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【考察】リトルホーン~異世界勇者と村娘~【感想】

単行本派の方はこんな経験をしたことがあるのではないでしょうか。

書店やkindleで「あ!ええ感じの漫画あるやんけ!」と手に取った単行本。
どうやら現時点で刊行されてる巻数は少なめ。数百円×この巻数なら買えるな~と購入し、おうちに帰ってさあ読むぞと読み始めたところーー

終わってるやんけ!!!しかも展開的に打ち切りっぽく終わってるやんけ!!!!!

またあるとき、表紙が刺さった、あらすじが面白そう、試し読みで続きが気になった、そんな理由で買った1巻までしか出ていない漫画。
まだかまだかと次巻を待ち続け、ついに待ちに待った続巻が出たぞと読み始めたところーー

終わってるやんけ!!!しかも展開的にry


そんな、そんな悲しい体験をしたことはないでしょうか。
私はつい先日しました。そう、タイトルにある漫画です。

【大悲報】リトルホーン2巻で終わり


は???????なんで????????

読んでもらうとわかるんですけど今(2巻終盤)一番面白いとこなんですよ。漫画に登場するある種族についてある真実が明かされたんですよ。主人公は女の子2人なんですけどこの真実を知ったうえでこの子たちはこれからどうなっちゃうのってとこなんですよ?

どうして…どうして… (´;ω;`)

そんなわけで2巻発売のうれしさ、展開の面白さ、打ち切りの悲しみでごちゃまぜな気持ちを昇華させたいために考察記事を書こうと思った所存。

まあ考察というか、リトルホーンの設定とか登場人物を自分用にまとめる用の記事なので、当然のようにネタバレを多分に含むので本編はいる前にリトルホーンのリンク貼っておきます。

表紙とか、あらすじとか、試し読みとか、「あ、今性癖ナイフ突き付けられてるな」って思ったらぜひ買ってください、ぜひ!!!



※※以下、多分なネタバレ含む考察もどき※※


さて、皆さんリトルホーンは購入されましたね。
あ、買ってないですか? 安心してください、ネタバレを読んでからでも面白く読めます(盲信)

リトルホーンの大まかな内容について

早速ガンガンネタバレしていきます。
あらすじくらいぼかして説明できんのかと思われるかもしれませんが、amazonの販売ページの説明文がこちら。

「狭き大陸」を恐怖に陥れた『魔王』が、異世界から来た勇者のチート技によって倒された。勇者に憧れる村娘のルカとリトルは、魔物に襲われたところを勇者ご一行に助けてもらう。村人が勇者を称え歓迎する中、勇者の取った行動がルカとリトルの未来を激変させ、異世界冒険バトルの扉が開くーー!

amazon:リトルホーン~異世界勇者と村娘~(1) (ヤングマガジンコミックス) あらすじ

これだけ。
1巻も2巻も同じ説明なんで、漫画の内容を話そうとするとどうあがいてもネタバレになっちゃうんですよね。ご容赦くださいませ。

んで公式のあらすじをもうちょいネタバレありで書くと、

「村に訪れた勇者一行に村民を皆殺しされた人間の”ルカ”と魔族の”リトル”が復讐の旅に出る」

という感じ。

ちなみに勇者一行が村民皆殺しにしたのは魔族(リトル含め3人)がこの村に住んでいたから。ちなみに村民たちはショート(ロングホーン)という魔族に洗脳されていただけで魔族をかくまっていたという自覚なし。なので村民は完全に巻き添え食らったかたち。
(ただ漫画を読み進めるとわかるけど匿ってようが匿ってまいが関係なかった)

余談

文字情報だけだとよくある復讐ものじゃね?ってなると思いますが、自分たちの家族含め、村民を皆殺しにされたという残酷な現実を受け止め、復讐を決意する2人の描写があまりにもさわやかで尊くて…「うわ、良…」ってなる。(amazonはここまで試し読みに入れた方が絶対いいと思う。)

幼い少女2人が知恵と強力な魔法を駆使して、それでも勝てないんじゃないかと思えるほど絶望的に協力な "チート能力" を神に賜った転生者たちをぶち殺しに行く。

これだけでも性癖に刺さりに刺さりまくる人はいるんじゃないでしょうか。


未消化・未回収のなぞについて考察

ちょっと考察と関係なく感想っぽくなったので閑話休題。
ここからは「リトルホーン1巻・2巻を読んだ前提」で「そういえばあの設定って何だったの?」というのを自分なりに考察(という名の走り書き)をしていきます。

