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人生の大決断その3・年収いいところを蹴って今の会社に入社

前職はうつ病で辞めた。人間関係が良かったので、障害者雇用枠を設けてもらって働き続けたいと考えていたが、金銭的に厳しくて無理だった。
毎月手取り13万くらいが振り込まれる給与明細を見て泣く。それが辛くて、抜け出したくて、今後のことが何も決まってないのに突発的に辞めた。今思えば抗うつ剤の副作用だったかもしれない。

辞めると決めてから最終出社日まで1ヶ月半。まだ障害者枠で働くか一般雇用で働くか決めかねていて、両方で転職活動を開始した。
一般枠は転職サイトに登録して自分で応募したり、エージェントとの面談。
障害者枠の方は自分で良い求人を見つけるのが難しくて、エージェント2つに任せることにした。

最終出社日には先輩からお花をもらった。この環境を辞めるのが本当に惜しくて、職場を出てから泣いた。
退職手続きのため別の事業所に行く必要があり、そこで障害者雇用枠の設立を進めてくれていた方がいたのだが、その方が中々帰してくれないし無理矢理連絡先を交換させられて別の意味でも泣いた。

退職してから怒涛の転職活動が始まる。最終出社日の次の日には面接3件が入っていた。全てリモート面接だからできる所業だ。でも1日に3件もするもんじゃ無いなと今は思う。めちゃくちゃきつかった。
この頃には、やっぱり今の私には一般雇用で働ける自信がないなと気持ちが固まり出して、一般雇用への応募は控えるようになった。ここで困ったのが一般枠のエージェントへの対応だ。
カウンセラーに勧められるがままに大量に応募した私は、さすがITエンジニア不足、8割方書類選考に通ってしまって、面接をめちゃくちゃ急かされるようになった。とは言っても1日は24時間。障害者枠のエージェントからの紹介求人の面接もあって全く手がつけられなかった。うつ病であることはカウンセラーにも伝えていたし、選考先にも連携してもらっていたが、正直精神的にきつい。このエージェントには転職活動を休止したい旨を伝えた。しかし、辞めさせてくれない。「今進んでいる選考をやり切ってからにしましょう」と。それができそうにないからお願いしているんだが。
結局、申し訳ないが無理矢理退会した。カウンセラーに勧められるがままに受けまくるのはあまり良くないなと思った。

そこから障害者枠のエージェント2社に絞って活動を続ける。障害者枠はそもそもがそこまで求人数が多くないし、ある程度選考が進んでいる企業もあったので精神的にも安定した。

最終出社日から1ヶ月経った頃、最終面接結果待ちが複数社となった。
結果を待ちながら、その時私は2社で悩んでいた。
ひとつは建設業の社内SE。社員さんの雰囲気も良かったし、何より年収が一番良かった。お金に苦しんで辞めた身としては理想的な環境かもしれない。フルタイム8時間。基本リモート勤務だった。
もうひとつも社内SE。こちらは面接がとても良かった。一次面接が障害者雇用専門の人事担当者、二次面接が現場担当者だったのだが、どちらもとても印象的だった。
人事担当の方は障害についてより掘り下げて質問してくれた。定番質問である「障害内容」「それに対する対処法」だけでなく、「障害を持って困ったこと」「障害を持ったことによる不安」についても深く掘り下げて質問される。時折答えに詰まることもあったし、この話きついなと思うこともあったが、自分でも気づいていなかった思いを知ることができた。
「障害を持ったことによって、価値観の断捨離をしなければならなくなった」と返したのは自分でもびっくりした。今までの「普通」という価値観を捨てなければならないと思って発言した内容だ。
また、不安については「誰でもそうかもしれないけれど、周りに障害を持ちながら働いている人がいないから、先が見えないこと」と素直に答えられた。新卒時代の就活も長引いてたくさん面接してきたが、こんなにコミュニケーションを取った面接は人生初めてだった。
2次面接も印象的だ。文系未経験、プログラマー歴2年11ヶ月。いわゆる第二新卒レベルだと、新卒の時と同じような質問をされる。でもこの会社は違った。ITの仕事についてみて、今どう思っているかについて深掘りされた。特に記憶に残ったのは、「文系からITの仕事について、ギャップがありましたか?」という質問。この質問のハイライトは、話している間に質問の内容が飛んでしまいもう一度聞き返して笑われたところなのだが、私は「これまでシステム障害のニュースを見ても、いちユーザーとしての感想しか持たなかったが、仕事をしてわかることが増えるごとに何が原因なのか気にするし、わかるようになってきた。でもITの知識がない人は以前の自分のような感想しか持たないだろうし、わからないと思う。そこのギャップが怖いと感じる」と、答えになってるのかなってないのかわからないような返答をした(笑)。この時タイミングがタイミングなだけあって、某銀行の話で盛り上がった。とにかく、密なコミュニケーションができた面接だと感じたのだ。
年収はひとつ目と比べて70万ほど下がる。でもフルタイム7時間。こちらもリモート勤務だ。
年収を取るか、面接での印象をとるか非常に迷った。

最終的に内定は6ついただいた。そして、面接が良かった会社に決めた。年収を蹴ったのだ。

あれから1年半以上経った。たまに、今の会社に入ったのは失敗だったのかな?と不安に思うこともある。未だに正社員になれていないし、今後この仕事を続けていけるか自信がないからだ。
でも、やっぱりあの面接のことを思い出すと良かったと思うし、自分が出した決断だから正解にしていこうと思える。
とりあえず今の目標は正社員になることかな。

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