開発し続けています。ヴァージングループの創設者であるリチャード・ブランソン氏(写真左)もプランクと同様にイノベーションについて強いこだわりを持ち、今回の宇宙旅行をはじめとして、革新的なサービスを立ち上げてきました。

プランクは大きな成功を収めた今となっても、未だに店頭に立ち寄った際には「着心地はどうか」「どんな機能がほしいか」とお客様と直接コミュニケーションをとることで、そのニーズをどん欲に吸収しています。一方のブランソン氏もかつては気球で世界一周に挑んだ冒険家であり、70歳を過ぎた現在でも自身が世界初の宇宙旅行の乗客となるべくハードなトレーニングを積んでいます。新たなことに挑戦し続ける。そんな二人が結びついたのは、自然なことだったのかもしれません。プランクはパートナーシップについてこのように語っています。

プランク
「アンダーアーマーはアスリートの進化を促すために改善を続け、イノベーションを追求してきました。そこに誇りを持っていますが、これほどチャレンジングでエキサイティングなプロジェクトに携われる機会はめったにありません。 宇宙飛行は独特で、要求される内容も厳しいため、今までとは異なるアプローチが必要でした。今回、私たちの重要なテクノロジーを用いて開発されたものが宇宙服の未来を定義することでしょう。そして私たちアンダーアーマーを歴史的出来事の最前線に立たせてくれる、ということになります。このとてつもなく画期的なチャレンジにおいて私たちを信頼してくれたリチャード(・ブランソン)と、ヴァージン・ギャラクティックの素晴らしいチームに感謝をしています 」

アンダーアーマーのテクノロジーを結集

それでは、実際どのようにして宇宙服を開発したのでしょうか。まず、宇宙旅行は人体に大きな影響を与えるので、宇宙服は身体をしっかり保護する必要があります。同時に、顧客が無重力空間でも自由に動いて楽しめるよう、動きやすさが求められる。この二つの要素を両立させることに心血を注ぎました。

宇宙船は音速の3倍の速さで宇宙空間を飛行します。この時、身体にかかる圧力や体温調節などの課題をクリアするために、アンダーアーマーが持つすべてのパフォーマンス機能を統合しました。具体的には冷却、保温、吸汗、速乾、伸縮などの機能です。特に第二の皮膚とも呼ばれ、直接肌に触れるアンダーアーマーのベースレイヤーにおいて、血流の改善をサポートする「UA RUSH」の機能は、高度の飛行や無重力空間における血流のパフォーマンスを大いに助けてくれました。また、最新商品の一つである「インテリニット」というセーターに用いた繊維素材は、宇宙の寒さにおいても完璧な温度調節と汗管理を可能にしました。

肩のパッドや首回りなど、飛行中に高い重力がかかり、大きな衝撃がもたらされる部分には、アンダーアーマーのシューズに搭載している「HOVRクッション」を組み込みました。このクッショニングシステムは、もともとランナーが弾むように快適な走りができるよう、アメリカの開発センターで研究してきたものです。このクッションは、スペースブーツにも使用しています。ブーツはカーレーサーのシューズにインスピレーションを受けて、足の正確な形状に合わせて適切なフィット感を生み出しつつ、余計なものをすべて取り除いたシンプルなものにしました。無重力で浮遊しているときに周囲にひっかかることのないよう、滑らかなソフトブーツに仕上がっています。

こうして完成した宇宙服は、パイロットや宇宙服エンジニア、医療関係者などによる厳しいテストをクリアして、実際に宇宙空間で着用できるものへと進化しました。

ちなみに、私たちの大事なこだわりを一つ付け加えると、ジャケットの内側には透明なポケットが付けられていて、愛する人の写真が入れられるようになっています。


冒頭でご紹介した通り、宇宙旅行にかかるコストは、まだ多くの人にとって手頃なものではありません。しかし、技術が向上するにつれて価格はかなり低下していくと、ブランソン氏はコメントしています。サービス自体もより快適で、スタイリッシュなものへと洗練されていくでしょう。もちろん、アンダーアーマーの宇宙服も顧客の声を反映して、改良を続けていきます。

わたしたちは国境を越え、地球上から宇宙へと飛び出しても、革新的なプロダクトを生み出し続けることで「Under Armour makes you better」を貫きます。

近い将来、みなさんを宇宙空間でサポートできることを楽しみにしています。