【フタリソウサ】箱の中の猫【リプレイ】Part 3

>>Part 2

これまでのあらすじ
捜査官マーゲイの失踪にブラッドスター家が関わっていることをサイバネ式に直観したサイボーグ探偵ガイ。彼は助手のマッドサイエンティストバッドフェイスと共に捜査を開始した。どうやら麻薬ブローカーのクロウがマーゲイを追っているようだ……。

捜査フェイズ(1サイクル目、バッドフェイス)

ガイ:シーンプレイヤーの順番はどっちからでもいいんでしたっけ。
GM:それで大丈夫ですよ。
バッドフェイス:じゃあバッドフェイスがシーンプレイヤーやりましょうか。
ガイ:お願いします。
GM:じゃあまず異常な癖を振りましょうか。
ガイ:異常な癖ってシーンの度に振るんだっけ?
バッドフェイス:そうですね、確か。
ガイ:シーンプレイヤーじゃなくても捜査フェイズ中は振らなきゃいけないんでしたっけ。
GM:探偵がシーンに登場しなかったとしても行ってください。
バッドフェイス:探偵が居なくても振ると。
ガイ:「パートナーと……表」の4。
バッドフェイス:パートナーに自慢する。
ガイ:自慢する?
バッドフェイス:感情無いのに!?
ガイ:自慢かあ。じゃあ車で次の現場に向かっているところでいいですか。我々は恨みを買うことが多いので唐突に銃撃を受けることもあるんですね。それを察知して飛んでくる弾丸に向けて銃を撃ち、弾丸を貫通して襲撃者を撃ち殺します。ダーンッ!
GM:弾丸の入射角と全く同じ角度で撃っていくわけですね。
ガイ:そう。
GM:恐ろしい神業ですね。それで?
ガイ:銃口の煙をふうってやって……っていう一連のアクションを自慢相当にしてください。
GM:感情はないけど神業をついつい披露しちゃうと。だって命が危なかったですからね、厚木において。
バッドフェイス:「今のが誰なのか確かめなくていいのか」
ガイ:「知れたことよ」
GM:「知れたこと」、ちょいちょい武士が。
一同:(笑)
ガイ:「そこに転がっている敵の弾丸の破片を見てみろ。顔の半分が機械化された北欧系の男の刻印……鋼鉄のオーディンだ」
GM:弾丸一つ一つに手作業で彫られている。全ての弾丸がオーダーメイド製という鋼鉄のオーディンの弾丸ですね。
ガイ:この世界では組織の凄さを如何に見せつけるかというのがすごく重要な考えなんですよ。必ず組織の関与を示すような証拠品を残すんですよ、現場に。
GM:はいはいはい。「うっ、この弾丸は!」ってなるわけですね。
バッドフェイス:なるほど、名刺代わりな訳ですね。
GM:ガイさんが真正面から撃ち抜いちゃったせいで、機械化された男の顔が大変ひしゃげて不細工な感じになって、これは鋼鉄のオーディンのメンツは丸潰れなことでしょう。
ガイ:異常な癖終わりです。
バッドフェイス:ディテールが。
GM:車中が煙臭くなっちゃいましたけど鋼鉄のオーディンのせいですね。シチュエーション捜査ですかね、シチュエーションを決めていきましょうか。たまり場で休憩もできますけど。
バッドフェイス:捜査をしたいと思います。
GM:2重カギ括弧が重要キーワードです。
ガイ:何個あるか言っていいんですか?
GM:良いですよ。
ガイ:2個あります。
バッドフェイス:どこかで2回フタリソウサしないといけないってことですね。
ガイ:全部で何個あるかも言っていいんだっけ?
GM:いい感じのロールプレイしてくれたらいいよ。
ガイ:むずいな。
GM:GMだって難しいんだ。
ガイ:追々出してくよ。まだクロウのことしかわかってないから。
GM:じゃあシチュエーションを決めていきましょう。バッドフェイスさんは、まずどういう風に動いていくことにしたんでしょうか。気になるところです。
バッドフェイス:どうせ荒事の方からやってくるんで、シチュエーション表の「向こうから」を振りたいと思います。
ガイ:なるほど。
バッドフェイス:1D6します……「知り合いから」
GM:「知り合いから」。ちょっと待って下さい。GMのスーパー大喜利タイムなんですね。理解しました。前々回のGMは大変だったんだな。