魔族という存在について

いきなり2巻の特大ネタバレですが、魔族の本質は ”寄生体” であり、普通の人間に寄生体が宿ったものが魔族となる、ということが明らかになりました。
ただしこの情報は「最初は人間だったけど途中から魔族になった存在」から得られた情報のため、生まれながらの魔族(以下便宜上純血と記載)が存在しないことの証明には現時点ではならないはず。
純血の存在の根拠としてリトルのような「魔族を増やすことができる存在(寄生体を吐き出せる)」がいることを挙げたいけど、これはちょっと根拠として薄いかも…。
ただリトルホーン世界の魔族の概念って ”吸血鬼” と似ていて、自分を魔族にした存在とか、上位の魔族に対しては本能的?身体的?に逆らえないようになっているらしく、もしかしたら吸血鬼の ”始祖” とか ”純血種” みたいな概念も取り入れられてるんじゃないかなーというのが個人的な感想です。

繁殖方法が寄生体の授受ということは、それこそリトルのように寄生体を生み出せる大本の存在がいるはずだけど、これについてはリトルの出生が明かされない限りわからない。(移されて魔族になった個体からたまたま繁殖可能な個体が生まれるだけの可能性もあるし)

また作中でこの事実が明らかになった際に、この秘密を明かした張本人である ”サイミン(皆殺しにかかわった勇者)” がリトルに対して「エイリアン共が」と発言してるんですよね。
これに関しては単純に繁殖方法から連想してそのような発言をしただけかと思いますが、もしかしたら本当に外の世界から来た ”エイリアン” がリトルホーン世界の人間に寄生したのが最初の魔族となったという可能性もなくはないんじゃないでしょうか。


リトルホーンの世界観について

リトルホーンの世界について、最初は「ただのファンタジー世界」としか思ってなかったんですが、作中の描写で「ん?」と思うところがあったのでその点を殴り書き。

・この世界の魔族の立ち位置
リトルホーンで魔族がどういう存在なのかって、実はそんなに描写が多くなく、「人間を殺しまくってる」「魔王、ひいては王族という存在がいる(いた)」くらいの情報しかない。
またルカとリトルが住んでいたオラガ村の魔族3人の住処には「人類塵殺」と縫われた布が飾られていたりと、「人間に害意・殺意を持ったわかりやすく害のある存在」っていうことくらいしかわからない。

魔族がなぜ人間を害しているのかはその背景が描かれていないので現状は不明。2巻時点では本当に「わかりやすく」「害のある」「討伐すべき」存在として描かれている。

これについては「寄生体に操られてる説」と「実はあんまり殺してない説」、「リトルホーン世界がある種のゲーム舞台説」の2つがあるかなと思っている。

寄生体に操られてる説は単純に魔族に寄生している寄生体の本能に従ってるだけ。
実はあんまり殺してない説については、そもそも繁殖方法的に魔族が増える=人間が減るなので、その分人が死んでるように見えるだけなのと、魔族としてふさわしくない、いらない人間は邪魔だから殺しとこーみたいな感じだった説。(うーん雑)

・リトルホーン世界について
上の話で出た3つ目のリトルホーン世界がゲーム舞台説っていうのは、作中でちょこちょこ引っかかる描写とか発言があったから「そういう可能性もあるかな~?」と思っただけなので結構根拠の薄い妄想です。

1つ目の根拠が ”ナイトー(こいつも皆殺しにかかわった勇者)” の発言とリトルホーン世界に来た時の上位存在とのやり取り。
ナイトーの発言として「この世界ってVRゲームでしょ?」みたいなことを言ってる場面がある。これについては現実を受け入れられていないが故の発言として作中では書かれているんだけど、そのほかの根拠と合わせると、あながち「最初は妄言として描かれてた発言でも実は物語の核心をついてた」みたいなのって展開としてなくはないと思うんですよね。

あと ”ゲーム” 発言については ”タロー(村民を皆殺しにした張本人)” も勇者の活動について「ゲームみたいなもんだと思ってる」と発言している。
これも単純にタローのキャラ付のための発言だとは思うが、言及してる人が複数人いるとちょっと引っかかってきませんかね?

2個目の根拠として、ナイトーがリトルホーン世界に転生するとき、上位存在とやり取りをしているんですが、その際に「端末」とか「結果をリロール」とか、生き返ることを「端末を再起動」とか、結構システムチックな言葉で表してるんですね。

あとは先述の通り魔族があまりにもわかりやすく「悪者」なところ。
現時点の情報だけだと、ゲームのクエストのために用意されたお手軽な共通の敵みたいな感じがある。

以上、薄い薄い根拠のゲーム説でした。


キャラごとのメモ書き

こちらではキャラごとの気になった点とかをまとめて書いていく。

ルカ

推し。激かわ。以上。

リトル

本作の主人公の一人。魔族の女の子。
魔族を増やせる(魔族化させるための寄生体を生み出せる)存在=次期魔王でありながら、魔法を使うと魔法酔いを起こしてぶっ倒れてしまうという体質もち。
リトルについては出生について一切言及されてないからわからないけど、純粋な魔族として生まれながらこういった体質であったのか、もともと魔法酔いする体質であったにもかかわらず、魔族化後に偶然繁殖可能な個体になってしまったのかはわからない。
魔法酔いについては強すぎる性能(リトルは様々な強力な魔法が使える)の調整として付与された設定ではあると思うけど、物語上の整合性について、続巻で絶対語られたと思う...。
個人的に、リトルのルカへの感情は魔族としての性欲(繁殖本能)が同居しているだけで抱いているのは友情とか親愛だと信じてる。

