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青春生き残りゲーム(7)

 ウナギ少年も中学生で、思春期真っ只中でありました。勉強部活以外にも恋愛というセクションは少なからずともありました。しかし、以前にも執筆した通り、母からの心身への厳しいしつけや母と祖母の確執、小学生の頃の女子からのいじめもあって大分歪んだ恋愛観が構築されていました。


 少年は、中学1年生の時に、英会話教室にて、同じ時間帯で勉強していた他校の同級生の女の子に告白されました。ところが、彼はそれを断りました。理由は、女性恐怖症な上に、自分の顔に自信がなく、恋愛をするには精神年齢が低すぎるといった自虐的なものでした。

 その後、教室内での関わりだけに終わり、中学1年の半ばで彼はその英会話教室をやめたため、その女の子がその後どこで何をしているのかわかりません。

 2年生となり、今度は同じクラスの女の子を好きになりました。彼女は、背が高く明るい性格で、陰キャ陽キャ男女問わず話しかけるため、誰からも親しまれていました。なので、女性恐怖症な根暗であった少年も、少しずつ心を開いていきました。今思うと女性恐怖症は少しづつ緩解されていったのは彼女のおかげだったのかもしれません。

 少年は彼女の気を引こうと、持てる最大限のコミュニケーション能力を使い自然体を装って話に加わるように努力したり、勉強ができるほうだったので、数学や社会を隙あらば教えたりして、それなりに距離を縮めようとしました。しかし、陰キャの全力とはここまでのようで、学校外のところで遊びに誘ったり、ましてや、呼び出して告白する勇気など全く持ち合わせていなかったのです。そもそも、少年のほうから声をかけてばかりだったため、彼女からすれば鬱陶しかったのかもしれません。

 そうこうしているうちに、3年生になりズルズルと時が過ぎ、あっという間に夏休みまで終わってしまったのです。

 

 夏休みが終わり、怒涛の青春ラッシュが来ることを少年はまだ知りませんでした。この話は、また次回以降。

 連投となりましたが読んでいただきありがとうございました。

 

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