※前々回とは、バッドフェイスの人がGM、ガイの人がPL(助手)、今回不在の人がPL(探偵)で、サンプルシナリオ1を遊んだときのことと思われる。ただ、あの時はPCが女子高生コンビだったので今回よりGMの心労は少なかったはず。

GM:じゃあ、先ほどの厚木警察署からバッドフェイスさんの方の携帯に連絡が入ります。
バッドフェイス:はいはい出ます。
リン(GM):「もしもし、バッドフェイスさんですか?」
バッドフェイス:「ああ」
リン(GM):「お世話になっております。私厚木警察署のリンです。先ほどはお越しくださいましてありがとうございました。先ほどお伝えしそびれたことがありまして、ガイさんの携帯端末にも電話させて頂いたんですけど、お出になられなかったので、もしかしたらお忙しいのかなと思いまして」
バッドフェイス:「ああ、運転中だ」
リン(GM):「それは失礼致しました。ではバッドさん、お時間よろしいでしょうか?」
ガイ:交通ルール守ってる、この世界で。
一同:(笑)
バッドフェイス:(ガイが)自分の携帯出ないから。
GM:確かに。警察としても大変印象が良いですね。相方の評判を上げていく。これは巨大な感情です。
バッドフェイス:「聞かせてくれ」
リン(GM):「先ほど皆さんに来て頂くちょっと前なんですけれども。ネット掲示板ですね……ご存じの通り厚木は独自のインターネットになってるんで、外部からは参照できず、外部の警察署にも協力を要請できないところなんですけれども。厚木裏インターネットの掲示板の恨みつらみ板(ばん)……恨みつらみ板(いた)のところにちょっと気になる書き込みがございまして。真偽のほどは定かではないんですが、今回の事件に関係があるのかなあと思いまして。もし時間があったらでいいんですけれども、調べて頂けたらなあと思っているんです」
バッドフェイス:「なるほどな」
GM:バッドフェイスさんのLINEに裏厚木掲示板の恨みつらみ板のスレのURLが送られてきます。
バッドフェイス:「今受信したみたいだ」
GM:そこにはですね。このTRPGやると頭がよくなりますね。ブローカーのクロウさんと思しき人物からの書き込みがございまして、どうやらなんかやべえことしたっぽいことが書いてあります。友達の友達の夫の兄から聞いたんだけれども、みたいな感じで全然あてにならないんですけれども。これは《情報》で振ってみて頂ければと。
バッドフェイス:持ってない。
ガイ:《情報》持ってる。
バッドフェイス:お、すごい。
バッドフェイス:2D6で振ります。だめだ。
ガイ:成功。
GM:スペシャルが出ましたねえ。
ガイ:ほんとだ、6出てる。6が一個でも出てればいいんだっけ、スペシャルって。
GM:そうです。スペシャル出た場合ってどうするんだっけ。
バッドフェイス:余裕を1点回復だけですね。
GM:助手の余裕が1点回復されると。バッドフェイスさんはわからなかったようですが。
ガイ:ガイは今の一連の会話を小耳に挟んでいる。
GM:お。すごいですね。耳もサイバネ化されているんでしょうか。さっきの話すらも聞こえてしまっていると。
ガイ:サイバネイヤーは地獄耳。
バッドフェイス:ページのソースをガイに有線接続で送ります。
GM:LANって便利だなあ。
ガイ:じゃあ、その端末にガイがアクセスして、その端末からインターネットに接続して調べた感じですね。
GM:ガイさんはですね、この書き込みが実は縦読みで構成されていることに気付きます。
バッドフェイス:(笑)
ガイ:「ふむ、古典的な手法だな」
バッドフェイス:そうなんです。縦読みでした。しかも3文字目から縦読みしていくという。
ガイ:「3文字目から縦読み。なかなか手の込んだことをする」
GM:なかなか気づかないですけどね、サイバネアイから逃れられなかったようです。
ガイ:失われた情報隠匿技術。
GM:知ってたカード、1個増えます。
ガイ:知ってたカードが増える?
GM:あ、キーワードです。
ガイ:「知ってたカードが1枚かと思ったかね」だと困るなって思った。
GM:大丈夫です。
ガイ:知ってたカードの裏面があります。(裏面はありません)
GM:どうやらブラッドスター家が関わっているようだという話が先ほどありましたけど、そんなザルじゃないんです、さすがのブラッドスター家は。各部屋にはちゃんと撃退するための対策がしてあるわけですね。

