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香港編「基礎データ」下書き

中国の人権問題を扱う文書『トータルキャンプ』の香港編の一部「基礎データ(人口、言語、文化など)」の下書きを開示します。これはほとんど本稿に近い完成率です。永らくお待たせしてすみません。

 3. 基礎データ(人口、言語、文化など)

香港は英国の植民地であったが、1997年に中国に返還された。香港は「香港島」「九龍」「新界」の三地域からなる。

「香港」の名称の由来については諸説があるという。いまのところ有力視されているのは、香港島南部の石排湾が香木の集積地であり、広州への積み出し港となっていた史実を由来とする説である。

次に香港の地理的な位置について書くが、香港は中国南部の珠江河口東岸に位置する。

次に香港の自然について。香港は亜熱帯に属し、夏は南シナ海からの季節風の影響でほぼ毎日気温が30℃を越え蒸し暑く、また台風やスコールにより豪雨となることもある。冬は大陸の季節風のため降水量は少なく温暖である。

香港の総面積は1106平方キロメートルであり、全体で東京都の半分ほどの広さとなる。内訳は、香港島81平方キロメートル、九龍47平方キロメートル、新界978平方キロメートルである。

香港の総人口は、733万3200人(2022年末)

香港の主要構成民族は、華人(9割)

香港で使用されている主な言語は広東語(約9割)で、事実上の共通語となっている。英語や普通話(マンダリン)も話者は少なくない。
書き言葉は、標準中国語繁体字表記(書面語という)。
なお英語は、返還後も(中国語にならぶ)公用語と規定されている。

香港で信仰されている宗教は、仏教、道教、プロテスタント、カトリック、イスラム教、ヒンドゥー教、シーク教、ユダヤ教などである。

また香港の文化は、創始宗教と伝統的な民間信仰、香港人による文学、演劇、映画、民間などによるラジオ放送などによって醸成されている。漫画やアニメもあり、日本からの影響を受けている。そして香港にもあるサブカルチャーには、明らかに日本のポップカルチャーが浸透しており、その存在感を抜きには語れない。

次に香港の経済について。香港の通貨は「香港ドル」である。名目GDPは2兆8,697億香港ドル(3,691億米ドル)、一人当たりGDPは38万7,110香港ドル(49,795米ドル)となっている。

主要産業は金融業、不動産業、観光業、貿易業。
総貿易額は輸入5兆3,077億香港ドル。輸出4兆9,606億香港ドル。主要貿易品目は輸出入ともに電気機械、装置および電化製品、電子部品である。相手国は輸入が中国、台湾、シンガポールなど。輸出が中国、米国、台湾、インド、日本など。

次に香港の政治について記述する。
香港の政体は中華人民共和国香港特別行政区(SAR)。
元首は習近平中国国家主席。
外交は中国中央政府が、軍事は中国中央軍事委員会が責任を有する。香港内には中国政府を代表する機関として中央人民政府駐香港特別行政区聯絡弁公室が設置されており、また中国外交部の香港事務所である駐香港特別行政区特派員公署が設置されている。軍事では、陸海空三軍からなる香港駐留部隊が駐留している。

香港特別行政区自体の立法と行政について述べる。
香港には議会として「立法会」(90議席)がある。
これは香港基本法が定める立法機関である。現在の定員は90名で、うち40名は選挙委員会選挙、30名は職能別団体選挙、20名は地域別直接選挙で選出。任期は4年。
また香港には政府として香港特別行政区政府がある。トップは行政長官。現任者は李家超(John Lee)で2022年7月1日就任。

 

《参考文献》 

吉川雅之『香港を知るための60章』明石書店, 2016.


(ホームページ)
日本国外務省ホームページ
ウィキペディア



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