断片《短文・詩》
ぱちん、ぱちん。
自分を切り刻む音。
有限な私を幾つものピースに分けて
この世界に置いていく。
一が複数になり、私は断片となる。
その断片がまた断片となる。
複数に切り分けた私の存在。
拾い集めてまとめたら
また私に戻ってくれるだろうか。
また戻りたいと思った時に
帰り道を見失わぬように
切り取り、そっと置いた私の断片。
もはやどこに置いたのか
振り返ることも忘れてしまった。
いつか同じ道を通った時に
そこにあることを気づけますように。
少しずつ、私を取り戻す旅路にて。
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