ガイPLにだけキーワードが送られる。

ガイ:なるほど(笑)
GM:お、なるほどですか。GMは何もなるほどできないです。
ガイ:なるほどじゃないな(笑) ほう、じゃあ、なるほどって……。なるほどなのか? ちょっと待ってね。「ほう、そういうことか。繋がって来たぞ。俺の電子回路がバチバチ言ってる」
バッドフェイス:「お?」
ガイ:「新型薬物のブローカー、クロウ。奴が関わっていると言ったが、奴は何らかの目的でブラッドスター家に行って、そこで偶然マーゲイと会ったんだ」
バッドフェイス:「おお 」
ガイ:「そして理由は不明なんだが、マーゲイを捕まえようとしたようだな。だがそのときにクロウはへまをやらかしたんだ。ブラッドスター家に設置されている無慈悲な殺戮トラップ、超高圧ウォーターブレード、それによって足を負傷してしまったようだ。クロウという男は」

キーワード③:超高圧ウォーターブレード

GM:大変だ。
ガイ:「クロウはこれをマーゲイの仕業だと思い込んでいて、だから恨んでいるんだ」恨んでいるんだ? ちょっと待って、こことここの話の繋がりがわからないな。超高圧ウォーターブレードはブラッドスター家の中にあるトラップでいいんですか?
GM:はい。揉み合ったり、逃げたりしてるところに後ろから飛んできた何かが彼の足を熱くしたわけですね。超高圧ウォーターブレードにより、クロウさんの足はおそらく今真っ赤な……
ガイ:切断まではいってない?
GM:切断までは幸い行かなかったようです。クロウさんもさすが実力者ですね。しかし実際逃げていたクロウさんはそれを誰が撃ったかなど全く考え及ばないわけで、「あの野郎ーっ!」となっているんじゃないか、と名探偵ガイさんは踏んだのであった。
ガイ:「参考までに、クロウが病院にかかった時の写真を今のアクセスでくすねてきたぜ」
GM:やべえ。
ガイ:車の中のカーナビめいた装置のディスプレイに写真を表示します。
GM:R15くらいのグロ画像が出ますね。なかなかえぐいですね。
バッドフェイス:「この足を見ると、そうか、大体こういう角度でこう発射されて……」という風に分析を始めます。
ガイ:「超高圧ウォーターブレードか。一般の散水機に紛れて仕掛けられるかなり低額で手に入るトラップとして有名だな」
GM:天井に設置される所謂スプリンクラーに見せかけて、めちゃくちゃ凄い圧が出ます。
ガイ:そっちか。火事のスプリンクラーに偽装したやつなんですね。了解です。
GM:頭上から水の刃が襲い来るわけですね。部屋が大変赤くなっちゃっても、ちょっと出力弱めれば洗い流せるという。この厚木においてもベストセラーを記録してるんです。貴重な真水を使うんでちょっと値段は張るようですが。
ガイ:なるほど、設置のコストはそれほどでもないけど運用コストが結構かかるんですね。
GM:ブラッドスター家やべえわ、という1つの象徴となっているのでございます。でもベストセラーです。大変便利な。
ガイ:「この町の水資源の1/3を牛耳ってるブラッドスター家だからこそ利用できる設備なわけだな」
GM:マーゲイさんはそんなウォーターブレードから逃げ切ることはできたんでしょうか。わからないところですけれども。

捜査フェイズ(1サイクル目、ガイ)

