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小説『ヴァルキーザ』6章(2)
アム=ガルンの力を見て、そして彼の言葉を聞いたグラファーンは、巡礼者たちを助け出し、ともにイリスタリアの都に行く途中、自分の考えついたことを彼に打ち明けた。
「アム=ガルン、失礼かもしれませんが、もしかしたら貴方は、呪いにかけられた人間を元に戻す力がおありではないですか?」
グラファーンは、今は亡き母マックリュートが占術を通して彼に語った言葉を思い出していた。
母は、私にかけられた死の呪いを解く力のある人間が、イリスタリアの都に現れると言っていた。
するとアム=ガルンは、少し考えてから頷いた。
「はい。拙僧は、司祭になる前に修道院で『呪い解き』の研究をしておりました。私はその儀式を行い、実際に、人にかかった呪いを解いてさしあげることができます」
グラファーンはそれを聞いて喜び、その場で司祭に、魔女キルカに死の呪いをかけられた自身の事情をすべて話した。
するとアム=ガルンは答えた。
「その水準の呪詛でしたら、拙僧の力の及ぶところでしょう。安心して下さい、グラファーン。解いてさしあげます」
そして司祭アム=ガルンは、解呪の儀式をするには、それを行うのに必要な物と場所が必要だと説明した。これは旅の途中、最寄りの、イリスタリア郊外の小さな教会を使用させてもらうことで解決した。
その教会でアム=ガルンはグラファーンに解呪の儀式を行い、グラファーンは長年の願いだった、自分の身体にかけられた死の呪いを解いてもらうことに成功した!
数日後、巡礼団とグラファーンたちは、イリスタリアの都に到着した。
グラファーンたちは、巡礼者たちを無事にイリスタリアに送り返すことができた。
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