ナイトー

「ダメージ無効」とかいうチートofチートを賜ってるクソ野郎。
まあでも中身が小5って考えるとクソ野郎は言い過ぎかもしれない。思春期拗らせ勘違いあんぽんたんに訂正しましょう。
転生時は ”マリ(転生前の世界の幼馴染)” を生き返らせる代償として肉体の「可能性」を失う=永遠に体が成長しない状態で転生させられたが、転生後の行いを見るに精神も成長しない制約かけられてるんじゃないか?と疑ってしまう。(そうじゃないならやっぱりコイツはクソ野郎呼びでいいと思う。)
転生後の行いとして、一応魔族の討伐をしたり人助け?をしたり一応勇者らしい行動もしているが、前世の幼馴染 ”マリ” への執着が消えず、助けた少女をマリのように ”キャラメイク” していたというような発言もしており、ルカとのセカンドコンタクト時も脚を切り取ろうとしたり反抗的な目を咎めたり、その執着っぷりが窺える。
2巻で両足が義足で勇者一行に恨みを抱いてるらしきキャラクターが登場するんだけど、義足になったのはナイトーが原因(キャラメイクされた)なんじゃないかと思ってる。

マリ

ナイトーの生前の幼馴染で足が不自由で車いす生活を送っている。ナイトーと同時にトラックにはねられて死亡した。
本人はファンタジー世界や歩ける体に憧れがあったため転生したかったが、ナイトーのお節介により現世に戻らされた。
最初読んだときは「また歩けない体に戻るの可愛そうだな…」と思ったけど、よくよく考えたら「生き返り(体は無事)」ではなく「事故時点の体に戻る」だった場合、そのまま現世で死んでしまう可能性もあるということに気づいてからはもう本当に不憫でたまらなくなってしまった。
とりあえず現世には新しい親友のユウちゃんもいるので、いい感じに生き返って脚とかも現代技術で都合いい感じに治ってくれと願わずにはいられない、読者全員「救われててくれ…」と思ってるであろうキャラ。

ショート/ライト

オラガ村ではリトルと ”三姉妹” という設定で暮らしていた魔族の2人。
(ショートが長女、ライトが次女という設定)
実際の2人には主従関係?序列?があり、ライトの回想でショートは ”ロングホーン司教猊下” と呼ばれており、「魔族にとって序列は絶対だ」という文言と一緒に2人がまぐわってるシーンも描写されていた。
このシーンについては「ショートがライトに寄生体を植え付けた(だから植え付け主には逆らえない)」と「序列が絶対が故に逆らえないからいいようにされてる」の2通りに解釈できるかなと思う。
前者の解釈の場合、さらに「ショートも寄生体を生み出せる」と「ショートは魔王から賜った寄生体を代理で植え付けていただけ」の2つの解釈ができる。
この辺から魔族における寄生体を生み出せる魔王候補の希少性とか ”王族” になれる基準とか魔王以外の役職(少なくとも司教とか教会関係の概念がある)についての妄想がとてもはかどる。

タロー

オラガ村の村民を実際に皆殺しにした勇者。
能力は不明だけど皆殺しの際は剣でルカ・リトル以外の全村民の首を一刀両断した。また「ナイトー(ダメージ無効)にダメージ与えられるとしたらタローしかいない」みたいなことが作中で言及されていたと思うので、攻撃特化能力の中でも最上級の能力を持ってると思われる。

サイミン

その名の通りスマホでのサイミン能力を持つ作中でも屈指のゲス野郎。実は最推し。
「13歳以下には手を出さない」「合法勇者」と発言しているので、転生前は高校生くらいかなと思う。
(※後日作者様がサイミンが転生したのは性行同意年齢引き上げ前ですとのツイートあり [2023/07/01追記])

傍若無人、酒池肉林とかその辺の4文字熟語が似合うキャラクターだけど、ルカに情けをかけて催眠能力なしで説得を試みたり、実は自分の能力に対してコンプレックス?のようなものを抱いてる繊細さがあったり、なかなか私のツボを押さえられたキャラだと思う。

おわり

なんかいろいろ書いてたらアホ長くなってしまった。
とりあえず私から言いたいのはリトルホーン読んでくれ!ってことだけです。
あとあわよくばkindleで☆5評価付けたりどっかの出版社に届けと祈りながら作者様のツイートをリツイートして拡散したり奇跡が起こって続巻出たらいいなと思ってるだけです(強欲)

2巻読み終わったときは「え、おわり?まじ?」って感じで放心してガチへこみしたりしてたんですが、この記事書いてたらちょっとは2巻終了の現実を受け止められたので良かったかなと思います。(でも続巻は欲しい)

以上、大長文お付き合いいただきありがとうございました。





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