GM:じゃあガイさんがシーンプレイヤーでやっていきましょうかね。異常な癖おねがいします。
ガイ:1D6……1来ちゃったよ。
GM:また鋼鉄のオーディンですか。
ガイ:敵対勢力の襲撃を受ける。秘密結社「鋼鉄のオーディン」が刺客として第4世代型サイボーグを送り込んできたのだ。
GM:「ウイーン、ガシャンガシャン。俺は第4世代型サイボーグだ。ガシャンガシャン」
ガイ:「鋼鉄のオーディン、とうとうサイボーグまで寄越してきたか。バッドフェイス、ここは俺に任せろ。お前は次の調査地へ急ぐんだ」
GM:デロリアンから良い感じにゴロゴロゴロと飛び出したガイさん。第4世代型サイボーグに単身向かっていくことでしょう。
ガイ:トレンチコートの中に仕込んだ機関銃を取り出してズガガガガンと撃ちながら第4世代型サイボーグに向かっていきます。
GM:第4世代型サイボーグ、第4世代型ってくらいですから、バージョン4.0ですからだいぶ固いんじゃないでしょうか。
バッドフェイス:3世代上ですからね。
ガイ:「並みの火器では効かないか」
GM:第4だからね、ワンパンはされないですよ。
バッドフェイス:そこにバッドフェイスから通信を入れましょう。
ガイ:「バッドフェイスか、どうした」
バッドフェイス:「あんたの腕をメンテナンスしたときにひとつ面白い仕掛けを追加しておいた」
GM:(笑)
ガイ:「ほう」
バッドフェイス:「丁度、第4世代と戦うデータも欲しかったところだ。そいつを起動してみてくれ」
ガイ:「わかった」と言って、右手のボタンをピッピッピッと押して、ガシャコーンって右腕が変形します。
GM:みんな大好きガシャコーン。
ガイ:「これは!」これはどんな武器なんですか。「これは一体なんだ!」
バッドフェイス:これは厚木に舞っている様々な砂などの細かいものを瞬時に取り込み高質化した、ブレードめいた兵器ですね。
ガイ:「なるほど、さしずめ砂塵ブレードといったところか。気に入った!」ガシャンとレバーを引いてブイーンと起動して、周りの粒子を吸い込んでいって徐々に刀が形作られていきます。「こりゃいい」脚部パーツの出力を高めて一気に距離を詰めると、第4世代型サイボーグの胴体を真っ二つに切り裂きました。
GM:この厚木に舞う砂ぼこりであるとか、堆積した小石やら砂やら弾丸は無限大にあるわけですから、刀身を作るための。ばらばらに切り刻んでいくことでしょう。強いぞ砂塵ブレード、すごいぞ砂塵ブレード。なんなんだこれ。
一同:(笑)
GM:すごいですね、さすがはバッドフェイスさん。
ガイ:「助かったぜ、バッドフェイス。お前の腕はやっぱり一級品だな」
バッドフェイス:「そうかい、今スターバックスにいるから早く来てくれ」
ガイ:「わかった」スターバックスへ急いで向かいます
バッドフェイス:多分ブラッドスター家がからんでるんでしょうね。
GM:そうですね。赤いですね、緑じゃないですね。
バッドフェイス:スターバックスだから。一番安全な喫茶店なんですね。厚木で。
GM:バッドフェイスさんはそこで、ソイレントミルク入りのコーヒーを飲むんでしょう。牛居ないんで、厚木に。牛居ないんでソイレントするしかないですね。
バッドフェイス:そっか。ソイの隣にソイレントがある。
GM:ソイ、めっちゃ高いんでね。ソイレントは便利なんですけれども。
ガイ:ソイレント(笑)
店員(GM):ミルク無いんですけど、ソイとソイレントどっちがいいですかね。
ガイ:ソイレントは、現実のソイレントですか? 映画のソイレント・グリーンのソイレントですか?
GM:それ言っちゃいけないやつなんですよ。やせ細った男の子が、「ママー、ソイレントってなに?」って聞いてるんですけど、親子ともども店員さんに裏の方に連れていかれました。
ガイ:そっかー。ブラッドスター家、結構手広くやってますね。
GM:そうですね。ソイレントを作るくらいですから。
ガイ:食品産業に手を出してるのはだいぶ強いね。
バッドフェイス:強いねー確かに。絶対必要だから。
GM:この親子がたどった数奇な運命についてはまた別のシナリオで。ということで、何の話だ。ここまでやって奇妙な癖だけなのか!
一同:(笑)
ガイ:スターバックスに着いたところで、シーン表的なやつ? 選ぶんですか、表は?
GM:選んだうえで振りますね。
ガイ:いま手元にルルブがない。(ルルブを実家に置いて来てしまった)
バッドフェイス:シーン1個終了したから探偵に1個感情を獲得しときます。さっき何したっけ。あ、そっか、「有線接続なところ」を気に入りました。
一同:(笑)
ガイ:何表があるんですか?
GM:シチュエーション表は、「現場にて」、「なぜ?」、「協力者とともに」、「VS容疑者」。
ガイ:容疑者出すか。クロウに出てきてもらおうか。「VS容疑者」表いきます。2が出ました。
GM:VS容疑者で2、ゆさぶり。物理的にやらないでくださいね。どういった内容かと言いますと、容疑者と接触してゆさぶりを掛けてどのような反応をするかでキーワードを導き出すシーンでございます。先ほどの路地裏の情報から、そしてガイさんの類い希なる情報検索能力によって、クロウが潜伏しているアジトを突き止めましたね。
ガイ:クロウが潜伏しているアジト、どこにあったのかな。スターバックスの向かいのビルかな。
GM:なるほど、バッドフェイスさんがさりげなく誘導してくれたのかもしれません。
バッドフェイス:なるほど。
GM:キーワード選んでもらえますか。
ガイ:キーワードはね、②?
GM:②は重要キーワードですね。
ガイ:本当だ、カギ括弧が二重になってる。じゃあね……
GM:事実上⑤しかないかな。
ガイ:そうだね、⑤行きます。
GM:クロウさんがその雑居ビルの一室。「もはや誰も使ってないでしょこんなところに……っておるんかい!」って感じで奥の方にこんなボロボロの雑居ビルには似つかわしくない小綺麗な身なりをした男が立っています。
ガイ:部下とかが見張ってたりしますか?
GM:それはまだわかりませんねえ。
ガイ:まだわからない。とりあえずビルには入りましょうかね。
バッドフェイス:そうですね、入りましょう。
GM:じゃあクロウさんは窓からすっと身を隠します。彼がいたフロアはみなさんご存じですので、そこにドカドカと。
ガイ:クロウの潜んでいるであろうフロアまで階段で行きます。
GM:はい。さっき脚力強化したばかりですからね。連続使用は危ないですね。
ガイ:そうですね。駆け上ったりはしないで普通に歩きます。フロアまで辿り着いて、普通にドアを開けて中に入ります。鍵がかかっていたとしても強引にドアノブをねじって何事もなかったかのように開けます。それは至って紳士的に静かに開くんですね。「失礼するぞ」ガチャ。
GM:まずここで必要なのは……当然カギがかかっているので《突破》ですね。
ガイ:《突破》持ってる。昔戦場に居たから《突破》は絶対必要だと思った。
バッドフェイス:お、スペシャル!
ガイ:スペシャルこっちもでたよ。まあ変わんないけど結果としては。
GM:扉が何をしたんだ。この場合は助手が2点回復するんですかね。
バッドフェイス:そうですね。
ガイ:2点だっけ?
GM:2人スペシャルしたから。
バッドフェイス:スペシャルの1点と、助手が4以上だしてる1点です。
ガイ:だよね? スペシャルは2人が出したとしても1回分だよね。
GM:ありがとうございます。じゃあダブル突破により……まさかのバッドフェイスさんも的確なアシストをしました。固く閉ざされていた扉は粉微塵に吹き飛んでいきますね。
ガイ:「よう、失礼するぜ、クロウ」
クロウ(GM):「なんですかあなたたちは」隠れ家的なバーのようです。
ガイ:バー? バーね。
クロウ(GM):「営業時間外ですよ」
ガイ:「ほう、俺を知らねえか。まだまだ俺もこの街ではアレだな」
GM:誰だよ(笑)
ガイ:「この街じゃあ、まだ俺もひよっこってところかな」
クロウ(GM):「何を言ってるんですか」
ガイ:「知らねえようなら名乗るのが筋だろうな。俺はガイ。皆はそう呼ぶ」
クロウ(GM):「はあ、ガイさんが何の用ですか」
ガイ:「俺はな、人を探してるんだ」
クロウ(GM):「はあ、人」
ガイ:「人だ。ああ、あんたの言いたいことはわかってる。この全身機械の俺を見て、どこまでが人なのか、そういう哲学的な問いをしようと思ってるだろ。その話を今したいんじゃないんだ」
バッドフェイス:(笑)
クロウ(GM):「ええ、私も別にその話はしたくないですし、帰って頂きたいと思ってるところですけど」
ガイ:「ふん、話が分かる奴だ」
クロウ(GM):「警察呼びますよ」
ガイ:「じゃあ単刀直入にいこう。あんた、この男、マーゲイって奴を知ってるか」
クロウ(GM):「知りませんよ。誰ですかその男」
ガイ:「ほう、白を切るつもりか」って言いながら店内に入っていきます。
クロウ(GM):「やめてくださいよ。今掃除なんですからわざわざ汚さないでくださいよ」
ガイ:「本当に知らねえのか」
クロウ(GM):「ええ、知りませんよ」
ガイ:「そうか」駄目だ、交渉事ができない。このキャラクター(ガイ自身のこと)、交渉ができない。
GM:このシーンでは、「本当に知らねえのか」のところで、表情が変化したのかを読み取ってい頂きたい。技能《変化》を振って頂きたいと思います。
ガイ:《変化》持ってない。
バッドフェイス:そんな技能があるのか。
ガイ:2個で行きます。成功です。
バッドフェイス:成功。
GM:二人とも成功ですね。わずかに片方の眉が上がったのを二人とも見逃しませんでした。
ガイ:眉が上がったのをサイバネアイが捉えた。
サイバネアイ(GM):「ピピピ、3ミリ、3ミリ」
バッドフェイス:「笑わせるぜ、そんなの俺の目だって捉えてる」
ガイ:「やっぱ知ってるじゃねえか」カウンター越しに襟をつかんで引きずり出します。
クロウ(GM):「なんですか、やめてくださいよ!」
バッドフェイス:「ちょっとゆさぶってやりゃいいじゃないか」
GM:物理的に(笑)
ガイ:そのまま掴んで顔をグイっと寄せて、「俺はまだ紳士的にやってるつもりだぜ。今のうちに吐いた方がお前のためなんじゃないか?」ギリギリと握力を強めていくのでクロウの服のボタンはバチバチと弾けていきます。
バッドフェイス:「クロウさんよ、ここは何階だったかな」
クロウ(GM):「ここですか? ここは4階ですけどなんですか」
バッドフェイス:「あんた、見たところ生身の人間のようだが、4階からジャンプした経験はあるかな」
クロウ(GM):「無いですよ。何が言いたいんですか。痛いんですけど。離してくださいよ」
ガイ:「そうか、経験というのは大事だぞ」と掴んだまま窓の外にブラーンとやります。
GM:そこでクロウさんは懐から何かを出します。
ガイ:お? それは何かわかりますか?
クロウ(GM):「わかりましたよ! これでいいんでしょこれで!」と言って取り出したそれは何かのスイッチです。クロウさんはにやりと笑うとスイッチを思いっきり押します。部屋中に鳴り響くけたたましいアラーム。そして、クロウさんはあなたの手をすり抜けて4階の空から地上へとダイブしていきます。
ガイ:「くそっ!」
GM:なんということか! 華麗な着地を決めたるクロウさん! 彼もサイバネ人間だったのだ! ジャーン! クロウさんは高笑いを残して去っていきます。
ガイ:「しまった! バッドフェイスが危ない!」と言って爆発に巻き込まれんとするバッドフェイスに覆いかぶさって……
GM:はい、大変懸命な選択でございますが、爆発ではございません。天井からキュルキュルと伸びてきたのは、そう、あの恐るべき超高圧ウォーターブレードなのだ! ジャーンジャーンジャーン。ということで逃げなければなりませんが。ガイさんのサイバネアイはこんな時にもお役立ち。彼はこれが脱出口になることを瞬時に見抜いたのだ。ということでキーワードをおひとつ渡します。2人に渡していいのか、でもエモいんでガイさんに渡そう。
バッドフェイス:ちゃんとエモくしてもらおう。
ガイ:この流れで手に入るんだ。
GM:あの厳重な警備で知られるブラッドスター家にどうやって入り込んだのか、マーゲイもクロウも、ということについて天啓を得ます。

ガイだけにキーワードが送られる。

ガイ:「そういうことか!」と言って一人勝手に納得すると、バッドフェイスを抱えて通風孔に飛び込みます。

キーワード⑤:通風孔が壊れていた

GM:ガイさんとバッドフェイスさんが飛び込んだその刹那、部屋中をすさまじい水流が猛り狂いますね。バシャバシャバシャーっと。ズバズバババーっと、もうパリンパリン言ってますよ、ジャバンジャバンですよ。
ガイ:通風孔を抜けてそのビルの屋上まで逃げましょうか。そのまま隣のビルに移ってバッドフェイスを降ろします。
バッドフェイス:「俺は荷物じゃないんだぜ」
GM:(笑)
ガイ:「わかってる、俺の大事な主治医だ。だからこそあんな場所で高圧水流で切り刻まれて溺死させるわけにはいかない」
バッドフェイス:「別にあんたに抱えられなくたって俺一人でなんとかなってたさ」
ガイ:「ふん、言ってくれる」
バッドフェイス:パンパンって服をはたきます。
ガイ:「クロウは逃してしまったが、さっきの件で1つ思いついたことがある。マーゲイやクロウがブラッドスター家にどうやって忍び込んだか、ということだ。マーゲイは……」マーゲイってあれですよね、捜査官ですよね。「彼は捜査官であり、猫めいて敵の拠点に潜入するのが得意だった。だから奴は通気口からブラッドスター家に忍び込んだんだ。そしてクロウも同様だが……さっきのやり取りで分かったんだが、奴はサイボーグだ」
バッドフェイス:「見事な義体化だった」
ガイ:「だな。第一世代の俺じゃ追いつかないほどに。もしかしたら第4世代か、それよりも新しい型かもしれん」
GM:そうじゃなかった。
ガイ:「重さはほとんど人間並み。だが脚力は生身の人間ではない。あの細身の体に高い出力、やつなら通気口から侵入するのも容易いことだろう」
GM:現在の厚木、非常に空気が悪いので、いかなブラッドスター家といえども換気の設備を拡充することは避けられないわけですね。そして同じ潜入ルートを使えば鉢合わせしてしまうのが必定であろうというもの。ということで、無事にみなさんは脱出に成功したわけですけれども。さっき判定に成功したので余裕は獲得しておいて頂ければと思います。感情も取っておいてください。
ガイ:探偵から助手に1個取れるんだね。
バッドフェイス:シーンが終わったから助手も1個ありますね。
ガイ:気に入ったところで、「やはり交渉事はバッドフェイスの方が一枚上手だな。奴のような脅し文句、俺は言う前にやってしまう」。
バッドフェイス:気に入らないところ、「過保護」。
ガイ:(笑)
GM:一人で大丈夫だったのに。

GM:シーンが終わり、余裕が2点減少します。
バッドフェイス:6になります。
GM:めっちゃ余裕ですね。
ガイ:鋼鉄のオーディンの襲撃のせいで2点減少した。
GM:しぶといな、鋼鉄のオーディン。この事件全く関係ないのに。
ガイ:いま関係ない勢力が2つ出てきちゃってる。ドン山下と鋼鉄のオーディンがいるから。
GM:そうですね、バロン横川も。
バッドフェイス:バロン横川も暗躍している。
GM:全部厚木のせいにしてと。

>> Part 4

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